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ペリドットは他の石に比べ、地中深く(地表下約56km)ででき、ダイアモンドと同じく、マントルで極端な高温・高圧下で形成されます。
「あっつ!ちょ、押すなよ、オイ!」
ぐらいでは済まないぐらいの高温・高圧でしょう。

ペリドット in ダイアモンドという、ダイアの成長過程でペリドットの結晶を取りこんでしまったものが存在しますが、ダイアモンドこそ地中深く(表層から120~200km!)でできるので、ダイアに入るということ自体がなかなか希少なことです。教科書のみで実物はまだ見たことがありません。

リリーパッド(蓮の葉)というインクルージョンが鑑別特徴の一つ。
その名の通り水面に浮かぶ蓮の葉のようで、小さい蛙が乗っていてもおかしくないような形です。鑑別実習で、最初にルーペや顕微鏡を覗いた時にリリーパッドが見えると
「おぬしはペリドットであろう?そうであろう?」
とにんまりしてしまうものです。いや、この口調なら橄欖石ですね……。
(橄欖石(かんらんせき)が和名です。読めるけど書けません)

複屈折率が高いので、ルーペでもダブリング(内包物や逆側のラインがだぶって見える)が観察できて、リリーパッドももれなくダブッて見えます。

誤称はイブニングエメラルド。夜に光るといいますが、そうなのでしょうか。鑑別などなかった時代、赤い石はルビー、青い石はサファイア、緑の石はエメラルドだったのでしょうね。

店頭で目にするペリドットは黄緑色という印象ですが、上質のものはとろみすら感じさせるオリーブグリーンです。鉱物名のオリビン(olivine)は、緑色がオリーブに似ているから、というのも頷けます。

面白系のペリドットはこちら。

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針状の鉱物が入っている石として有名なのは、ルチルクォーツでしょうか。
このペリドットは、黒い針状のトルマリンが入っています。敢えて呼ぶなら、トルマリネイテッドペリドット?

米国・アリゾナ州が最大産地、最高品質のものはミャンマー、歴史的産地はエジプトのセントジョーンズ島です。ここ、試験に出ますよ!

ハワイでも産出されます。火山の島・ハワイ島に行った時、黒砂海岸でキラリと輝く緑の小さな粒があったらペリドットだと教えられました。マントルと一緒に上がってきますからね。
亀もいる海岸で、夢中で探しましたが小さな小さな物しかなく、少し大きなものは残念ながら波と岩で丸くなった緑色のガラスでした。そうしたガラスも、コレクターがいるほど綺麗なのですけれど。

いつか、とろりとしたオリーブグリーンの極上ペリドットに出会いたいものです。イメージはドーム型のカボションカット、リングにしたいなぁと妄想しています。

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