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〖写真詩〗「弥生の月は待っている」
まるで月まで 凍りそな
如月の夜の 寒いこと
あなたの命の長さを知って
私の左が痛むのです
笑って 泣いて 酒呑んで
徳積み 毒吐き 綴った人生
まるで月まで 凍りそな
如月の夜の 寒いこと
弥生の月は待っている
あなたの命が 天で咲くのを
HANA。
(解説コメントは画像下にあります)
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【コメント】
祖父の余命宣告を受け書いた詩になります。
余命宣告を受けたのは、2月のこと。
寒い夜が余計に寒く感じました。
私の左が痛むのです、は、余命宣告を受けてから、妙に私の体の左側が痛い。
祖父は、慢性腎不全だった母に自分の片方の腎臓を移植しました。
祖父が腎臓を移植してくれなければ、今、私はここには居ません。
これは憶測ですが、左側の腎臓だったんじゃないかと。だから、私の左が痛むのではないか。
祖父に、私は命を貰ったのです。
笑って泣いて酒呑んで、そんな人生でしたね。
徳を積んだというのは、祖父母が営んでいた焼肉店のレジ横に、「福祉善意の筒」という募金箱が置かれていて、毎年そのお金を市に寄付していました。
これは、亡き母(祖父からみたら娘)が、思い腎臓病に罹り、その時市から受けた支援金のお礼として、ずっと続けたものでした。
それとは別に市の総合病院へ、車椅子を寄付したりもしていました。
元々はお礼の気持ちだったかもしれないけれど、十分に徳を積んだと思います。
毒吐きという部分については、ちょっと口が悪い人だったので(笑)
綴った人生というのは、祖父が「書」を書くことが好きだった為です。
弥生の月は待っているは、母の名前が「やよい」だったので。
亡くなってしまうであろう、3月には、天国のやよいさんが待っていてくれますよ。という意味の詩になります。
エッセイ「焼肉やぶの話」も是非読んで見てくだされば幸いです。↓↓↓
https://note.com/preview/n82934e6261bf?prev_access_key=a616cf282c6c1c5c726ebf860049ffd8
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