見出し画像

読めない本とクソ男

「なんだそれ」って思う人の方が多いのが当然なのですが
現在私、強烈な渇望欲と闘っております

渇望欲

なんだそれ。


今作った言葉なのですけれど、それ以外にしっくりくる言葉が見つかりません

渇望・欲=渇望することを求める欲求  です


最近、Twitterにも書いたのですけど
本屋に行ってもあんまりうおおおおってなったり焦ったりしなくなったんですよ
行くたびに何やら強烈なエネルギーでたくさん買わなきゃいけない気になったり
夢中で読める一冊を意地でも探したくなったり
「面白そう」と思えるものを探すのに必死になったり
見つからないからってたくさん買うだけ買ってみちゃったり
ウィッシュリストに入れるためだけに本のレビューを見まくったり
そういう無駄な行動が一切、なくなりました。

面白いくらい、きれいさっぱり。


それ自体は非常に喜ばしいことです。

だって、買っても一切読めなかったんだもん。
積読もいいところで、ほぼほぼ読めてませんでした。

So ...  This is MUDAGANE!!

いや、漫画と実用書、自分野の専門書、ビジネス書は読めてましたよ、はい。
でも、買ったものが読めてないなら無駄金です。
読めないものこそ読みたくなって買ってしまったりもするんですから


そこにあっても、読みきれない、読めない
そして、読んでも頭に残らない。

「本をよむ」こと自体が呼吸をすることのように思えていたくらいのこの私が
ここ20年くらい、ほぼほぼ本が読めなくなってしまっていたのです。


今、いつ頃からかなって初めてちゃんと考えてみたんですけど「活字中毒すぎる」と笑われていたくらいだったのに、もう人生の半分以上が読めない時間になってしまっていたんですね。驚きました。っていうかちょっとショック……マジか。


まあ読めない、と言っても、もちろん文字は追えますし、言ってることもわかる。
でも、面白いと思いながら夢中になるようなことは滅多にない
昔のように細部までイメージしながらよむようなこともできない
頭の中に文字が入っていっても言葉としては入るのに意味としては入らなかったり
めちゃめちゃ疲れやすくなってしまっていて途中で諦めたり
Web上の記事も強烈で下世話な刺激的なものくらいしか頭に入ってこないし
漫画なら読めるのにブログじゃ無理とか

そういう意味の「読めない」時期がほとんど、だったんです。



ときどき読める時もあったけど、
昔の感覚が生野菜ぼりぼりだとしたら
どう考えてもちょっと古い糠漬け程度の感触。
色も鮮やかじゃないし、萎びてて、みんなしょっぱい同じ味。
言うなれば「紙に書かれた文字」を超えてこない、そんな感覚。

読んでも読んでも「文字でしかないという事実」を超えてきてくれなくなってしまっていたのだ。


それまでは、読めば読んだだけ自然に「体験」ができたため
その能力に頼り切って読んでいたのだろう。
細かく図解がついたもの=漫画なら読める」だったのはおそらくそのせいだ


でも、どこかでずっと、本をよむあの感覚を覚えていて
欲しくて欲しくてたまらなくて

それで、ときどき本屋で本をどか買いしていたのだと、今ならわかります
あの気持ち良さが欲しくて欲しくてたまらなくて、必死に手を伸ばしていたのです
読めないのに。

何それ、ヤクがキマらなくなったヤク中かよwhat a wonderful world! lol!
いや、まさにそのものなわけですけど!


お気づきになられたかもしれませんが、過去形です

現在、フルパワーではありませんが、かなり読めるようになってきています。
まさかの突然の回復! とかいうドラマチックなものではありませんでしたが
ジリジリと、その力が伸びてきていて
あの カ・イ・カ・ン がもうすぐそこ……というかときどき戻ってきています

Welcome to the Addicted World!!
このままブックジャンキーの道へ直走ることになるのでしょうか…??
お……大人になったからちょっとは自制できるものと思いたいところです。


皮肉なもので
私が読めるようになったきっかけは書店にも書籍にもありませんでしたけどね……
ありがとうWeb小説、ありがとう「なろう」なのでした

平易でわかりやすいテンプレ通りの物語が無数にあふれたあのサイト。
授乳中のなろうの濫読乱読爆読で、カンがかなり戻ってきてましてですね……
面白いというかなんというか、
Web漫画の広告バナーで続き気になったらなろう版があればよむという…
続きがすぐ読めないの結構苦手なので……全部漫画買ったら破産する……

そうしたらですね
ほんと、本屋が穏やかになってしまったのです
何も焦らない。必死にならない。楽しい嬉しいウフフで終わる。
ギラギラしても見えないし、何らかの興奮を呼ぶ場所でもない。
怖くないし散財もしないし、隅々まで見て回ったりもしない。
(逆にいうとそうなる場所だったという……不審者やんこれ)

ふと、久しぶりに訪れた本屋なのに
欲望がぐわーっとならないことの自分が一番驚いたのだけど

これ、多分読めるようになったからなんですよね

本を読んで何かを得ることが普通にできる
昔ほどではないけれど脳内に絵を描けることは、キモチイい。
脳をバッキバキに使う快楽すら、ある
読みまくることができて、ある程度以上満たされいる

その反対に「渇望」がなくなってしまった。
なんていうか……物足りないというか、あるべき刺激が来ないというか
焼けるような、燃えるような強い感情が来ないんですねええ!!!

ああ!出ないドーパミンアドレナリン!!
興奮しない!
あの、荒ぶる心の動きがこない!! 
キまらないんだよおおおお!

ってことだと思われます。
苦しい部分もあったのに、あれ、気持ちよかったんですよ。
「買う」だけで、心をめっちゃ動かすこと自体がストレス発散になってたんです。
「読めないストレス」だけを晴らすなんて実際は不可能で
単に「ストレスを強烈に晴らすひとつの大技」として機能してしまっていたんです


ほんと、こういうのってクスリと同じ
強烈な感情を呼び起こすことって、本当に麻薬に似てるんだと思う
……実際に脳内麻薬はジュルジュル出てるだろうしね


飢えたい。
渇望したい。

求めたい。


狂いたい。


でもね、これ
快楽をどっちゃりよこしてもくれるけど
その快楽も強烈なヤツだから欲しくなるけど
ストレスも反動でゴッツリよこしてくれるタイプの行動、ですよねぇ

「読めない感」をこれ以上ないくらいに強化してくださる時点でお察しです。
アゲ↑↑  アゲ↑↑ した分 サゲ↓↓↓   サゲ↓↓↓↓ されるヤツです


アップダウンの高低差を実際の高低差と誤認してるヤツです

名称未設定のアートワーク

ヤバイ男から逃げられなくなる的なやつと同じです
……私こういうのに、ヨワすぎるですぽよ……

本が読めるようになって喜ばしいし嬉しいし、それは努力の結果なのに
逆方向へ引っ張る力がこんな風に、暴虐な風のような欲望でやってくるなんて
いや、その快楽に溺れていた自業自得すぎる流れなのですけど
しかもそれが苦しくなるなんて、思ってなかったです。

こうやって文にして他人事にすると客観視できますけど
結構、この圧というか吸引力、強烈です。
楽だもん。あっちの快楽の方が。
本をよむのは、楽しいし身になるし、利益も大きくて気持ちいんだけど
労力はかかるし、疲れるし、お手軽ではないし、時間もかかる
もん。
あんなふうに、本屋でグネグネしてるだけでイージーに手に入るものではないもん
あっちの方が瞬間で気持ちよくなれるもん。


こんな風に、人の土台ってちょこっとずつ削られたり傷つけられたり
と、いうよりも自ら削ったり傷つけたりしてしまうものなのでしょうね


でもね
よむ方の快楽の深さと喜びを取り戻した
もう多分、無駄買いの気持ちよさって、もうそんなに刺さらない。
実際のアゲ幅がかなり小さくなってしまうだろうから。
やってももう、そんなにキモちよく感じられない、ってわかってるから逆に
その渇望への欲求が妙に高まっている部分もあるのかもしれませんけどね


ああ、人間って本当に理不尽で矛盾だらけ。


仕方ないからKindle Unlimitedで無駄積みしたりウィシュリストに無駄入れしたりして何となく気持ちを晴らすようにしていきましょうかね……
(それすらも実際に読めちゃうともうあんまり気持ちよくない、けどね)
(いや、ウィッシュリストの充実って楽しいけどね!)


画像2


いいなと思ったら応援しよう!

半崎いお
サポートいただけたらムスメズに美味しいもの食べさせるか、わたしがドトります。 小躍りしながら。