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タイ国の少数民族における文化財保護と博物館の活用に関する一考察 〜タイ国モーン族における実践的研究を通して〜

割引あり

モーンに出会うまで
16歳の時、 上座部仏教へ改宗し、大学でタイ、チベット、モンゴルの仏教文化やタイ語を学び、奈良康明先生 のもとで仏教学を学んできた。卒論ではタイ恋愛映画の中で、悟りの階梯による青年心理の変化をなぜ表現したのかを研究した。この研究によりタイの若者は仏教を利用する軍政から民主化を望み、独自の芸術制作を通して、人々が涅槃へ往生する権利があるという教学を探究していること、また都市部を中心に若者が近代化により寺院から離れゆく社会変革がわかった。また、タイの民主化問題と途上国開発 による農漁村民の搾取が、近代化と近代以前の世界観に基づく宗教生命倫理の軋轢が元凶だという指摘も知り、近代化がタイ社会や地域のヒトを含む生物にどのように影響を与えているかという問題意識が生まれた。

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