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「豊かな海は、豊かな森から生まれる」2024.7.24 持ち寄り勉強会@はまぐり堂 その③

2024年7月24日(水)はまぐり堂にて、今年度 第2回目の持ち寄り勉強会を開催しました。今回は、今年の地域の冊子づくりのテーマ「里山」にちなんで、牡鹿半島・桃浦を拠点に林業・森づくりに取り組んでいらっしゃる森優真さん(合同会社もものわ代表)をお招きしてお話を伺いました。
 今回の会は、前半は森さんのお話(その①その②)、後半は参加者の皆さんの持ち寄り料理をいただきながらのお話の時間としました。
 本記事(その③)では、今回皆さんがそれぞれ持ち寄ってくださった一品のご紹介と、それをいただきながらお聞きしたエピソードをご紹介します。



本日の持ち寄りメニュー


毎回、一人一品、手料理やおやつなどを持ち寄って開催している「持ち寄り勉強会」。今回の食卓にはこんな品々が並びました♪

みやこさん:

南舘さん:

浮津さん:

味楽さん:

ありさちゃん:

しょうこさん:

蜂谷さん:
◎知り合いのコーヒー屋さんのこだわりコーヒー豆
今回も、食後にハンドドリップで淹れてデザートと一緒においしくいただきました!

長沼さん:
◎自家製のクマザサ茶
体にも良いというクマザサを乾燥させて炒って煮出したお茶を持ってきてくださいました♪ ほんのり笹の良い香り!上手に乾燥させるには、暑い日の車内に吊るして天日干しにするといいよ〜と教えて頂きました。

佐藤優花ちゃん:
◎桃
今が旬の、甘くて柔らかな桃!冷やしておいて食後にみんなでいただきました♪

はまぐり堂:
◎深蒸し茶のゼリー バニラアイス添え
地元石巻のお茶屋さん「桜井園」さんの深蒸し茶で作ったゼリーとバニラアイスを合わせて、見た目も涼しいミニデザートをお出ししました。


昔の山の思い出

さつま芋づくり

 昔ね、雄勝の大須おおすの山の上でも、さつま芋を作ってね。おばあさんたち、お百姓してたんだよ。浜のものと山のものとね。
 (牡鹿半島の)荻浜おぎのはまでも芋を作っていて。だから大事な食糧だったんだよね。芋って水分あんまりいらないから。だから山の上でさつま芋を作ってたんだよ。昔はそれで生活の糧にしてたんだよね。
 今は山の上は杉の木だらけだけども…。

薪拾い

ー 皆さん昔、山に入って薪拾ったりとかしてたんですか?

参加者の皆さん(以下「」) 自分ではあんまり拾ったりしなかったかなあ…上の世代はやってたけれども。蛇田(地区)あたりは、(薪を)買ってきてたの。渡波(地区)まで買いに行って、それを小屋に入れておいて一年中使う、っていう感じで。

ー へぇ〜渡波に薪を買うところがあったんですね。細い小枝とかですよね?

参 そう、細くて、長いやつね。それを昔は馬車に積んで運んでね。

参 うちも実家が(雄勝町の)釜谷だったんですけど、その時にはお風呂もなんでも薪でしたね。

参 桃太郎のお話なんかで、「昔々おばあさんは川で洗濯を、おじいさんは山で柴刈り(薪拾い)をしていました」って言いますよね。おじいさんは歳を取って山の仕事ができなくなるんだけれども、山の持ち主さんがそういうおじいさんに、山に柴刈りに行ってもらって、山をきれいにしてもらうんですね。
 おじいさんは、木を切ったりするような大きな山仕事はできなくなるけれど、そういう柴刈りの仕事をすることで老後の生活ができる。だから、その時代は「福祉」っていう言葉はなかったと思うけれど、山主さんがそういう人たちを山に入れて、お爺さんたちは自分で背負える分だけ柴を刈って、それを売ったり煮炊きに使ったりして。
 それでお互い、おじいさんも暮らしが成り立つし、山主さんも山がきれいになって助かるし、という持ちつ持たれつの関係が昔はあったんですよね。

参 私なんかは、小学校の頃は、おじいさんと一緒に山に行って柴刈りしてたよ。
学校休みの時とかに柴刈りしないと、お風呂が焚けない、かまどの薪がない、ってなるからね。あと杉の葉なんかは、焚きつけに使ったよ。あと、秋は栗の実拾いに山に行ったりね。
薪は年がら年中必要だから、雪のない時期にはなるべく薪を拾いに行ってたね。それで家の壁際に薪を積んで、炊事とお風呂と、あと暖をとるのもだね。


材木屋さんや加工屋さんの薪事情

参 うちは製材所だったから、端材がいっぱい出るし薪には困らなかったよ!(一同大笑い)

参 うちでは魚の加工屋をやってて、かつおぶしを作るのに必ず薪が必要だったの。ナラとかクヌギとか、長持ちのするやつ。炭にできないような太い枝ね。そういうのを一山分で買うんだよね。「この山一軒分でいくら」っていう風に。買っても山に道がないと運べないから、道を作ってもらうまでなかなか買えなかったり。
 (紙の原料となる)パルプにするために売る木材の、必要とされない部位…太いところとか、そういうのを譲ってもらって、トラックで持ってきてもらって。一年分を乾燥させないといけないから、生木だと燃えないから、干しておいて。そうするとすぐ燃えるからね。

ー昔は石巻でも鰹節屋さんってたくさんあったんですか?

参 うん、ありましたね。気仙沼に負けてカツオが石巻の港に入らなくなって(水揚げ量が減って)からは、だんだん減って。そのあとは鰹節加工じゃなくて冷凍して輸出することが多くなっていったのね。

山とともにあった子供時代

参 薪の話でいうと、昔はお風呂なんかも、山から薪を取ってきて沸かしたりして、そして、みんなの家庭にあるわけではないんですよ。親戚のところにお風呂もらいに行ったり。「もらい湯」ね。
 うちの主人なんかは、今73歳なんですけども、小学校へ通うのも、雄勝の小島(地区)から町中の雄勝小学校まで、山を越えて1時間かけて歩いて”山学校やまがっこ"しながら通っていたそうです(※筆者注:山学校する:学校をサボって裏山で遊んだり登下校途中に野山で遊ぶこと)。 
 それこそ山とのつながりは深くて、当時は本当に薪とかも一つ一つ大事にして生活していたみたい。だから震災の時には一番強かったですよ。一番燃えてましたね。山の中にあるものだとかを活かして生きていく力があるから。

⭐︎筆者より:柴刈り・薪についての参考になりそうな記事を見つけました。こちらもぜひご参照ください。


〜 2024.7.24 の持ち寄り勉強会の様子は今回でおしまいです。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!〜


《ここ掘れワッショイ!》
執筆:亀山理子 / イラスト:佐藤優花
「足元に眠る宝もの(みんなが当たり前に持っていた地域の暮らしの知恵や食文化、自然と共生する在り方など)を掘り起こし、その豊かさを改めて捉え直し、次世代へと繋いでいこう」
そんな思いのもと、地域の方々と共に毎月開催している「持ち寄り勉強会」の模様をお届けする連載マガジンです。

記事一覧:
【1】「地域のみんなの顔が見える冊子っていいね!」 2024.6.27 持ち寄り勉強会@はまぐり堂 その①
【2】「地域のみんなの顔が見える冊子っていいね!」 2024.6.27 持ち寄り勉強会@はまぐり堂 その②
【3】「豊かな海は、豊かな森から生まれる」2024.7.24 持ち寄り勉強会@はまぐり堂 その①
【4】「豊かな海は、豊かな森から生まれる」2024.7.24 持ち寄り勉強会@はまぐり堂 その②
【5】「豊かな海は、豊かな森から生まれる」2024.7.24 持ち寄り勉強会@はまぐり堂 その③

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