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雑記2023/07/05(水) 校正は嫌われる

昨日、オンライン配信にて社会学者の 岸政彦きしまさひこ先生と校正者の牟田むた 都子さとこさんのトークを観覧。

岸先生監修の『東京の生活史』(筑摩書房)につづき、『沖縄の生活史』(みすず書房)が出版された記念のイベント。
超ボリューム大部の2冊で、『東京~』は150人分の聞き書き、『沖縄~』は100人。沖縄は先生の研究フィールドでもある。
またさらに、住み馴染んだ「大阪」の生活史も今年中には出るそうな。三部作!

途中、岸先生がいかに校正を憎んで(いや仕事ですからねあちらはありがたいんですよ。ほんとにありがたいんですよ)いるかという話になっていた。表記ゆれを絶対に直さない会の~・・・

いわく、処女小説「ビニール傘」で、どことは書かずタクシーが橋の上で、歩いている女性を拾うというシーンがあった。すると新潮社の校正が、前後の描写から橋を特定し、グーグルストリートビューの写真まで添付して、
「この橋はガードレールが続いてるから、歩道の人は拾えません」
と。

ええやんか
フィクションかいてんねん

とにかくね、ここ間違ってる、ここも間違ってる、ほーら間違えた、ここもここも、言うてくるんで。
と、長年の確執を漂わせながら、牟田さんを平身低頭させていくのだった。

いや仕事ですからねあちらは。ありがたいんですよ。ほんとにありがたいんですよ。命綱なんで。フィクションやから。


・・・


という様子を昨日見たところで、今さっきNHKで

「解体キングダム」

という番組をやっているのを見た。
(NHKはテレ東とタモリ倶楽部双方の遺伝子を受け継いでいるのだ)

今回の解体は「東京 日本橋の橋げた」。

徳川家康が幕府を江戸に開いた年、五街道の起点として整備された日本橋。魚河岸も設けられ、江戸の台所として大いに発展を遂げた。家康が礎を築いてから400年あまり。日本橋で今、大規模な解体工事が行われている。現場は首都高の出入り口。本線に挟まれた川の上の「ごくせまスペース」。大型重機も使えない極限状態で一体どう解体するのか?さながら「どうする家康」ならぬ「どうする解体」!?伊野尾慧と田中道子が潜入する。

テレビをつけたときはもう終盤だったが、切り出された巨大な金属の橋げたが、慎重に連絡を交わしながら川の上の工事基盤におろされる。
どうぞご覧ください、と近寄る一行。基部だけあって中は空洞で、思わず田中さんのほうは
「これ住めますよ」
と漏らすなど。

そうして最後のコメントを求められた伊野尾さんが、こんな目線でみたことなかった、日本橋、下から見るか? 横から見るか? ですね。という旨を語った。
それに対する田中さんのあいづちがこれだ。

「あはは・・・アニメ作れますね」



某noteの野良校正はこう書くだろう。

「2017年公開のアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』は、1995年公開の同名実写映画が原作。
どちらかといえばそちらのほうがよく知られている。

なお、この95年版も、もとは93年放送のテレビドラマ版日本映画監督協会新人賞受賞)を再編集したもの。フジテレビの「if もしも」という各話完結ドラマ番組からである。
この番組は途中で選択肢があらわれ2つの結末(if)に分岐するという内容上の縛りがあり、またサブタイトルにもルールがあった。独特なセンスを思わされるタイトル(~か? ~か?)だが、それもこの番組の縛りからである。



というのは、今知りました。


「にわか知識で上げ足取りはいけないと思います」

「揚げ足 ですね」

「うるせえ」


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