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ボリビアのシルパンチョを作ってみた。
土曜日の朝、ぼーっとテレビを見ていたら、なにやら美味しそうな家庭料理を作っている絵が目に飛び込む。
某国営放送の中部限定番組内のコーナー「中部で訪ねる!世界の食卓」のワンシーン。
ステーキ肉をたたいて延ばして、フライパンでカリッと焼いて、ご飯とジャガイモの上にのせ、目玉焼きとサルサをかけていただく、結構ボリューミーなガテン系ごはんで、なにやら長崎のトルコライスみたいなB級的匂いを感じる。
この日訪ねたのは三重県のボリビア人家庭で、料理の正体は「シルパンチョ」。ネットで調べてみると、ボリビアの牛丼的ガッツリ飯なのだとか。
今まで南米料理はブラジル、コロンビア、ベネズエラ、ペルーなど、いずれも現地出身の方から習ってはいるけれどそういえばボリビアはなかったなぁと思い至る。
でも映像を見ていると家にあるものですぐできそう。なら作ってしまおう。ということで製作開始。
まずはジャガイモをゆでる。わが家にあるものはノーザンルビー。ピンク色が美しい甘いじゃがいも。でもじゃがいもだもんね。使おう使おう。
お米はにんにくと炒めて塩を入れて炊く。普通に水で炊いてもいいのだけど、冷凍庫にチキンストックがあったので水にちょっと足してコクを出してみた。
さてステーキ肉。残念ながらわが家にあるのは薄切り肉だけど、そう、重ね技を使えばステーキ肉になるのだ。重ねて塩麴、コショウ、クミン、パン粉をまぶして綿棒でどんどんたたいて延ばしてみる。たたくときにパン粉をまぶすと焼いたときにカリッとなるのだそう。なるほど。
そしてサルサ。玉ねぎ、トマト、ピーマンをカットしてお酢と塩で和えておく。黄色いピーマンしかなかったけど、まぁ、いっか。気にしない気にしない。
フライパンに油をしきステーキを焼く。カリッと焼けたら取り出しそのフライパンでスライスしたじゃがいもと卵を焼く。
お皿にご飯、じゃがいも、ステーキ、目玉焼き、サルサをのせ、パクチーを飾ったら完成!
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ガッツリ飯、というよりはカフェ飯風の仕上がりに。ちらりと見えているノーザンルビーもかわいい。
さあ、南米風にまぜまぜしていただきますよ。
ああ、これ、美味しいやつだ。
肉の味付けを濃いめにして正解!カリッと焼けたスパイシーな肉を中心に、さっぱりしたサルサ、ねっとりとしたじゃがいも、コクのあるご飯がそれぞれ寄り添い、溶け合いいろんな音色を奏でていく。そして卵が時おりそれらをマイルドに包み込んで、ほっとさせてくれる。
どこを食べても、どこを混ぜてもその味の濃淡が面白くて美味しくて、つい口元が緩んでしまう。
ステーキ肉の代わりに薄切り肉使ったり、辛いピーマンを使うところを普通のピーマンを使ったりと、現地とはちょっと違うところはあるけれど家庭料理ってそれぞれの家庭の数だけレシピがあるし、あるもので工夫することこそ、家庭料理の真骨頂だと思っている私。
なのでこれはこれで、私流のボリビア・シルパンチョ風カフェ飯ということで、お許しいただきたい。
とはいえ改良の余地もあるし、簡単にできるので、さらに上を行くシルパンチョをまた作ってみようと思う。