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高野山へ

緊急事態宣言も明けたので高野山へ行くことにした。前回の参詣は19年11月だからおよそ2年ぶりになる。紅葉シーズンにはちょっと早いタイミングになったが、ま、かえって人混みを避けられるという利点もあるだろう。

週末のTBS「世界遺産」の高野山特集を観た。四季のうつろいを同アングルからオーバーラップさせるなど4kと8kを駆使した丁寧な撮影で楽しめた(ウチは単なるハイビジョンだが)。

中でも個人的に一番こころが震えたのは金剛三昧院多宝塔のご本尊だった。なんともいえない穏やかな横顔を拝見していると、「ああ、どうしても高野山へ行かないといけないな」と切実に感じたのである。理屈では説明できないこういう気持ちこそが信心なのか。ありがたいこと。

それにしても、翌日に控えた岸田内閣人事の内定を伝えるニュース速報がビービーと何回も挿入されたのには閉口した。現場の記者にすればゲットした情報はいちはやくOAに載せたいし、本社も他社の報道ぶりをみながら横並びで速報を入れるという“フロー”も理解できる。しかし、はたして一般の視聴者がいちいち大臣ポストのひとつひとつを五月雨式に知ることまで欲しているのか。せっかく録画までした高野山番組なのに、あれがあるために見返す気がしていないのである。

ついこの前まで報道セクションに籍を置いていたのに、身勝手な感想なのかもしれない。
(21/10/5)

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