秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し2021年に別部署へ異動。2023年に定年退職してシニアスタッフに。趣味の読書はミステリー、佛道、ノンフィクション、人文系など。仕事を離れた文章を書くことの楽しさに目覚めてnoteデビュー。

秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し2021年に別部署へ異動。2023年に定年退職してシニアスタッフに。趣味の読書はミステリー、佛道、ノンフィクション、人文系など。仕事を離れた文章を書くことの楽しさに目覚めてnoteデビュー。

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「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文は人なり」といいます。定年を間近にして、これから会社以外の世間さまで出会うであろう人々に「私はこういう者です」と言えるような記事を書いていきたいと思っています。しかし・・・ 苦労した駆け出し時代サラリーマン記者として昭和の終盤からニュース原稿を書いてきました(キャリアの中ではカメラマンなどもやりましたが)。大きな枠としてはこれも「文章を書くこと」ですが、宿命として取材と執筆を両立させる必要があり、常に時間に追われる作業になります。もちろん趣味で書く物ではないし、上司(デ

    • この動物の不思議な魅力【感想文】「ねこのずかん」大森裕子

       にわかマイブームでまた猫本。薄い絵本だが基本的な生態をしっかり説明している。この動物の不思議な魅力によって猫本には一定の需要があるのがわかってきた。 (22/2/19読了)

      • 「やめたらスッキリ」あれこれ

        (朝ドラ「おむすび」のプチネタバレあります)  「ブギウギ」「虎に翼」とNHK朝ドラを2期連続で“完走”してきた。テレビドラマをほとんど見てこなかった私にとって人生初のことである。「ブギウギ」の子役の愛らしさ、趣里さんのはつらつとした姿、「虎に翼」では伊藤沙莉さんやわき役が魅力的で脚本にも迫力があって、毎朝大いに楽しんだ。  さて、今期の「おむすび」。 ここにも何回か書いたように、元同僚は「現代モノは主人公の“自分さがし”に延々と付き合わされるのがかったるいので、たいてい

        • 想像もできない世界【感想文】「炎の秘密」ヘニング・マンケル

           地雷によって姉を亡くして両脚も失ったモザンビークの少女ソフィアの実話。その苦労と、立ち上がろうとする意志と、助けの手を差し伸べる人々の姿、、、。  豊かな日本からは想像もできない世界だった。愚かな政治に翻弄されるのは弱い女性と子どもたち。腹立たしさに言葉もない。続編もあるので、そちらも読む予定。 (22/2/17読了)

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        「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

          SNS選挙と大メディアの敗北

           パワハラ不信任案可決で前職が失職したことによる兵庫県知事選挙は、蓋を開けてみればその斉藤前知事が再選された。得票数は111万票以上、初当選した前回よりも25万票も上積みして、開票直後に各社が一斉に当確を伝えるという「8時当確」の圧勝である。投票率は55.65%と、前回よりも14.55ポイントも高くなったという。  「SNSなどで支持が広がって追い上げている」という報道は見ていたが、ほとんど関心がないままだったので、「あれだけ総バッシングされたあのパワハラ知事がまた当選する

          SNS選挙と大メディアの敗北

          「オモロイ純文」でいいのだ

           河崎秋子「銀色のステイヤー」を読んだ。競走馬の生産牧場で産まれたやんちゃな牡馬と周辺の人たちの人間もようを描いてなかなか面白く読了できる。しかし、これ、モロに宮本輝の「優駿」と同じ展開とテイストなのである。そして“元祖”の方がよっぽど夢中になってしまう。もちろん昭和が舞台の「優俊」だから、昭和枯れすすきの私にしっくりくるという側面があるのかもしれないが。  競馬業界の人間模様を描いた小説としては、ほかに「ザ・ロイヤルファミリー」「黄金旅程」も読了したのだが、どれもほとんど

          「オモロイ純文」でいいのだ

          「訂正」2つに思うこと

           相変わらず購読している新聞の訂正欄には目が引きつけられてしまう。このnoteであげつらうネタになるというダークな目的もあるが、「他山の石にしたい」という記者時代からの習性でもある。    こんな訂正があった。「7日付文化面の●●教授インタビューで、自公政権に国民民主党が閣外協力する形になれば、「戦後日本初の『連合少数内閣』」とあるのは誤りでした。羽田孜内閣も連合少数内閣でした。」    おいおい。終戦直後のことなら見落としも仕方がないのかもしれないが、少数与党の羽田内閣がわ

          「訂正」2つに思うこと

          パソコンについて、いま考えていること

           自宅で私が使っているパソコンは2台。家族と共有するWindowsとこのMacBookProである。  MacBookを購入したのは2015年の年末だった。よく考えると、もう9年間も使っていることになる。サポート期間も超えてしまったようだが、WEB閲覧とこのnote執筆くらいしか使わないライトユーザーなので特に支障はない。バッテリーの消耗が早くなったようだが、ま、1日中カフェで使うようなマネもしないので、こちらも問題はない。  週末や連休には会社PC(Windows)を自

          パソコンについて、いま考えていること

          幕切れはモヤっとする【感想文】「滅私」羽田圭介

           (プチネタバレあり)いわゆる“ミニマリスト”を標榜して商売にしている主人公とその周囲の人たち。モノを捨てられない性分としてちょっと憧れる世界だが、本作は彼らのことをかなり悪意を持って描いている。  リータビリティもあって楽しい読書タイムだったが、そこはやっぱり芥川賞作家さん、一筋縄では着地させないんですね。モヤっとした幕切れになっている。 (22/2/13読了)

          幕切れはモヤっとする【感想文】「滅私」羽田圭介

          女性の苦労を認識していなかった

           昭和末期から30年以上もテレビの報道部門に在籍していたので、なんとなく「自分には社会常識や雑学が備わっている」という自負がある。実際、テレビのクイズ番組を見ていてもよっぽどマニアックに振り切った番組でない限り9割は正答できる。    それなのに「あれ、そうだったのか、知らなかったよ!」となった出来事があった。    大阪市で「元夫が離婚した妻を刺殺した」というニュースの原稿で、逮捕された容疑者と被害者の姓(名字)が同一だったのだ。「離婚したのだから、これはおかしいだろ。気づ

          女性の苦労を認識していなかった

          また視聴者置いてけぼりか

           昨夜のフジテレビ「ネプリーグ」は「事務所対抗三つ巴戦」として、ナベプロ、人力車、ホリプロに所属するタレント・芸能人が対抗戦をやっていた。  チーム戦を戦うクイズ番組だから「所属する事務所ごとにチームを組む対抗戦」は形式の上ではアリだ。  あるいは、いわゆる“タレント行政”的観点に立つと「3事務所からの出演をこれだけ一堂に並べた」ことは画期的なのだろうか。知らんけど。  しかし、視聴者にしてみればその芸能人がどこの事務所に所属していようがそんなことはどーでもよいこと。ク

          また視聴者置いてけぼりか

          霊峰・富士を堪能する【感想文】「富士山の観察図鑑」武田康男

           元南極観測員で気象予報士でカメラマンというマルチな筆者による富士山関連本。「空、自然、文化」とのサブタイトルだが、記述の比重は文化面よりも雲や地形へのこだわりが高い(特に雲の写真がとても多いのでいささか食傷気味になる)。  富士山に降った雨が地層に染み込んで湧水として循環するのに26〜28年もかかる、という壮大なお話も。本書の全体を通して「霊峰富士」を堪能できる。 (22/2/13読了)

          霊峰・富士を堪能する【感想文】「富士山の観察図鑑」武田康男

          「これしか発行できません!」

           どうにも納得できない出来事があった。  担当行事に関連してプレゼント用のQUOカードを複数枚購入することになった。しかし進呈先の人数が直前まで確定しないため「ま、枚数を確定してからトタでコンビニで買おうよ」と構えていたのである。  さて、当日。  5000円分を5枚買うことになり、会社最寄りのコンビニAへ行く。行事が続いているので気が逸る。支払いは現金のみ。経費精算のためのレシートを貰うわけだが、なんと、インボイス制度のためのT番号(適格事業者登録番号)の記載がないの

          「これしか発行できません!」

          疲れと気力と高血圧の関係

           日常業務と並行して年に2つ社内イベント的なものを主催する仕事がある。きのうはそのうちのひとつを敢行、例年よりもコストを抑えた簡略形ながらまずまずの成功となったところである。  この先はさらに行事が目白押しで、週末さえも、うかうかしていられない。  あすは社用イベントに立ち会うために日曜出勤になるし、来週末は土曜日に高野山東京別院の講座、日曜は別イベントのために都心へ行く用事がある。  週末はきっちり休み、あわよくば金曜日も「なんちゃってテレワーク」にしちゃいたい還暦と

          疲れと気力と高血圧の関係

          さらにパワーアップしている【感想文】「invert 」相沢沙呼

           大評判になった「medium」の続編(目次でも注意喚起しているように前作のネタバレがあるので逆順で読んではいけない)。  私は前作はあまり驚かなかったが、こちらはパワーアップしていて夢中で読了。特に「信用ならない目撃者」は傑作だ。  犯人が早々に判明している「倒叙ミステリー」なので、「刑事コロンボ」のような読み味(コロンボオマージュっぽいくだりもある)。  さらに続編が来るのは間違いない。絶対に読もう、と決意。 (22/2/13読了)

          さらにパワーアップしている【感想文】「invert 」相沢沙呼

          「立身出世」の物語は日本の琴線に触れるのか?

           先月からのNHK朝ドラは「おむすび」が始まった。ネットでは、ギャルが朝にそぐわない、主人公の行動が突拍子もない、話の展開が遅い、などの「おむすびたたき」で盛り上がっているようだが、「アンチもお客さん」であり、みなさんそうして楽しんでいるわけだ。  橋本環奈は可憐で可愛いし、姉の仲里依紗は出演しているだけで面白いし、私は毎朝楽しく見ている。  同時に見ているのがBS直前枠の「カーネーション」再放送。尾野真千子の凛としたたたずまいや小林薫の芸達者ぶりが見どころで、「なるほど

          「立身出世」の物語は日本の琴線に触れるのか?