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アンタは中世の王さまなのか?

 就任から1カ月、アメリカのトランプ大統領の暴走に拍車がかかってきている。

 紛争が起きている中東のガザ地区について「住民を移住させ」「アメリカが所有する」とブチ上げた。中東の歴史や国際法を完全に無視した構想で、こんなことが実現したら、シオニズムによるイスラエル建国に継ぐ歴史的な転換点になってしまう。国務長官などは「暫定的なものだ」などと火消しにやっきになる騒ぎである。

 カナダ・メキシコ・中国へびっくりするような関税を課すことをふっかけて、交渉で「1カ月延期してやる」とは、さすがブラフがものをいうポーカーのお好きなお国柄である。

 トランスジェンダーの選手を女性スポーツから除外する大統領令への署名もやった。

 こうした暴挙の数々を見ていると、トランプはこうした問題の背景を理解しているとは思えないし、学ぼうともしていないのではないか。情緒・感情的に政治判断を根拠なしに連発しているとしか思えない。

 それが「トランプ流だ」と開き直るのだろうが、周囲の人間は「それはまずいですよ。何故なら…」と抑えることはやらないのだろうか。それをやれば自分の立場が吹っ飛ぶからできないのなら、それはもう中世の王さま、あるいは独裁者である。

 もう再選されることもない2期目だから、超大国の力を思う存分に振り回すのだろうか。さぞ気分のよろしいことだろう。後年の歴史と政治学ではこの大統領とそれを選んだアメリカの選択をどう評価するのだろうか。まったく空恐ろしい事態がきょうも進んでいる。

 日本時間のあすには石破首相が初対面するニチベイ首脳会談がある。“陽キャ”でウマが合ったとされる安倍元首相とは正反対の“陰キャ”の石破氏。アメリカの独裁者の目にはどう映るのか、それも気になるところである。
(25/2/7)


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