[楽曲解説付き] ビートルズのSpotifyの複合再生数ランキング トップ15
読む前に
ジョン = ジョン・レノン:本来はリズムギター・ボーカル
ポール = ポール・マッカートニー:本来はベース・ボーカル
ジョージ = ジョージ・ハリスン:本来はリードギター・ボーカル
リンゴ = リンゴ・スター:ドラム
マーティン = プロデューサー
主にロックンロールをやっていた63〜65あたりを前期・初期、フォークやらインドやらを取り入れてサイケデリック化した65~67あたりを中期、過激なサイケデリックが薄れていき解散するまでの68~70年までを後期・末期としている
この最初の記事公開の時点ですでに記事を書いた時から数日たっており再生数がやや前のデータになっている
再生数はざっくりと1000万回程度以上のトラックの累計をしただけのザル基準
ビートルズ作品の作曲者などの詳細については諸説がある場合がある
以上を了承の上、読んでください
1. ヒア・カムズ・ザ・サン / Here Comes The Sun (ジョージ曲) 14.8億回 / 1450M+20M+10M
Songwriter: George Harrison, Genre: Folk Pop, Album: Abbey Road
この楽曲は多くのヒット曲を手がけたポールとジョンではなくジョージ・ハリスンが作詞作曲を担当しているビートルズ末期のアルバム『アビイ・ロード』の収録曲でシングルではないものの大きな人気がありダウンロードも公開されると売れてチャートイン、今となっては何故かは分からないが最も再生されているビートルズ曲となっている。
曲調はアコギのフォーク・ポップである一方で前にジョージが傾倒していたインド音楽の影響も所々に見られ、また、当時のポピュラー音楽では珍しくシンセサイザー(モーグ)が導入されており、曲自体は世界的ギタリストのエリック・クラプトンの家にいた時に春の日差しを見て思いついたとされ、ポール・サイモン、ゲイリー・バーロウ、ボン・ジョヴィなどによってカバーされている。また、YouTubeでもMVとオーディオの合計が2億回ほど再生されている。
2. レット・イット・ビー / Let It Be (ポール曲) 8.2億回 / 740M+80M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Soft Rock, Album: Let It Be
この楽曲はポールによって作曲されたビートルズ最後のシングル、そして最後のアルバム『レット・イット・ビー』の表題曲で、シングルバージョンはプロデューサーのマーティン、アルバムバージョンは「Be My Baby」や「You've Lost That Lovin' Feelin'」などを手がけたフィル・スペクターがアレンジを行なっている。
曲調はピアノを中心としてオーケストラアレンジが加えられたソフト・ロックで、曲の内容はビートルズの崩壊期を悲観する中で亡き母が夢に現れて言った聖書にある聖母マリアの言葉「〜成りますように」を繰り返すものであり、全米1位、全英2位などを記録、アメリカでダブルミリオンとなり、アレサ・フランクリン、ホセ・フェリシアーノ、ジョーン・バエズ、ビル・ウィザース、ナナ・ムスクーリなどがカバーしている。また、YouTubeでもMVとオーディオの合計が2億回以上再生されている。
3. カム・トゥゲザー / Come Together (ジョン曲) 8億回 / 780M+20M
Songwriter: John Lennon, Genre: Jump Blues, Album: Abbey Road
この楽曲はジョンによって作られたビートルズ末期のアルバム『アビイ・ロード』の収録曲で「サムシング」と両A面で発表されて全米1位、全英4位を記録、合計ダブルミリオンとなり、ドラッグの教祖とあだ名されたティモシー・リアリーの依頼でそのキャンペーンのために書かれ彼のスローガンである「Come Together and join the party」を元に歌詞が書かれているが直後リアリーは逮捕されており、曲調はチャック・ベリーの「You Can't Catch Me」を元にしたアップテンポなブルースで、マイケル・ジャクソンやエアロスミス、アイク&ティナ・ターナー、ジョー・コッカー、アークティック・モンキーズなどにカバーされている。、また、YouTubeでもMVとオーディオの合計が2億回ほど再生されている。
4. ヘイ・ジュード / Hey Jude (ポール曲) 7.3億回 / 620M+110M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Pop Rock, Album: --
この楽曲はポールによって書かれた後期のシングルで全米9週連続1位と年間1位となり、全英2週連続1位などを記録、世界で1300万枚の売り上げとなりアルバム未収録ながらコンピレーションの『ヘイ・ジュード』に収録されており、曲自体はジョンが小野洋子と不倫して妻のシンシアとの離婚が決定的となり不安定になった息子ジュリアンを慰めるために書いた楽曲である。
タイトルについて元々「ヘイ・ジュリアン」だったものから変えた「Jude」がドイツでユダヤ差別の用語だったため騒動があり、また、演奏時間が7分という当時としては異例の長さかつ4分は「Na-na-na-na...Hey Jude」を繰り返すという構成ながらビートルズ最大のヒット曲となり現在でもビルボード歴代13位を維持中で、エルヴィスなどもカバーしており、Spotifyのみでは4位だがYoutubeでもMVが4億再生を突破しているため合計ではビリオンを軽く超え再生数順位2位となる。
5. イエスタデイ / Yesterday (ポール曲) 約7億回 / 700M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Baroque Folk, Album: Help!
この楽曲はポールによって作られたビートルズ前半のアルバム『ヘルプ!』の収録曲でアメリカのみでリカットされ4週連続全米1位を記録してミリオンヒットし、ビートルズが解散するまでの数年間の間に1000以上のカバーがなされ、現在まで「世界で1番カバーされた曲」であり続け、具体的にはエルヴィスやシナトラ、ソウルの父レイ・チャールズ、マーヴィン・ゲイ、スプリームス、トム・ジョーンズなどがカバーしている。
曲自体は寝ている最中に思いついたメロディーに歌詞を付けたものとされ、本人曰く歌詞は亡き母を思ったものであり、また、この曲にはポールの弾き語り以外にメンバーは参加せずマーティンによってクラシックの弦楽四重奏が付けられたバロック・ポップとなっている。また、YouTubeでもライブとオーディオの合計が1.5億回ほど再生されている。
6. ツイスト・アンド・シャウト / Twist And Shout (ジョン曲) 6.6億回 / 550M+10M
Songwriter: --, Genre: Rock n roll, Album: Please Please Me
1961年に発表されて翌年にアイズレー・ブラザーズによるカバーが少しヒットしていたロックンロール楽曲で、さらに翌年にジョンがリードボーカルを務めたカバーがビートルズ最初のアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』に収録され、アメリカでリカットされると4週連続2位を記録してミリオンヒット、イギリスではEPとなって1位を記録した。
この楽曲の収録ではジョン・レノンは風邪であるにも関わらず連続レコーディングの計画を行ったため激しいガラガラの声となっており、その後にはママス&パパスやザ・フーなどがカバーしている。YouTubeでもライブとオーディオの合計が1.5億回ほど再生されている。
7. ブラックバード / Blackbird (ポール曲) 5.2億回 / 510M+10M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Soft Rock, Album: The Beatles
ポールによって作られたビートルズ後期のアルバム『ザ・ビートルズ(通称:ホワイト・アルバム)』の収録曲で自身の農場で書き上げたとされ、内容は「リトルロック高校事件」を元にした公民権運動の黒人女性への応援歌であり、レコーディングにはポール以外誰も参加しておらずバッハに触発されたとされるギター伴奏の弾き語りとなっており、リカットはされていないがダウンロードでアメリカ・イギリスの双方でハーフミリオンを達成していて、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングやサラ・マクラクランなどがカバーしている。
8. 抱きしめたい / I Want To Hold Your Hand (ジョン・ポール曲) 4.6億回 / 450M+10M
Songwriter: Lennon and McCartney, Genre: Rock n roll, Album: --
ビートルズ初期のシングルでポールとジョンが本当の意味で共作をし、イギリスではすでにスターだったため予約のみでミリオンヒットを達成して全英1位、さらにアメリカで初めて首位となって最終的に7週連続1位、そして年間1位を記録してクインティプルミリオン(500万枚)となり、これによってビートルズはアメリカへの進出を達成、全世界で1200万枚を売り上げる爆発的ヒットとなった。
この楽曲は当時としては速く激しいロックンロールで、アメリカのポップスに衝撃を与えたとされ、レコーディングではビートルズで初めて4トラックのレコーダーが使用されており、アル・グリーンなどがカバーしている。また、YouTubeでもライブが1億回以上再生されている。
9. イン・マイ・ライフ / In My Life (ジョン曲) 4.5億回 / 450M, John Lennon
Songwriter: John Lennon, Genre: Baroque Pop, Album: Rubber Soul
主にジョンによって作られたビートルズ中期のアルバム『ラバー・ソウル』の収録曲で自らの人生を題材としており、人生で覚えている場所をもとに歌詞が書かれていて、曲調はポップ・ロック的でマーティンによるピアノソロの部分が速回しでバロック風のチェンバロのように聞こえる音色となっている。
また、非常に人気のあるジョンの代表作だが、ジョンは自らが作った曲、ポールは多くの部分の曲を付けたと記憶しているなど実際の作曲の貢献度合いがよくわかっておらず、現在までジョージのソロ期やオジー・オズボーン、エド・シーラン、ジュディ・コリンズなどがカバーしている。
10. エリナー・リグビー / Eleanor Rigby (ポール曲) 3.9億回 / 300M+90M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Art Baroque Pop, Album: Revolver
ポールによって書かれた曲で、ビートルズ中期に「イエロー・サブマリン」との両A面シングルとして発売され全英4週連続首位を記録(アメリカでは11位止まり)、同時発売のアルバム『リボルバー』にも収録され、曲自体は自然短音階のエオリアンとドリアンの混合モードが使用された暗くクラシカルな雰囲気でマーティンによって弦楽八重奏のアレンジがなされ、歌詞は孤独に死んだ人を描いた半世紀以上前のポピュラー音楽では飛び抜けて尖った内容であった。
またこの楽曲ではジョンが作詞の多くを行ったと主張したが却下されていて、ジョーン・バエズ、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ナナ・ムスクーリ、ジョン・デンバー、アドリアーノ・チェレンターノなど錚々たる大スター達がカバーしている。
11. サムシング / Something (ジョージ曲) 3.7億回 / 350M+20M
Songwriter: George Harrison, Genre: Soft Rock, Album: Abbey Road
ジョージによって書かれた曲で、ビートルズ末期のアルバム『アビイ・ロード』に収録され、その後に「カム・トゥゲザー」との両A面シングルとして発売されて全米1位、全英4位を記録、これは意外にもジョージの中で唯一のA面シングルでありマーティンもジョンも絶賛した。
曲調はソフト・ロックで歌詞は妻をモデルにしたラブソングとされているがレイ・チャールズを思い浮かべて作ったらしく、これはビートルズでは「イエスタデイ」に次ぐ2番目のカバー数を誇り、エルヴィスやシナトラ、シャーリー・バッシー、ペギー・リー、トニー・ベネット、レナ・ホーン、ペリー・コモなどがカバーしている。また、YouTubeでもMVとライブの合計が1.5億回以上再生されている。
12. ヘルプ! / Help! (ジョン曲) 3.7億回 / 340M+20M
Songwriter: John Lennon, Genre: Folk Rock, Album: Help!
主にジョンによって作られたビートルズ前半のシングルで全英1位・全米1位を記録、双方でミリオンヒットし、映画『ヘルプ!4人はアイドル』の主題歌、アルバム『ヘルプ!』の表題曲ともなり、歌詞は急速に世界中で大人気となっていくビートルズの社会現象の中で自己を見失いかけたジョン自身の叫びであるとされている。
曲調は激しいフォーク・ロックといった感じで、録音はバッキング・トラックを9回録音していて特徴的な下降するギターリフはオーバー・ダビングで補われており、ティナ・ターナー、バナナラマ、ディープ・パープル、カーペンターズ、カエターノ・ヴェローゾ、サザンオールスターズなどによってカバーされている。また、YouTubeでもMVが1.5億回以上再生されている。
13. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス / While My Guitar Gently Weeps (ジョージ曲) 3億回 / 280M+20M
Songwriter: George Harrison, Genre: Blues Rock, Album: The Beatles
ジョージによって作られたビートルズ後期のアルバム『ザ・ビートルズ』の収録曲で、儒教の最重要書物で陰陽二つの元素の対立と統合で森羅万象の変化法則を説き人間処世の教訓を解いた『易経』の全てが必然という思想に触発されて作られ、"Gently Weeps"のフレーズも偶々見えた文に由来する。
曲調は悲しげでブルース的なハードロックで、歌詞は当時のビートルズの不仲について書いていて愛があるのに気づけない人への哀歌となっており、レコーディングには雰囲気を和らげる目的も含めて世界最高のギタリストの一人エリック・クラプトンが参加、トム・ペティ、ピーター・フランプトン、TOTOなどがカバーしている。また、YouTubeでもMVとライブの合計が1.5億回以上再生されている。
14. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ / Ob-La-Di, Ob-La-Da (ポール曲) 2.8億回 / 280M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Ska, Album: The Beatles
ポールによって作られたビートルズ後期のアルバム『ザ・ビートルズ』の収録曲で、英米の双方でリカットされなかったが他の西側諸国でリカットされてドイツやオーストラリアなどで1位、日本でも7位を記録、曲自体はカリブの国ジャマイカ発祥のスカをクラブで聞いたことでその曲調で作られている。
また「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」のフレーズはコンガ奏者ジミー・スコットのライブでのお決まりの台詞で、スコットはその後にポールに金銭を要求し始めたが逮捕された際に保釈金を払わせて要求をやめたというエピソードがあり、本曲はアフリカ音楽のユッスー・ンドゥール、ジャマイカ音楽のジミー・クリフ、ジャズのポール・デスモンドなどがカバーしている。
15. ラヴ・ミー・ドゥ / Love Me Do (ポール曲) 2.6億回 / 250M+10M
Songwriter: Paul McCartney, Genre: Merseybeat, Album: Please Please Me
ビートルズという名前にもなっていない少年時代にポールが書いた楽曲で、ビートルズのデビューシングルとして発表され当時は全英17位だったが、アメリカまでで人気となった2年後には全米1位、82年の再発版は全英4位となり、曲自体はジョンとポールのツインボーカルとジョンのハーモニカリフが特徴的な典型的な黒人音楽の影響の強いブリティッシュビートの楽曲で、初期ビートルズでは「抱きしめたい」と並ぶ人気曲となっている。