SNSをやめて3ヵ月でフリーランスが絶好調になりました!
マーケティングツールとして欠かせない存在になったSNS。SNSを始めて人生が変わった!という成功談にも事欠きません。
私はアメリカでフリーランスのイラストレーター・3DCGデザイナーとして働いています。ひょんなことからフリーランスの世界に投げ込まれ、生存率をあげる一環で積極的にSNSを活用しながら毎日noteを書くことを半年間続けました。フリーランス界隈ではSNSを通して
フリーランサーとして独立できた!
作品がバズって・評価されて仕事に繋がった!
年収が上がった!
と成功を収めている人を見かけ、私もそんな風になることを夢見てSNSを使い続けました。
これは個人的な検証の結果です。
私は毎日noteを書くことを2月に辞めてから、フリーランスだけで食っていけるだけの仕事、高い年収、重要でやりがいのある仕事、すべてSNSを辞めてから転がり込んできました。
この記事ではフリーランスにおいて、SNSは必要か?という議題に対する回答を、自分の経験を通して書いていきます。
SNSと相性が悪いパーソナリティ
今の時代、全員が使いこなせないといけないと言われるSNSですが、同様に使いこなせないといけないと言われる英語やプログラミングに向き不向きがあるように、SNSにも向き不向きがあります。私がSNSや毎日noteをやめたのは①自分がSNSに向いていないこと②発信にかかる時間と精神的コストに比べてリターンが少なすぎることの二つに気づいたことが理由です。私の思うSNSに向いていないのはこんな人です。
真面目、心配性
人の話を真剣に聞いてしまいがち
考える癖がある
環境の影響を受けやすい
正解を出せない、ちゃんとできないと焦る
人が成功しているのを見ると焦る、自分を恥ずかしいと感じる
炎上をみて微弱にでもテンションが下がる
とにかく精神的な打撃が大きいです。各ツイートは小さなジャブのようなものでも年月と時間が積み重なれば数か月でも有益どころか有害になります。
SNSに書いてあるほとんどの情報は「必ずしもそうとは限らない個人的な経験談」です(後述)。頭ではわかっていても「イヤだな」という生理的な反応はもっと速く起こります。テンションが上がるより下がることの方が多かったSNSと思い切って距離をとることが自分にとっては転機になりました。心に余裕ができ、焦りがなくなったことで仕事や生活の質が飛躍的に向上しました。
ノイズが多すぎる
フリーランスで生計を立てるのに主に参考にしたのは直接知り合いである先輩フリーランサーからの2つのアドバイスだけです。
言葉で伝えられる本当に大事な情報なんてほんの一握りです。あとは何度も試して自分なりにニュアンスをつかんでいくしかありません。
マーケティングツールとしてのSNSの構造は私の思う上達の概念と矛盾します。毎日のようにコツや秘訣を発信するには情報を希釈したり、同じことを言葉を変えて言ったり、重要度の低いことを言ったり、時には重箱の隅を楊枝でつつくレベルの話をしないと話題が尽きてします。いわゆる「数打ちゃ当たる」戦法。これらは役に立たないわけではありません。ただ個人の経験に基づいたアドバイスは「必ずしもそうとは限らない個人的な経験談」でしかないため、特定の個人を逐一フォローして聞くほどの優先順位かどうかは吟味すべきです。
ダイエットに例えるとこんな感じです。
体重を減らすために必要なのは、食べないことと運動することのふたつだけです。どこをどう絞るか、どう運動するか等の高度で具体的な話はメインであるこの二つをクリアしてからでないと意味がありません。そして、高度な情報を求める段階にいる人は「SNSの有益な情報」に依存しない「本当に必要な情報」を抽出し、体重を自分で減らせる上級者です。発信されている情報が、読んでいる人には役に立たず、欲しい人には届かない空砲である可能性は極めて高いです。
これらを全て見抜くことはとても難しいです。だったらリサーチを可能な限り絞り、ほとんどSNSを見ない、という選択肢があっても良いのではないかと思います。
また、人の作品をみてインスパイアされるか焦るかはリトマス紙になります。作品に名前がつくことで焦る人は、作品から作者を連想しにくいPinterestなどで画像だけをスクロールするのが良いかと思います。
SNSを辞めてよかったこと
(1) SNSを通して人と比べて焦ることがなくなり、心に余裕ができた。自己肯定感があがった。「自分を大切に」を実践できるようになった。
(2) 優先順位をつけられないでいた情報のほとんどがノイズだと判明した。それらを全て除去することで、本当に大切なことだけに集中することができるようになった。
特に(1)心に余裕ができることの効果を強調します。必死に見えないことはプロとしての基本なのに、取りこむ情報を整理できずに必死なことを隠せていなかったと思います。今向かっている課題に集中することができるようになって、より良い提案や作品ができるようになりました。結局、次の仕事に繋がるのは「良い仕事」だということを実感しています。
SNSなしでフリーランスは可能か?
可能です。どのように仕事のルートを開くかは人それぞれですが、SNSを全くやってなくて、ポートフォリオを5年更新していなくても仕事がくる人は来ます。
インスタで何万人のフォロワーがいるレベルの作品が作れなくても食っていってる人はたくさんいます(トラノスケさんの作家ベースと商業ベースという考え方がわかりやすかったです)。
オフレコの「SNSは見なくて大丈夫」に何度も救われ、正しかったと繰り返し思いました。
SNSをどう使うか
アーカイブとしての意味合いと、友だちを作ることの意味合いがあります(あえてコミュニティを広げる、繋がる、という曖昧な表現を避けました)。「有名になりたい」や「情報収集したい」、「有益な情報を発信したい」はあまり効果的ではないし、精神的な害が及ぶ可能性が大きい実感があります。私は経験がありませんが、発信し続けていれば仕事がくる、というのもウソではないと思います。
全体を通して言いたいのは、発信することの優先順位は調整し続ける必要があるということです。今のところ、私にとって「発信し続けること」は、当たるかどうかわからない宝くじぐらいの感覚で、目の前にある仕事を全力でこなすことや、自分の時間をとってゆっくりすることの優先順位の方が圧倒的に高く、合間に息抜きでちょこちょこnoteを書く、ぐらいがちょうど良いです。
友だちをつくる、という意味では、ずっとSNSにログインしてないと繋がり続けるのは難しい感触があります。現実世界でもずっと連絡を取り続けるのは苦手...今のペースで関係を持続させられるのが目下の目標です。
SNSを頑張ったから最適解が得られた
SNSを本気で頑張ってみた時間は無駄だとは思いません。本気でやった結果そんなにやらなくても良いな、という自分なりの最適解を見つけられたのが一番の収穫でした。