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【シニア世代】音楽人生第3章〜レコードとともに〜

アナログ盤のレコードを聞いた。GWで訪れた旦那さんの実家で。
レコードプレーヤーはお兄さんの所有物。
物を大事するお兄さんのレコードプレーヤーに、劣化は見られない。
30年ぶりに聞いたであろうLPレコードから流れる音は、たちまち心にフィットした。シルクのような柔らかい音ざわりにびっくりする。
私が最初に買ったレコードは、富士山を抱く地方都市の高校生だった頃。
喫茶店でアルバイトをして買ったYMOの「増殖」というアルバムだ。
当時、YMOは、国内のデジタル音楽の最先端。
歌い手市場のレコード界に、殴り込みをかけてきたクールな3人組という印象で、
若者の心を鷲掴みにするには時間がかからなかった。
電子オルガンを小さい頃から続けていた私は、マイスタイルを突き抜けるYMOに夢中になる。
そして、電子音楽の自由な表現と可能性に、胸躍らせた。
代表曲「ライディーン」は、誰が作ったのかわからないが、振り付けがあり、
女子校の体育祭で体操着をきて、全員で踊ったことも懐かしい(というか恥ずかしい)
当時、一世風靡していたタケノコ族からコピーしたのかもしれない。
今の時代だったら、きっとTikTokやYou Tubeの動画になっているだろう。
駅前のレコード屋「すみや」さんで、LP盤を手に入れた時の光景が蘇ってくる。
カウンター越しに渡されたビニールの中のレコードは、自分だけの宝物を手に入れた時の心震える感覚に等しかった。
それは
自分が本当に欲しいものを、働いたお金で買う達成感。解放感。喜び。
当時、人生に絶望と閉塞しかなかった私に、唯一、希望を与えてくれたのが音楽だったから。
あれから40年。
あのレコード屋のカウンターの感動が、私の人生にどれだけあっただろうか。
最初に手に入れたあのYMOのレコードは、感動の目盛りをチューニングしてくれのには間違いなかった。
そんなことを考えながら、目の前のレコードの豊かな音色に集中する。
40年前の記憶をたぐりよせ耳を傾けたレコードは、YMOではなく、中森明菜の「エトランゼ」。
心地良い。
人生の盤が再び周り出す。
私の深い感動の面持ちに、夫が早速レコードプレーヤーを買ってくれた。
スマホをポチッで欲しい物を購入できるのが現代。
「次の誕生日プレゼントだよ(笑)」
ありがとう。旦那さん。
今日、届くんだって。
音楽人生第3章が始まるかもしれない。
旦那さんとともに。





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