オスロのチョコレートドーナツの話
友人とオスロを旅行した時の話。
色々と周りたいところ見てまわって、オペラハウスを楽しんでいた時のこと。
友人が明らかに具合が悪そうなのでどうしたのかと思ったら、
ちょっと疲れてしまったとのことだった。
二週間程度の旅の半ばだったので、疲れが出てきても当然だ。
気候や湿度も日本とは全然違うし、私も大抵、風邪気味になる。
じゃあちょっと温かいものでも飲んで休憩しない?という話になって、
オスロ中央駅で休憩することにした。
ちなみにオペラハウスからオスロ中央駅までは徒歩5分くらいだったと思う。
オスロ中央駅は「ウストバーネハーレン」という大型ホールに直結している。(地球の歩き方Web参考)
旧駅舎だったという大ホールの天井は、部分的にガラス張りになっていてとっても明るい。
その下にいくつか飲食店が並んでいる。回転寿司店もあった。
すごくおしゃれなフードコート的な感じ。
そこにあるカフェでそれぞれ食べたいもの・飲みたいものを買って、休憩することになった。
私はチョコレートドーナツとホットカフェラテを買って、一息。
ドーナツは、しっとり生地のドーナツにチョコレートがたっぷりかかって、白いチョコレートの線でデコレーションしてある。
ドーナツをのせたお皿もシンプルでおしゃれだ。
北欧フィルターがかかっているのか、全てがシンプル且つおしゃれなデザインに見えてくる。
ドーナツとコーヒーって、異様に合う気がしているのは私だけだろうか。
ドーナツを頬張って、その後ホットコーヒーを含むと
甘いドーナツにコーヒーがじゅわーっと染み込んで、
甘くてほろ苦い味が口いっぱいに広がる。
後、揚げた油の香りとコーヒーの苦味の相性も抜群。
あー、幸せ。
友達は「時間とってごめんね~」と言っていたけれど、
私はこういう一息いれる時間が大好きなのでむしろ大歓迎だった。
一息つきながら、まるでオスロ市民になったかのように駅を行き交う人をぼんやり眺めるのも楽しい。
有名な観光地を巡るのもいいけれど、こういうなんでもない普通のところにいて、じーっと街を見るのもとても楽しいし、むしろ旅行中、そうやって1日過ごしてもいいと思っているくらいである。
観光地は人に訪れもらうための”観光地”だから、
その自治体とか管理している人が、みんなに見て欲しいものを、見やすく展示し、準備してくれている。
解説をしてくれたりもして、それはそれで楽しい。けれど、
見るべきものが全て用意されてしまっていて、
これを見なさい!見てくれ!と言われているような気がして、
ちょっと窮屈に感じる時もある。
その場所の歴史とかデータとかはとりあえず置いておいて、
今、その場所で起こっていることや、人の生活の一部とか、自分の目に映ったものをそのまま目に焼き付けるのも楽しいのだ。
私の周りにはまだあまりこの感覚を共有できる人がおらず、
旅行といえば観光地やどこかを訪問するイベントを詰め込みたい人が多い。
それも楽しいけどね。
いつか同じ考えの人とゆっくり旅してみたい。