【アニメ5作品の感想】櫻子さん、91Days、武装少女、お隣の天使様、虚構推理2
2024年が明けて早1ヶ月。「響け!ユーフォニアム」以来の原作未読&アニメ初見感想noteです。撮りためたアニメを何作品か消化したので手短に感想を綴っていきます。ネタバレがありますので未視聴の方はブラウザバックを推奨します。それでは、行きましょう。
「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(78点、2015年)
本作には既視感を覚えました。その理由は、2023年末に発表された湊かなえ著「人間標本」との共通点があったからですね。実のところ、自分は「人間標本」→「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」と発表時系列を逆順に観賞したんですよ。まず、この2作品は "標本" と "蝶" がキーワードになっています。そして、アニメで登場した標本工房とか屋敷の描写が「人間標本」を読んで得たイメージとかなり似ていて、それが頭の中でオーバーラップしたわけです。そんなもんで「作品のコア部分は違うけども、人間標本の世界観の設定って櫻子さんを流用したような感じやな?」っていう印象を受けました。
個人的に良かったところは骨に付随する知識を与えてくれたことと推理要素でした。お昼の刑事ドラマなんかだと骨は恐怖の対象としてしか描かれませんけれど、骨と真剣に向き合う標本士・櫻子さんのキャラ設定は新鮮味がありましたし、見ていて好感が持てましたね。悪かったところは、正太郎のしつこいまでの少年呼ばわりの嫌がりとウザ絡み、そして言葉遣いです。これは物語を駆動させるために正太郎がアクティブな部分を、櫻子さんがナゾな部分を受け持つ固定された役割分担の副産物と言っていいでしょう。仕方ないと言えば仕方ない部分ですけれど、正太郎のウザさを控えめにしてくれたら良作(80~89点)の評価をしていました。
「91Days」(50点、2016年)
最後まで見るには見ましたが、自分の嗜好には合いませんでした。復讐、密造酒、マフィアの抗争…… 様々な犯罪臭が漂うヘビーな空気が切り替わらず、毎回誰かが神経をすり減らしたり、唐突に殺されるような感じの連続で見ていて疲れました。ちょい古いかもですが「ガン×ソード」(2005年)みたいな痛快娯楽復讐劇ではなくて、ガチなのはちょっと苦手なんですよねぇ。ただ、戦闘シーンがやたら気合いが入ってたのは印象に残っています。
「武装少女マキャヴェリズム」(70点、2017年)
バトルアニメのお手本といってもいい王道の作りながら、テンプレと言われるほど退屈な内容でもなかった作品ですね。〆もすっきりしていて好感触でした。「覇権アニメにはなれんかもしれんけど、1クール中に1作でもこういう作品が入っているとアニメ的に一服してる感じがするというか、このクールの良心は死んでなかったなぁ」って感じがします。
「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」(30点、2023年)
ヒロインが可愛いだけのアニメとして楽しんだ方がマシでしょう、以上。
「虚構推理 Season2」(77点、2023年)
人ってつまらない真実よりも(噂話やフェイクニュースといった)面白いウソの方が食いつきが良かったり、心折られる真実よりもそれを包み隠した優しいウソを伝えた方がマシだってことがあるじゃないですか。本作はそんなもっともらしいウソを論理と感情で肉付けして、あたかも真実であるかのようにつき通そうとする…… 伸るか反るかのギャンブルをしているような緊張感の演出の上手さが売りだと思っています。自分は結構そこが気に入っているんですよ。
1期は新鮮味があったので、一件落着した後に「そういや琴子の演説ってもっともらしいってだけで、100%本当のことを言ってないんよな」と、何度も知らぬ間に思考をハックされたのを覚えています。後は、AパートとBパートのツナギ目の間とBGMが個人的にアガります。
2期でやっていることは1期とほぼ変わりなく、安定のクオリティを提供してくれましたが少し物足りなさを感じました。チート能力が使えるW主人公(琴子&怪異、九郎)がピンチに陥る場面が少なかったからかもしれません。そういう意味では1期の方が評価は高くて、あともう一押しで良作(80~89点)の領域にとどまりました。2期も相変わらず琴子が喋りっぱなしのシーンが多かったので、中の人の負担は相当なものだっただろうなぁと思いましたねぇ。