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ネパールのお祭りで知った『心はよく判断を誤る』ということ 〜実践編〜

*前回のお話はこちら👇

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「心はよく判断を誤るから、心の反応に安易に飛びつかない。」

そう言われても、なかなか難しいですよね。
すごく分かります。
もちろん僕も同じです。

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僕たち人間は1日に35000回もの選択をしているというお話をご存じでしょうか?
ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によるものです。

1日に35000回、僕たちは選択をしている。
ピンとこないので、計算してみました。

8時間睡眠の人なら、起きている間に毎秒およそ2回の選択をしている計算になります。(あくまで平均値ですが。)
そんなチョイスの嵐の中で、毎回正しい選択をするなんて無理ってもんですよね。ましてや感情のチョイスとなると尚更です。

もう、毎回正しい選択をするなんて諦めましょう。

でも、完璧じゃなくていいという前提に立つなら、おすすめなワークがあります。

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ここからのお話は、「自立」と「依存」という言葉を使ってお話しします。あくまでも「みんな違ってみんな良い」というおおらかな気持ちで読み進めてくださいね。「自立」が良くて「依存」が良くないということでもその逆でもありません。

前提として、ここで言う「自立」とは、一人でなんでもサクサクできてしまう人。「依存」とは、繊細さんやのほほんさん、癒し系の人です。

もう少し分かりやすくいうと、
社長やリーダー、ワンマン上司やいじめっ子タイプは「自立」傾向。
おちゃらけて笑いを取る人、よく怒られがちな人、ボケ芸が得意な人、いじめられっ子タイプは「依存」傾向。

みなさんは、ご自分には「自立」傾向がある思いますか?
それとも「依存」傾向がある思いますか?

おそらく、時と場合によりますよね?

そうです。僕たちは、目の前の人の影響を受けて「自立」と「依存」を行ったり来たりしています。

今回のお話で大切なのは、”ある特定の瞬間” にあなたの心が「自立」寄りにあるか、はたまた「依存」寄りにあるかを見極めることです。

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ある特定の瞬間とは、今回のお話を例えにすれば、僕がネパールでお金を全額なくしたことに気がついた瞬間です。

ちなみにあの瞬間、僕の心で響いた声は
「マジかよ!お金盗んだの誰だよ!もしかしてあいつか!」
でした。
乱暴な言葉ですみません。でも、そうやって僕は咄嗟に犯人を探したわけです。

なんだか、いかにもワンマン社長が発言しそうな言葉じゃないですか?笑
そう、この心の声はまさに「自立」。僕はあの瞬間に「自立」にいたということになります。

面白いのが、全員が同じ瞬間に遭遇したとしても人によって心の声は様々だということです。

例えば、ネパールの出来事に遭って考えられる心の声のパターンは、

①「マジかよ!お金盗んだの誰だよ!もしかしてあいつか!」
②「やっちまったなぁ!でもま、なんとかなるっしょ!大丈夫!」
③「あ〜、またやっちゃった。参っちゃうなぁもぉ。てへぺろっ!」
④「ほらね。どうせ僕(私)は何をやってもダメなんだ。」

こんな感じではないでしょうか。

これらを「自立」と「依存」に振り分けると、
①と②は「自立」、③と④は「依存」となります。

みなさんが普段からよく口にしている言葉と照らし合わせてみてくださいね。普段の思考の傾向がなんとなくわかると思います。

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さて、思考の傾向がわかったところで、本題の「心はよく判断を誤るから、心の反応に安易に飛びつかない」ための方法です。

まず、自立傾向のある、自立さん。
自立さんは、ある特定の瞬間に遭遇したら、「他の可能性や展開」について考えてみましょう。「決めつけ癖」を少し我慢します。

ネパールの話で言えば、

「いや、お金は盗まれたわけではなく、落としただけかもしれない。」
「盗まれたにしろ落としたにしろ、そのお金は今ごろ誰かの役に立っているはずだ。」
「結果だけを気にするのはやめよう。」
「そもそも、バッグにお金入れてなかったかもしれない。」

など、半ば強引でもいろいろな可能性について考えてみます。
自立さんは、とても頭が良いので、簡単にできるはずです。

そうして、「他の可能性や展開」について思いを馳せると、心のトゲが丸くなって、穏やかな自分を取り戻せるはずです。

意識するのは、気持ちのセンター(中庸)です。

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次は、依存傾向のある、依存さん。
依存さんは、ある特定の瞬間に遭遇したら、「相手の気持ち」について想像してみましょう。

ネパールの話で言えば、もはや「お金は盗まれたんだ。」と決めつけてしまってもOKです。その上で、盗んだとされる相手の気持ちを想像してみましょう。

「よっぽどお金に困って辛かったのかな。」
「きっと今ごろは、罪悪感でいっぱいに違いないな。」
「病気の恋人の治療費に使って喜んでるかな。」
「きっとこれまでにも悲しい思いをしてきたんだろうな。」

など、嘘でも作り話でもいいです。思いつくがままに、相手の気持ちをストーリーにしてみましょう。
依存さんは、とても優しくてロマンチックなので、簡単にできるはずです。

そうすると、心に優しいものが流れ込んできて、起きた現実どころか自分の失敗をも許せる穏やかな気持ちを取り戻せるでしょう。

意識するのは、気持ちのセンター(中庸)です。

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冒頭にもお話ししましたが、何かの瞬間に毎回このワークを実践するなんてゴータマ・シッダールタでもなければ不可能です。
それでも、心の片隅においてみてください。
きっとそれだけで、さらに穏やかな人生がやってきますよ。

それから、怒ってしまったりネガティブな気持ちになった自分を責めないことです。
たとえその時は間違えたとしても、あとから感情を選び直せばそれでいい、と僕は思います。
なにしろ僕たちは1日に35000回も何かを選んでいるのですから。

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本日も文末までお付き合いいただいてありがとうございました。

今回のお話に挙げた「自立」と「依存」については、『人間関係のマトリックス』という考え方を参考にさせていただいています。
その本来の考え方は、「自立」と「依存」に「ポジティブ」と「ネガティブ」を加えてそれぞれを組み合わせた4つのパターンに基づきます。
今回は便宜上「自立」と「依存」に簡素化させていただきました。

『人間関係のマトリックス』については、ベストセラー作家の本田健さんから教わりました。ご興味のある方や深ボリしてみたい方は本田健さんのご著書『ユダヤ人大富豪の教えⅢ』(だいわ文庫)をお読みになってみてください。

それでは、また。

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