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リゼロ三章があまりに神アニメなので紹介します🧐


 
⚠️注意

 初見の視聴体験を損なわないように書きましたが、やはりわずかなネタバレは含まれます。

 すでに見るか迷ってる人、およびこの記事を読んでる途中に見る決心がついた人は、こちらのネタバレ無しへ移動してください。

 



◆まえがき



 
 俺界隈では、神認定されたアニメがいくつかある。

 

Fate/Zero


 無限のリヴァイアス


 進撃の巨人


 一番新しいのだと、サイバーパンク




 そして……



 Re:ゼロから始める異世界生活

 第三章 再来の王都〜!✨

 *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*


 

 こうやって話していると、初見の興奮が蘇りますな〜😆😆

 名だたる神タイトルの中でも、加点方式なら、リゼロ三章がNo. 1だ。

 リゼロはとにかく13、14、15話から18話の流れが凄まじい。

 まさに衝撃に次ぐ衝撃。

 どんだけ闇に堕ちるんだよって言いたくなるような怒涛の展開なんだ🫨


 他の神タイトルと比べて特に好感だったのが、

①主人公が平凡な現代日本人であること、

②作者と主人公の人間性が一致していること、

③主人公が物語を引っ張っていること、

④内面とストーリーの動きが深く繋がっていること、

⑤そして、ここが底だと思った所からさらに突き落とされるような、怒涛の連続パンチ。

 他のタイトルだってめちゃくちゃ面白いのに、それらと比べても良いところがこんなにある。


 いや〜。

 あまりにも神アニメだ……(  Д ) ゚ ゚



◆物語の背景



 登校できず家に引きこもっている高校生・菜月スバルは、ひょんなことから剣と魔法のファンタジー世界に転移。



 都会の路地でチンピラにボコられているところを銀髪美少女のエミリアに救われる。



 スバルは死に戻り能力で、エミリアとその周囲の人たちを助け、交流を深めていく。



 一時はこんな目で睨まれるような関係だったが――



「ありがとう、スバル。私を助けてくれて」

 共に幾多の苦難を乗り越え、信用を勝ち取るのだった。


 
 

◆続々と現れる王戦関係者たち



 エミリアは、なんとこの国――ルグニカ王国の五人の次期王候補の一人だった。
 
 ある日、他の候補者の部下がロズワール邸を訪れる。


「お帰りなさいませ。ただいま屋敷の前を失礼させて頂いております」


 スバルは、エミリアが王候補として王都に招集されたことを知り、陣営の一員として同行しようとするが、やんわり拒絶される。

 しかしスバルは、ごちゃごちゃ理屈を並べて、王戦に関わらないことを条件についていくことに。



 コナンの殺人事件くらいの規模感だった一章二章に対して、三章では一気に世界が広くなる。
 
 なにやら世の中が大きく動いているといった雰囲気で、ロズワール邸にやってきた二人を皮切りに、王国の騎士団、貴族、商人、他の王候補の陣営など、さまざまな立場のキャラクターが登場する。

 とはいえ、ファンタジー作品で王だ貴族だ陰謀だなんて、さして珍しくもない。


 この時、初見の俺は、

「立ち上がりはいい感じだけど、この後どうなるんだろう。まー、ループものだし、最低なんかあるかー」

 みたいに考えてた。

 


 ……あの男が目覚めるまでは。


◆スバル、覚醒



 エミリアの王戦にどうしても関わりたいスバルは、他の王候補の召使いを装って王城に潜入する。

「えっ、スバル?」



 スバルはルグニカ貴族たちの前で、自らを「エミリア様の騎士」と宣言し、

「俺の名前は菜月スバル。こちらにおわす王候補、エミリア様一の騎士!」



 王国騎士団の反感を買う。

「話の途中で失礼します。ですが、どうしても彼に聞かなくてはならないことが」



 物語を人並みに見てきた人なら分かると思うが、男主人公が高貴なヒロインのために戦うなんて、創作ではさほど珍しくない。

 ヒロインが次期王候補で、

 これから次の王様を決める戦いが始まり、

 そこに主人公が参戦する。


 ここまでは既定路線だ。


ユリウスの問いに動揺するスバル


 しかし、ユリウスに正論で殴られ、スバルの威勢が崩れた辺りから、まっすぐ進んでいた物語が予定の航路を外れ、未知の海域へ流され始める。

 そして、王戦開幕式後のエミリアの怒りをもって、物語はさらに加速していく。



◆ 優しい人を怒らせる



「その魔女様ってのがハーフエルフだったから、他のハーフエルフも全部危ないってのかよ!?」


「そうだよ」 

 

 
 リゼロ世界では、エミリアのようなハーフエルフは、〝嫉妬の魔女〟に容貌が似ているという理由で忌み嫌われている。

 エミリアは、超常的な啓示を受け、王候補として招かれるも、王城でルグニカ貴族たちに酷い言葉を浴びせられる。


「この玉座の間に入れることすら恐れ多いとなぜ気づかぬ。汚らわしい」



 
 スバルは列から飛び出して、

「エミリアに謝れ!」



 エミリアを守ろうとするが……、

「スバル!!」


 エミリアに拒絶される。


 

 王戦開幕式の後、スバルとエミリアで口論になる。

 スバルはエミリアの大事に関わりたい。

 エミリアは約束を守ってほしい。

 エミリアに関わりたい一心で突っ走ってしまったスバルに、優しく温厚なエミリアが初めて怒りを見せる。


「私はスバルに、宿で待っててってお願いしたの。これ以上魔法を使ったら大変なことになるから、魔法を使わないでって」

 

 ここでのエミリアの論点が面白い。

 多分ほとんどの視聴者は、スバルの醜態と共感性羞恥で頭がいっぱいだと思うのだが、

 エミリアは「付き纏われた」ことでも、「王城で恥をかかされた」ことでもなく、「約束を破った」ことに怒っている。


「ちょっとロズワール! こんなところに同席させたらスバルが……」


 約束の内容も、例えば「私のお金を勝手に使わないで」といった類ではなく、「治療に専念してほしい」という、スバルの健康を案じたものだ。
 
 関わらせないようにしていたのも、部外者だからというのもあるが、「スバルが嫌な思いをするから」という部分が大きい。
 
 ここまで他人中心なのは人としてどうなんだ? とは思うが、

 そんなエミリアが初めて怒りの感情を露わにする。


「俺はただ、君のために……」

 

「私のため? 自分のためでしょ?」



 エミリアの性格は、人の上に立つ者としては、課題が山積みだ。

 エミリアは人の欲望が分からず、極度に他人中心で、現実を単純に捉えている。

 こういう性格の人間が、人種差別に晒されながら王様を目指すとなれば、必然的に多くの困難に見舞われるだろう。

 ここの喧嘩シーンは、三章の山場としてだけでなく、今後の物語の波乱を予感させる一幕でもあった。


スバル〜😭

 


◆なぜこの作品は、俺にここまで評価されているのか?



 
 冒頭でも話したが、リゼロはとにかく13、14、15話から18話の流れが凄まじい。

 まさに衝撃に次ぐ衝撃。

 どんだけ闇に堕ちるんだよって言いたくなるような怒涛の展開なんだ。

 エミリアとの喧嘩まででも美少女アニメとは思えない衝撃だが、リゼロの真の力はまだまだこんなものではない。

 俺界隈で認められた名だたる神タイトルの中でも、加点方式なら、リゼロ三章がNo. 1だ。

 なぜこの作品は、俺にここまで評価されているのか?

 それは、

 感情とストーリーの動きが深く絡み合っているからだ。


◆リゼロ三章の物語構造があまりにも神すぎる



「元々予想された事態でもある。辺境伯がハーフエルフを支援すると表明した時点でな」


 
 口論の後、エミリアはメイザース領に戻り、スバルは王都で療養する。

 ある日、スバルの元に悪いニュースが届く。

 どうやらメイザース領内で、エミリアアンチが不穏な動きを見せているらしい。

 スバルはレムを連れてエミリアの元に向かうのだが……

 そこには、今までとは比べ物にならないほどの、深い絶望が待っていた。



 つまり、

 エミリアが襲われる前に、王都から屋敷にたどり着き、脅威を排除するというのが、今回のループの概要なのだが、

 時間が無いし、集められる戦力もないし、

 なにより敵が強すぎるんだ。

 

 
 このような強力なストーリーに、スバルの感情が深く絡みつく。


「だったら、助けにいかなきゃいけねえよな」


 スバルは、エミリアの窮地に信用回復の好機を見いだした。

 博打の負けを博打で取り返そうとするような闇の心理に導かれ、何度もエミリアのもとに向かうのだが、毎回これ以上無いくらいに心身をズタズタにやられて死に戻る。

 あまりの事態の深刻さに仲直りどころではなくなってしまい、外側に向かっていたスバルの意識が段々内側に向き始める。

 スバルは多方位からのめった打ちの果てに、自分の脆く、醜く、恥ずかしい部分に正面から向き合うことに。

 こうして18話の大爆発に繋がっていくのだが……

 ストーリーが盛り上がりすぎて、制作関係者の頭がおかしくなってしまい、18話のためだけに都内の駅に広告を打ち出すという奇行に走りだす。

 なんか3期の広告も凄いことになってるし、落ち着いた方がいいと思う。



 

◆人は合理的に動くべき場面で社会性に従ってしまう


 
 ↑この記事でも話したが、

 実はスバルは、三章の始めから終わりまでずっと正しいことをしている。

 スバルと周囲の認識の相違は、周りの人たちが死に戻り能力を知らないから起こっているに過ぎない。


 
 進撃の巨人の「女型の巨人編」でも似たような文脈が出てくる。


「部外者は入れられないの。お願いだからスバル、私を信じさせて?」


「何をしてるの!! それが許されるのはあなたの命が危うくなった時だけ! 私達と約束したでしょ!?」

 

 進撃の巨人では、エレンが差し迫った脅威に対処するために、作戦行動を逸して巨人化しようとしたところを、仲間に止められる。

 だがリヴァイは、「やりたきゃやれ」と言う。


「結果は誰にも分からなかった……」


 ここで巨人化しなかったことで、エレンはある意味、スバルと同じ思いをせずに済んだわけだ。

 進撃の巨人では、「人は合理的に動くべき場面で社会性に従ってしまう」ということが自覚的に描かれる
 
 が、リゼロの場合は少し違う。

 リゼロはなんというか、社会的な正しさと合理的な正しさがごちゃ混ぜになってるんだ。

 基本的なベースは論理なのだが、社会的な認識に晒されると、感情と論理が溶け合って、見分けがつかなくなってしまう。


 エレンの巨人化するしないの状況も難解だが、スバルの場合はもっと分かりにくい。

 スバルの場合、危険が目の前に迫っているわけではないため、序盤の時点ではまだ多くの選択肢が残されている。

 しかし、スバルが本編で言っているように、一章で襲撃に遭っていることから、王都にエミリアに殺意を持っている勢力が潜んでいることは間違いない。

 だから基本的には、スバルはエミリアに張り付いていた方がいい。

 エミリアが殺された後にセーブされるのが、死に戻り能力者の唯一の負け筋だからだ。


「俺はなにかあった時にしか役に立たない」


 このように、スバルも死に戻り能力者として、どうするべきかを弁えていた。

 にも関わらず、周囲の人間に否定され続けた結果、当初の合理的な考えが頭から消えてしまい、エミリアに関わりたいという欲望とごちゃ混ぜになって、鬱屈した感情に支配されてしまう。
 
 いや、スバルだけではない。

 社会性と合理性の境界については、スバルだけではなく、作者の頭の中でもごっちゃになっているように見える。

 
 ストーリーテリングでは、「作者が自分の心の動きに無自覚なことが良い効果をもたらす」ことがよくある。
 
 進撃の巨人の「女型の巨人編」も呼吸を忘れるくらい面白いが、「人は合理的に動くべき場面で社会性に従ってしまう」というテーマ性で見ると、リゼロ三章に軍配が上がる。

 
 俺は、「ストーリーテラーには主人公を最も過酷なルートに導く責務がある」と、固く信じている。
 
 スバルは、エレンよりも過酷なルートを歩んだことで、自分の内面に深く潜りこんだ。

 だからこそ、リゼロという作品は、物語の神に近づくことが出来たんだ



 

◆あとがき


 
 最後まで読んでくれてありがとう!

 新規の人が興味持ってくれるといいな~🫠
 


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