CVを高める10の手口を解説!手口3 サブターゲットもすくい上げる「ウェルカムその他」
こんにちは!博報堂プロダクツ コピーライターの高谷です。
「ことばのUXラボ」では、UXライティングの研究としてさまざまな企業・サービスのWEBコンテンツをチェック。気になる事例を持ち寄って、日々議論を重ねています。
今回は、「誰でも使える!CVを高める10の手口」シリーズの3回目。
サブターゲットもすくい上げる「ウェルカムその他」について、ご紹介します!
今回の登場人物
伊藤(リーダー)・高谷(ベテランコピーライター)・白根(新しめのコピーライター)・の3人です!
「ウェルカムその他」ってなに?
たとえば、携帯電話会社が運営するショッピングサイト。
他社の携帯電話を使っていると自分は関係ない存在だと思い込みがちですよね?
でも実際は、他社のユーザーもサービスの対象だったりします。
(もちろん、メインターゲットは自社の顧客ではありますが)
“自分は対象外だ”という先入観をあらかじめ払拭して、少数派のサブターゲットも取りこぼすことなくすくい上げるUXライティング。それを私たちは「ウェルカムその他」と名づけています。
ちなみに、サブターゲットの表し方もケースによってさまざまです。
サブターゲットを具体化する
白根:とある携帯電話会社が運営するショッピングサイトのバナーで、こんな事例がありました。
高谷:下部にある「B社、C社の方もご利用可能!」のマイクロコピーは、まさに「ウェルカムその他」ですね。
伊藤:サブターゲットである、他社のユーザーも対象であることを具体的に提示していて、すごくわかりやすい!
高谷:こうやって具体的に提示されると、自分ごととして捉えやすいですね。バナーとしての伝達スピードも速いですし。
白根:この「B社、C社も」を打ち出すにあたっては、やはり調査データに基づいているものなんでしょうか?
伊藤:多分そうだろうね。利用者が自社のユーザーに偏りすぎているという課題があったのかもしれない。やっぱりUXライティングにおいて、調査データとの連携はすごく大事だと思う。
白根:この事例、他にも活用法がありそうですよね。たとえば、ホテルだったら「サウナだけのご利用もおすすめ!」とか?
高谷:メガネ店の「レンズ交換のみでもOK」もそうですよね。
できるだけすべての人の自分ごとに
白根:つづいては、独自のタブレット端末も提供する企業の電子書籍購読サービスのランディングページ事例です。
高谷:X社の電子書籍サービス=X社のタブレット端末向けのイメージってありますよね。
伊藤:その先入観に対して、「あなたが今お持ちの端末でも読めますよ」というマイクロコピーは効果的!心理的な障壁がぐっと下がるよね。
白根:「お好きな端末」っていう、ポジティブな表現も気持ちを後押ししてくれますよね。ひとことで、できるだけ多くの人の自分ごと化につながっていると思います。
白根:では、最後の事例です。こちらは、とあるSaaS企業のクラウドサービスのランディングページから。
白根:クラウドサービスというと大手企業むけというイメージが強いですよね。
高谷:自分が小規模の会社に勤めていて、ITについてそれほど詳しくない状況なら、ちょっと尻込みしちゃうかも。自分と同じような企業も導入しているんだって言われると、問い合わせも気軽にできると思います。
伊藤:このケースだと、「あらゆる規模・業態の企業が対象」を打ち出しているけど、メインターゲットとサブターゲットを明確に分けた方が効果的な場合もありそうだよね。サブターゲットもデータに基づいて設定するとか、解像度を上げることでより効果が高まるかも。
いかがでしたか?
企業としては言わずもがなであっても、実は見えない先入観によって、多くのターゲットをとりこぼしているかもしれません。
その可能性を想定して、あらかじめ「障壁を取り除く」のもUXライティングの役割だと思います。“あなたも対象ですよ”のひとことで、CV効果は大きく変わるかもしれません。
ぜひ取り入れてみてください。