新幹線に点字発見!(点字のはなし(44))
身近な(…身近かな?)点字シリーズ。
新幹線の「はやぶさ」の中で、点字を発見しました。
これ、わかりますか?トイレのドアです。
トイレのドアの、取手の上に、
「じょせい せんよー よーしき といれ
この どあの うちがわに
あんないばんが あります」
と書かれていました。
(注:点字では「う」を長音で書く時があります。)
そして、ドアの内側の案内板がこちら。
「こしつない あんないず(よーしき)
かぎを かけて ごしよー ください。
かっこないの すーじわ ゆかからの たかさ。
はんれい
げんざいち(ずの うえ)
すいせん せんさー(90cm、
30cm したに ペーパー)…」以下省略
(注:点字では助詞の「は」を「わ」と書きます。)
案内板の一番下に、トイレ内の見取り図もありました。
見取り図の左側に「ドア」と書かれています。
左上の大きな丸には「げんざいち」。
便器や手洗いは、浮き出しの記号のようになっていて、
上の案内板の説明文に、それぞれ、何の記号なのかが解説されていました。
とても親切で良いと思いました!
そう思いつつも…
それは、点字の案内板がある事に気づけるならば、の話です。
もちろん、全盲の方が、何の案内も受けずに単独で新幹線に乗る事は、ほとんど無いとは思います。
思いますが、でも、まれに、あるかもしれない。
仮に、通りすがりの人にトイレまで案内してもらったとして、「もう大丈夫ですので」とか言って、その人を帰しちゃうんだろうな…。
そしてその人は、「そこに点字がありますよ」とは言わない、というか気づかないで帰っちゃうんだろうな…。
で、もしトイレを使いたくて切羽詰まっていたら、取手の所の点字に自力で気づく余裕は無いかもしれないし…。
では、全盲の人が本当にトイレを使いたくなる前に、誰かが教えてあげなければならないのでしょうか。
誰かが…?
誰が?
うーん、ちょっと待ってください。
そもそもこの案内板は、手を取って配置を教えてくれる人がいない場合や、
人から教えて貰うのに抵抗がある場合に備えて、だと思うのです。
ですよね?
例えば、歩行の介助者が異性で、トイレの中の配置まで聞き辛い…というのは良くある話です。また、説明なんか受けてらんない!という、切羽詰まった状態の時だって、あるかも…ですよねえ。
私が思う正解は、このような点字の案内が「当たり前になる事」です。
どの乗り物にも、必ずこのような案内板がある。
そしてその事を、皆が知っている。
そうなれば、わざわざ案内板のありかを教えたり、教わったりしなくても良くなります。
ただ、現状は、まだ、そうではないので…
「点字の案内板がありますよ」
と誰かから教えてもらうのが、ベストなのでしょう。
by くろうーろん
※こちらは過去にssブログ(2017-09-06 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。