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納豆 -発酵の基本知識-㊱
納豆は最強のプロバイオティクス食品
日本を代表とする発酵食品の一つに納豆があります。
納豆は枯草菌の一種である納豆菌が大豆に繁殖し発酵したもので、数々の健康効果から注目度の高い発酵食品です。
納豆菌は他の微生物と比べても繁殖力や生命力が強く、また様々な環境の耐性があります。
分解力にも優れていて、最終的には自身も分解してしまうほどです。
納豆菌は熱に強い特性があり、胃酸にも強く、生きて腸まで届くこと、様々な栄養効果があることから最強のプロバイオティクスと呼ばれます。
衰退が懸念される納豆産業
数々の伝統食品の衰退が懸念される昨今ですが、納豆もその例外ではありません。
食の欧米化が進み、納豆の消費量はこの10年で年間の世帯消費量が20%減少しています。
特に朝食にパン食が増えた事が原因とみられ、米離れとともに産業の衰退が懸念されています。
とはいえ、昨今の健康志向の上昇により、わら納豆が見直されたり、においや粘りの少ない納豆の開発が進むなど、企業側の努力も見えます。
納豆と腸内細菌の関係
納豆には1パックあたり約500億個の納豆菌が含まれています。
納豆菌は善玉菌として腸内で働き、腸内に常在する乳酸菌の増加に役立ちます。
納豆と食物繊維を一緒に摂ることで腸内細菌のエサとなるばかりか、排便をうがなし、便秘などの解消に役立つことから、納豆は単体で摂取するのもお勧めではありますが、食物繊維の豊富な食材と組み合わせて接収することでより効果が高まります。
<納豆と組み合わせるとよい食材>
切干大根
切干大根は乾燥することで「リグニン」という不溶性食物繊維が生成されます。
リグニンにはガン、動脈硬化予防、便秘改善、美肌、貧血、免疫向上、コレステロール上昇抑制、腸内の善玉菌を増やす役目があります。
切干大根の不溶性食物繊維は、水に溶けにくい繊維で、水分を保持し、便のカサを増やして排便を促します。腸内の有害物質を排出させる働きを持っています。キムチ
キムチの乳酸菌の増殖を納豆菌が助けます。キムチのニンニクの成分が納豆と合わさることにより、血栓防止になります。また、O-157菌などの悪玉菌も防ぐ効果があります。
同様に乳酸菌が豊富な糠漬けにも同じ効果があります。漬かりすぎた糠漬けなどを利用し、塩分を糠漬けやキムチなどから利用することで、付属のたれを使わずに済む利点があります。玉ねぎのみじん切り
玉ねぎの成分、「アイリン」は空気に触れることで、「アリシン」という物質に変化します。アリシンは疲労回復や血栓予防、コレステロール値を下げる効果があります。アリシンに変化させるためには、空気に触れさせることが大切ですので、水にさらさずにみじん切りにした後、15分~一時間程おいておくことが必要です。
納豆に含まれるプリン体の懸念
納豆にはプリン体が含まれ、その量を懸念される声が多々聞かれます。
納豆に含まれるプリン体量と他の食品の比較は下記の通りです。
<各食品 100g中に含まれるプリン体量の比較>
納豆 100g中 115 mg (1パックあたり56.5 mg)
牛肉 100g中 70 mg
ビール100g中 5~7mg (350ml 1本あたり約12~25mg)
プリン体の一日の摂取量は一日400mgまでは許容範囲内とされ、納豆を毎日毎食摂取したとしても全く問題はなく、むしろ摂取することによる健康効果の方が高いのです。