自宅で柿酢をつくる【準備と仕込み編」
こんにちは。
自宅で柿酢を作りたい!と思っている方、少なくないと思います。
柿酢は自家製発酵のリスクが割と低く、最初の数日観察するだけで、
割と手がかからずできる自家製発酵調味料だと思います。
柿酢は発酵の過程を知るにはよい教材
発酵には、全てではありませんが、おおまかな【発酵の順番】というものがあります。
糖化 → 乳酸発酵 → 酵母発酵 → 酢酸発酵
です。
糖化はいわゆる甘酒のような、デンプンなどが糖に変化した作用をいい、
その糖をエサに乳酸菌などが関与する乳酸発酵、
そして酵母がまた糖をエサにアルコールを生成する酵母発酵
最後に酢酸菌がアルコールを酢酸に変える。これを酢酸発酵といいます。
柿酢はこの、酵母発酵から酢酸発酵までの過程を柿ひとつで行います。
必要な材料は【柿】 以上!
柿酢の材料は 柿のみ。
あとはそれを保存する容器。
これだけ。
びっくりするほど少ない。なんか拍子抜けするくらい。簡単。
本当にこれだけで柿酢ってできるのか?
できるんです。はい。
どんな柿が向いている?
基本的になんでもいいです。
ほんとーにどんな柿でも酢になります。
渋柿でも?
はい、渋柿でも酢になります。
柿には渋柿と甘柿がありますが、どっちでも柿酢になります。
渋柿は渋いじゃん!
酢になったとき、渋くならないの?って思いますよね。
うん、自然な疑問。
渋柿の渋みは「タンニン」という成分です。
染物の 柿渋染め なんかは、このタンニンが重要な役割を持つのですが、
柿酢を作るために仕込んだ場合、このタンニンは中間生成物のアルコールにより不溶化します。
その原理は、渋柿を食用にするために焼酎に漬けて渋抜きしたりしますけど、それと同じ原理なので、酢になったときには渋くなりません。
甘柿の場合も品種はいろいろありますが、基本なんでもよいです。
強いて言えば、水分量が多く、すぐグズになる(熟すのが早い)品種だといいのかもしれません。
メジャーなとこだと庄内柿とか。
そして種があってもなくてもどっちでもいいです。
手に入りやすくて、なんだったらその辺になってる柿で十分です。
発酵に関わる菌はどこから来るの?
基本的に家で何か・・・例えば自家製甘酒や、納豆などを作る場合
その作りたいものに関与する菌(の素になるもの)が必要となります。
甘酒の場合は米麹(麹菌)
納豆の場合は納豆菌
ヨーグルトの場合は乳酸菌
など、それぞれ素となるものが必要となります。
オールインワンの柿
では柿酢を作りたい場合は何が必要か?
先ほども書いたように、柿は添加する素や種は必要ありません。
柿にはその「皮」に必要な酵母菌、酢酸菌が住んでいるからです。
柿の皮に付着した酵母菌は
柿そのものの【糖】をエサにして酵母発酵を勝手に始めます。
その後、そのアルコールをエサに酢酸菌が酢酸発酵を始め、やがて酢になるのです。
柿酢の手順(自宅室内で仕込む場合)
清潔な瓶を煮沸消毒か、アルコール消毒します。
瓶は広口で、手がすっぽり入って洗いやすく、縦に長いものが理想です。
さらに蓋はスクリュータイプのものが理想ですが、バネで止めるタイプを使う場合は、蓋についている内側のパッキンを外しておきます。
柿を用意します。
熟してグズグズになったものでも全く問題ありません。
むしろ、食べるタイミングを逃した熟柿は理想的かもしれません。
(痛んでいないものに限る)
ワタシはこの「食べるタイミングを逃してしまった柿」をよく使います。
(だってすぐ柔らかくなっちゃうんだモン)柿を洗いヘタをとります。
レシピによっては洗わなくてもいいなんてものもありますが、念のため、衛生管理を啓発している身としては、軽く水洗いして埃や汚れを取り除きます。(水ぶきでも可)
ヘタは取っておきます。ヘタとヘタの周りの汚れを必要に応じて取り除きます。
キズ程度の黒ずみはそのままでも大丈夫ですが、気になるようであれば取ってください。皮つきのまま適当に切って容器の7分目くらいまで入れます。
種もそのままで大丈夫です。
ポイントはあまりぎゅうぎゅうに入れないこと。
目安は7分目以下まで。
(酵母発酵がはじまるとシュワシュワになってエライことになります)そのまま常温でおいておきます。
以上です。(笑)
室温や気温にもよりますが、熟してグズグズになったもので
早ければだいたい3日ほどで酵母発酵が始まっていきます。
保管場所は人間が快適な場所で常温保管。
家の中ならリビングや火のそばでないキッチンなど
どこでもいいです。
(湿度が高いシンク下、脱衣所や雑菌が多い玄関などは除く)
ワタシはリビングに置いておきましたが、
今年(2023年)は特にあったかいので、例年より発酵が早く始まりました。
酢になるまでのお手入れは
この手順はあくまでも家の中で少量作る場合です。
できれば酵母発酵中はなるべく目の届くところに置いて
毎日とは言わないけど、ちょいちょい見てあげてください。
酢になるまでの間のリスクとして
産膜酵母が出やすくなる
カビが生えやすくなる
などがあります。
産膜酵母ちゃんは自家製発酵には オトモダチ(^^♪ といえるほど、ほんっっっっっっっっっとによくお目見えする菌ちゃんです。
悪い菌ではありませんが、見た目がイマイチになるのと、風味が少し変わってしまうので、できれば生えないのに越したことはありません。
ただ、生えても基本そのままでも大丈夫なんで、あまり気にしないでください。
カビは発酵が進んで果肉の部分が浮いて分離してくるとその浮いた果肉の最上部の空気に触れる部分(蓋開けてすぐ)のところに生えてきます。
カビも糖が好きなので、酵母発酵が始まってもアルコールに触れない部分には生えてくる場合があります。
酵母発酵により生成されたアルコールは
雑菌を防いでくれますので、これらを予防するためにもなるべく攪拌して発酵を促してあるげることが大事だったりします。
この時点で少し上澄みの液体を味見してみると
普通に美味しい柿のジュースです。
一般的にいう、酵母ジュースの状態です。
このまま美味しくジュースとして飲んじゃってもいいですけど、そうすると柿酢はできずに終わります。
この期間はとにかく酵母発酵が盛んなので、
できれば カビや産膜酵母の防止になるので、毎日攪拌してあげてください。
一日おきでもいいです。
そして
蓋をぎゅっと閉めすぎないこと。
そして容器に対して柿を入れすぎない。
多くても7割くらいまでにとどめておくこと。
バネ式の容器を使う場合は必ず蓋についているパッキンは外してください。
スクリュー式の場合もぎゅっと閉めずにちょ~っとだけ蓋をゆるくしておく。
ぎゅうぎゅうに中身も蓋もすると、溢れてこぼれます。
場合によっては爆発します(マジ)
これ大事です。テストに出ます。
柿の場合、酵母発酵が始まっても他のフルーツと違い
割と早く酢になります。
酵母ジュースから酢になるんだったら
他のフルーツでもいけるんじゃね?って思ったそこのアナタ。
大正解です。
でも、
例えばリンゴ。
リンゴでも酢はできますが、
リンゴの方が酢になるための期間がかかるので柿より失敗のリスクはあがります。
なので、できればリスクの低い柿のほうが安心安全。
おすすめというわけです。
柿酢はいつ頃できる?
おおよそですが1か月もあれば酵母発酵が終わり、熟成期間ののちに完成します。
様子をみつつ、酵母発酵ならではのプクプクが落ち着いて
蓋をあけたら酢のような匂いがしてきたら味見をしてみましょう。
酢のような味になったら濾して熟成期間に入ります。
ワタシが仕込んだ酢はまだ本日(2023年12月11日時点)ではまだなので、経過を見て続きをアップしていきます。
ではまた次回!
「柿酢を越して熟成する」ご期待ください!
・・・・・・To Be Continued
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