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マサラチャイのすゝめ
手足がキンと冷える寒い日や、なんだか疲れて頭が回らない日は、スパイスを効かせたしっかり甘いチャイが飲みたくなる。
好みの問題だとは思うが、私が思うに、チャイはスパイスと砂糖どちらをケチっても美味しくない。ちゃんとスパイシーで、ちゃんと甘いチャイこそ正義である。そうでないチャイはチャイではなく、チャウと呼びたい。異論は大いに認める。
その日、私は疲れていた。
キッチンには朝食を食べたあとの食器が、脱衣所には山盛りの洗濯物が、リビングの床には子供たちのオモチャが、それぞれ私に片付けてもらうのを待っている。実に鬱陶しい。たまには自分で片付けばいいのに。
それらを見て見ぬフリしてソファーに座り込み、ただボーッとSNSの画面をスクロールしていると、「意味がわかると怖い話」というのが流れてきたので読んでみたが、全く怖くなかった。ぜんぜん意味が分からなかったから。
こりゃあ私やっぱり疲れてるわ、とチャイを淹れて飲むことにした。頭が疲れているときは、甘いものを摂取するとダイレクトに脳に効くような気がする。
糖は即戦力。
マサラチャイの材料(ナカソネ好み1杯分)
・カルダモン2粒
・クローブ2粒
・シナモン1/2本
・ブラックペッパー3〜4粒
・生姜スライス2枚
・紅茶葉(アッサム)大さじ1強
・水120ml
・牛乳120ml
・砂糖大さじ1〜2
チャイってインドの飲み物で、単純に「チャイ」だけだと日本でいうミルクティーなのだとか。で、スパイスを加えると「マサラチャイ」というのだそうだ。「マサラ」はスパイスという意味らしい。Google先生が言ってた。
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私はしっかりスパイスを感じたいから、1杯作るのに上の写真くらいのスパイスを使う。
カルダモン2粒、クローブ2粒、生姜スライス2枚、ブラックペッパー3〜4粒、シナモンスティック半分。
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市場にあるスパイス屋さんで買った、スパイスを潰すやつ(名前知らない)で、ホールのスパイスをある程度潰す。この作業はとても楽しい。スパイスを潰す感触が、手を伝って、耳に響いて、心が癒される。
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潰したスパイスと生姜、それからシナモンスティックはパキッと割って鍋に入れる。そこに水を入れ、沸騰したら少し火を弱めて2〜3分煮出す。
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スパイスを煮出して、お湯に色がついてきたら茶葉を投入。茶葉を入れたら火を止める派もいれば、ガンガン煮出す派もいるらしい。私の場合はその日の気分による。両方試したことがあるが、ガンガン煮出すとやはり渋みが出る。
渋みが欲しけりゃ火をつけたまま煮出せばいいし、品よく仕上げたいなら、茶葉投入後は火を止めて待つがいい。自分で飲むんだから好きに作ればいい。
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茶葉がひらいて、しっかり出たなーって感じになったら再び火をつけ、牛乳を投入。
動物性タンパク質はちょっと私アレなのよね、って人は豆乳を投入してもらってもいい。意識の高い人はオーツミルクとか入れればいいんじゃないの。なに?オーツミルクって?オーツのミルク?オーツが分からん。オートミールと何らかの関係がありそうだな…知らんけども。調べないけども。
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牛乳入れたら、ここで砂糖も入れてしまおう。私はだいたいいつもきび砂糖を大さじ1強入れるが、ハチミツや黒糖などで作っても美味しい。
意識が高い人はラカントSを入れたらいいさ。ラカントSって甘いのにカロリー0らしいから。こわっ何それ。
そういえば先日、パートのパイセンから「カロリーゼロ」と書かれた、ミルクティー味のキャンディをもらった。すごく甘かったけどマジでカロリーはゼロらしく、「私は今何を食べてるんだろう…」と混乱した。キツネに化かされてんのかなって。世の中は不思議がいっぱいだわ。
はい、また脱線した。
牛乳と砂糖を入れたら、混ぜながら加熱しつつ沸騰寸前で火を止める。
前にYouTubeで見た本場インドのマサラチャイ屋さんは、茶葉を入れてからも牛乳を入れてからもずっと、グツグツぶくぶく激強火だった。だからおそらく、正解なんてない。好きに作ったらいいんだわきっと。
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あとはこの茶漉しをマグカップにセットして、
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きもちーーーい!
こぼさないように精神統一して一気に注ぐ!
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高いところから注ぐことで、空気が含まれてまろやかな味わいになるとかなんとか。試してみたけど、これに関しては本当にそうな気がする。
昔好きで通ってた喫茶店で、カフェオレを頼むと怖いぐらい高いところから注いでくれるのが意味分からなくて怖くて怯えてたんだけど、あれもそういうことだったのか。空気を含ませて、口当たりをまろやかにしていたのだな。今分かった。威嚇されてんのかと思ってた。
意味が分かると怖くない話だ、これは。
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出来上がったチャイを両手で包み、ひとくち飲んでみる。お、お美味しい!シェフを呼べ!あっ、オレか!いやーーーー美味しいわこれは。
スパイスのピリッとした辛味と清涼感、アッサム茶葉の香りとコク、まろやかで優しい口当たり。ごくりと飲み込んだあとには、鼻の奥に多くの余韻をのこしていく。なんとも豊かな飲み物、マサラチャイ。
ひとくち、またひとくちと飲んでいると身体の中に入った糖分が、じわりじわりと疲れた脳に効いてくるのが分かる。優しいけれどしっかりした甘さは、ささくれ立った心も穏やかにしてくれるのだ。ガサガサな手にクリームを塗り込むみたいに。
無理だろって思うような寒い日、心が乾いた日、なんか疲れた日に、マサラチャイをぜひ試してみてほしい。
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