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人を行動に移させる本こそ真の良書に違いない〜私が新たにスノーボードに挑戦するきっかけを作った『Die with Zero:人生が豊かになりすぎる究極のルール』

 小学生から高校生頃までの私は、恒例行事として年末年始になると叔父たちとスキーに行っていました。一方、大学生以降の私は年末年始に叔父たちと出会う機会が減ったこともありますが、それ以上に叔父たちはあえて寒い季節にお金を払ってまでスキーに行く気力や体力がなくなったようでした。いつの間にか年末の恒例行事は消滅してしまい、私は何年か置きに一人でスキーに行くようになったのでした。私は趣味であるスキーにお金を出す価値はあると考えていますが、大学生以降の私はお金に余裕がないことを言い訳に、毎年のようにスキーには行かない状態にありました。

 このような私が2024年末に『Die with Zero:人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス著)を読んだことで、4年近く振りにスキーに行くことになったのです。本書は「お金は墓場まで持っていけない」点を大前提とし、年齢に応じてどのようにお金を使えば、幸福な人生を歩めるのかを述べています。私は本書を読んだことで積極的にお金を使い、今しかできないような人生を充実させる体験をしたいと思うようになりました。

 叔父たちがスキーに行かなくなった理由を本書に基づいて考えると、叔父たちはスキーを楽しめる年齢ではなくなったのでしょう。私が高校生頃の叔父たちは、むしろ私を誘ってスキーに行きたそうにしていました。一方、私が大学生以降の叔父たちは、こちらからスキーに誘っても寒さを理由に断るようになっていきました。また、叔父たちの体力が減退している様子も無視できませんでした。一般に体力を要する体験は若い頃の方が取り組めるため、本書では若い頃に体力を要するような経験にお金を使うことが推奨されています。

 ここで読者の中には、若い頃には所得が低いこともあり、スキーのようなお金の掛かることにお金を使うことは難しいのではないかと思われる方もいるのではないでしょうか。しかし『Die with Zero:人生が豊かになりすぎる究極のルール』では、若い頃の低所得な期間に無理をして貯金するよりも、若い頃にしかできない経験に対してお金を使うことの意義が述べられています。本書の著者は若い頃に無理をして貯金していたのに対し、著者の職場の同僚は貯金どころか借金をして海外旅行に出向いたらしいのですが、著者自身もこの同僚と同じように無理をしてでも若い頃にしかできないような経験をするべきだったと後悔したようです。本書では貯金の重要さを肯定しつつも、今の楽しみを我慢することにも限度がある点を指摘しています。楽しみを我慢しすぎたことで、将来において後悔に苛まれる可能性があるからです。

 私は貯金は得意ではなく、むしろ気前よく人にご馳走をし過ぎて1年で100万円以上のお金を浪費した経験があるのにも関わらず、3万円程度で行けるスキーにお金を出し惜しみする側面がありました。著者とはベクトルが異なるものの、自分自身に対する楽しみを我慢していた点に関しては著者の後悔と類似していたこともあり、本書を読んですぐに4年振りのスキーに行ってきました。4年振りのスキーは爽快であり、私はまだまだ体を自由に動かすことができることに気が付きました。

 同時に本書で指摘されているように、今だからこそ体力を要する新しい経験に取り組みたいと思うようになったのです。その一つとして、私は新たにスノーボードにも挑戦しようと決意しました。決意は生物と同じく消費期限があるため、私は決意してから最短でゲレンデに行ける日取りにスノーボードのレンタルを予約しました。スノーボードはスキーをするたびに挑戦したいと思い続けていたのですが、お金に余裕がないことをはじめとして、自分自身に対して何かと言い訳をして、恐らく10年以上も挑戦できない状態にあったのです。

 そのようなグズな私を、『Die with Zero:人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス著)は変えてくれました。私は流行り物全般を忌避する性質なので、本書のような流行っている本を手にしたことは意外だったのですが、1日でも若いうちに本書を読むことをおすすめします。本書は一見すると年配の方向けに見えるかもしれませんが、お金の価値が物価だけではなく年齢にも大きく影響を受ける点を指摘し、幸福な人生を歩むために必要なお金の使い方を指南してくれる良書です。


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ハカセさん
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