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「研修講師」という呼称

僕は「研修講師」に分類されるのがどうも苦手。なので、自分からは
「研修講師してます」とは名乗らない。
代わりに
「人材育成に携わってます」とか、
「人に関わるコンサルしてます」と名乗ってる気がする。

そもそも、僕は講師を名乗る資格がないと思ってる。
なぜって、いわゆる研修会社の講師採用のテストに受かったことないし。
必ず落ちる。
なんで落ちるかというと
「こいつ何言い出すかわからないな」
と思われるからだろう。

それでも僕が研修の場に立てたのは、コンサル会社時代の同期が使ってくれたから。
「はかちゃんは、コンサル時代にセミナー登壇や新入社員研修を担当してたし、まあできるんじゃない?」と言ってもらえたおかげで、なんだかんだで15年近くこの仕事ができている。
ありがたいことだ。

僕が研修で心がけていることはいくつかあるけど、細かいところまで思い出せないので、3つに絞って書き出してみる。

  1.  自己紹介は短く
    まずは自分が何者かは説明する必要があるけど、名前と経歴を表示してかいつまんで説明して、できれば2分以内ぐらいで終えるようにしている。
    他の人の登壇を見たことあるけど、
    顔写真と趣味がずらりと載ったスライドをもとに15分話してる人、
    自己紹介が50分かかって全ての予定が押しまくった人など、
    みんな自分のこと話すの好きなんだなーってびっくりした。

  2. スクリプトは用意しない
    研修を始めたころはスクリプトを用意したりしてたけど、事前に用意したものを話すと僕の場合大抵スベる。
    なんでかなー、と考えてみると、目の前の受講者の状況を置き去りにして用意したことを話すことが目的化するからだ、という結論に達した。
    なので、それ以来、その場で感じたこと、思いついたことを話すようにしている。

  3. フィードバックが全て
    テキストに書いてあることを伝える、いわゆるインプットはあまり重視していない。
    もちろん、最低限伝えるべきことは話しているけど、そもそも決まりきったことを話すのも得意じゃないし(その点役者というのはすごいなーと本気で尊敬する)、僕も書いてあることを伝えられる授業や研修が嫌いだったし。
    ちなみに、テキスト通りに話せないので研修会社のテストに受からないだろうとは、もちろん自覚している。(反省はしてないけど)

    一方で、受講者たちのアウトプットに対するフィードバックに一番時間をかけるし集中する。
    テキストに書いてある原則論を聞かされても
    「はいはい、知ってますよ、わかってますよ」
    と受けとめられるのがオチだけど、いざケーススタディに取り組んだり、実務に当てはめてみたりすると、3分前に聞かされた原則論だってうまく応用できない。もちろんそんなの当たり前だし、ふつーのことだから、気にする必要すらない。

    自分たちが散々考えて出した答えに対して、別の角度からフィードバックを受けると、やっぱり納得感があるんだと思う。
    (もちろん反発したい気持ちも起きるだろうけど、それはそれでOK)
    つまり、アウトプットに対するフィードバックが、一番アタマと心に残りやすいと僕は信じているので、とにかくフィードバックが全てだと思ってこの仕事をしている。

僕の研修の流儀がありふれたものなのか、ちょっとフツーじゃない感じなのか、それも良くわからないけど、僕は講師というよりやっぱコンサルなんだと思って日々この仕事をしてます。

そもそも「先生」と呼ばれるとじんましん出そうなぐらい嫌だし…


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