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生きづらさの人類学 │ スキゾ分析の仕方

あなたは、生きづらさを感じて生きています。

毎日のなんてことない日々のなか、虚無感を抱えて、生活をしています。

その虚しさや生きづらさはどこから来るのでしょう。

生きづらさを分析する方法を見ていきたいと思います。

分析の仕方

あなたの生きづらさを知るためには、これまでの過去を思い出してみることです。

幼少期の頃、好きだったことや嫌いだったことを思い出します。現在のあなたが好きな気持ち、嫌な気持ちになる状況を思い返します。

その状況は、学校や会社などの組織のことかもしれません。またもっと広い次元の社会や国家のことまで広がることもあります。

そうすることで、あなたを取り巻くすべての他者を把握することができます。

その結果、あなたに影響を与えるものを把握でき、言語化することで、次の対処方法がわかるのです。

その対処方法は、いまいる環境から単に離れることかもしれませんし、いまの環境との付き合い方を変えることかもしれません。

分析について(スキゾ分析)

精神分析では親との関係に、生きづらさの原因を求めます。幼少期の頃の虐待からのトラマであれば、そこに問題があると考えます。

ただ、生きづらさは、親子関係だけで決まるものではないとするのがスキゾ分析と言われる分析の種類です。

フェリックス・ガタリが打ち出したこのスキゾ分析は、簡単に言うならば、親子関係に原因を求めようとするのではなく、もっと広い次元まで広げて分析をしなければ、問題の原因はわからないというものです。

ガタリはもともとジャック・ラカンの精神分析の影響を受けていましたが、破門し、独自の精神分析の方法を打ち出します。

ガタリは、スキゾ分析は、精神分析ではなく先住民の治療儀礼に近いと主張します。

ンデンブ族では、病気は他人からの亡霊や呪術師の呪術によってもたらされるものと見なされています。

病気は、他人とのいざこざや社会間の緊張関係によってもたらされるのです。そのため、患者を治療するには、その患者の家庭環境よりも患者を取り巻く社会関係を分析する必要があるのです。

スキゾ分析と人類学

あなたの生きづらさは、精神分析だけではなく、もっと広範囲の対象を分析することで少しはましになるのかもしれません。

その広範囲の分析の学問が人類学です。イギリスの人類学者ヴィクター・ターナーは、ンデンブ族における治療儀礼について研究していました。

人類学は外の文化圏に出かけて、対象の人びとを見つけて、自文化とその外の文化の違いを探します。

外の文化で実践されていることを考察し、自分たちがもっていた当たり前を疑うことが可能となるのです。

当たり前を疑うとは、あなたが持つ想像力が変化することです。

あなたの生きづらさは、あなたの狭い家庭環境だけでなく、もっと広範囲のことから影響を受けているのです。


生きづらさの人類学(これまでのnoteでやってきたこと)

これまでのnoteで、わたしは生きづらさについて書いてきました。また生きづらさと向き合うための実践としての「書くこと」を提示し、集団内での権力関係を書いてきました。

それは自分でスキゾ分析をしていたということです。自分の精神だけではなく、広範囲の影響を分析していました。

またそれは、生きづらさの人類学と言えるかもしれません。外の対象(他人のテキストやイメージ)に触れ、自分の想像力を変容するような実践でありました。

スキゾ分析=生きづらさの人類学は、これからも続いていくでしょう。私の生きづらさは昔からそばにあり、これからもそばにあると想像しているのですから。



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