抜け毛・薄毛は亜鉛不足で起こる!?効果的な摂取方法とは?【教えて!毛髪診断士】
抜け毛・薄毛は亜鉛不足で起こる!?効果的な摂取方法とは?
健康な身体を保つのに栄養バランスのよい食事は欠かせませんが、髪の毛のためにも食事内容には気をつける必要があります。
栄養不足では髪の毛や頭皮の状態を悪くし、抜け毛や薄毛につながります。
なかでも髪の毛にとって大切な栄養素のひとつが「亜鉛」です。
この記事では、亜鉛が髪の毛にもたらす効果や摂取方法などを毛髪診断士の方に聞いてきましたので、ご紹介します。
自分が亜鉛不足に陥っていないか確認し、普段から亜鉛を含む食材をメニューに取り入れるようにしましょう。
そもそも亜鉛とは?
Q.そもそも亜鉛って何ですか?
亜鉛はミネラルの一種で、体内で多くの役割を果たす重要な栄養素です。
体内の酵素を活性化させてエネルギーを作り出したり、免疫力を高めたり、細胞分裂の手助けをしたりする働きがあります。
Q.亜鉛が不足するとどうなるんですか?
亜鉛が不足すると免疫力が下がって感染症にかかりやすくなるだけでなく、肌荒れや味覚障害などの体調不良が起こりやすくなります。
亜鉛は健康に生きる上で不可欠な成分といえます。
亜鉛不足だと抜け毛・薄毛になるって本当?
Q.亜鉛が不足すると抜け毛になるって聞いたのですが、本当ですか?
はい。亜鉛は体内の健康状態を保つだけでなく、髪の毛を生み出す過程でも重要な役割を果たしています。
そのため体内の亜鉛が不足すると、抜け毛や薄毛を引き起こしやすくなります。
また育った髪を抜けにくくするためにも、亜鉛が大切であるといわれています。
亜鉛の髪への効果とは?
Q.亜鉛が髪にどんな効果があるのか教えてください!
まず亜鉛が髪にもたらす効果で注目したいのは、髪の毛の主成分であるケラチンを作る働きです。
ケラチンは、食事で摂取したたんぱく質が分解されてアミノ酸となり、それらが再合成されて作り出されます。
「分解されたアミノ酸を再合成する」という過程で必要なのが亜鉛です。たんぱく質をたくさん摂取していても、亜鉛が不足すると再合成を行うことができないため、髪の毛を作り出すことができません。
5aリダクターゼ酵素を抑制する
次に注目したい効果として、5αリダクターゼ酵素を抑制する働きが挙げられます。
5αリダクターゼ酵素とは、AGA(男性型脱毛症)を引き起こす原因となる物質の「ジヒドロテストステロン」を作り出す酵素です。
ジヒドロテストステロンが受容体と結合することでAGAを発症しやすくなり、髪の毛が育つサイクルが乱れる、頭皮環境が悪化するなどの悪影響が表れます。
亜鉛によって5αリダクターゼ酵素を抑制することで、リスク軽減に期待できます。
抜け毛改善効果あり!?亜鉛の摂取方法とは?
Q.亜鉛に抜け毛改善効果があるなら、これからどんどん摂取していきますね!
健康な髪を育てるのに大切な亜鉛ですが、たくさん摂ればよいというわけではなく、推奨される摂取量があります。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、1日あたりの推奨量は成人男性で10mg、成人女子で8mgとなっています。この量を目安にし、食事に亜鉛を取り入れるよう意識しましょう。
亜鉛の摂取の仕方
Q.亜鉛の摂取方法を教えてください!
亜鉛を摂取するには主にふたつの方法があります。
まずは食事によって摂取する方法です。亜鉛を多く含む食材については次のこのあと詳しく紹介しますので、参考にしてください。
次に亜鉛サプリメントを利用して摂取する方法です。
亜鉛を含む食材を毎日食べ続けるのが難しいという場合や、忙しくて食事が不規則になりがちという場合でも手軽に亜鉛を摂ることができます。
一方で食事と別にサプリメントを用意する必要がある、複数のサプリメントを使用する場合に過剰摂取になる場合があるなどのデメリットがあるため注意して使用しましょう。
亜鉛が多く含まれる食べ物とは?
Q.亜鉛を多く含んだ食材って何ですか?
亜鉛を豊富に含む食材の代表として挙げられるのは牡蠣です。
牡蠣に含まれる亜鉛の量は100gあたり13.2mgといわれており、これだけでも成人男性の1日の推奨量である10mgを上回ります。
ほかにも豚レバー(6.9mg/100g)、牛モモ肉の赤身(4.4mg/100g)、高野豆腐(5.2mg/100g)、納豆(1.9mg/100g)などに多く含まれています。
亜鉛は水溶性であるため、短時間での加熱や鍋などのスープごと食べられる調理方法が望ましいです。
毎日のメニューを工夫し、これらの食材を取り入れてみましょう。
亜鉛はビタミンCを含む食品と同時に摂取することで吸収をよくすることができます。
亜鉛を含む食品だけを食べるよりも、キャベツやブロッコリーなどの緑黄色野菜、レモンやかぼすなどのフルーツを組み合わせるのがおすすめです。
生牡蠣にレモンを絞って食べるのは、風味をよくするだけでなく栄養面でも理にかなっているといえます。
亜鉛摂取の注意点
Q.亜鉛を摂取するときの注意点はありますか?
食べ合わせには気を付けましょう。
抜け毛や薄毛にお悩みの方にぜひ摂取してほしい亜鉛ですが、食べ合わせによって逆効果をもたらす場合があります。
せっかく亜鉛を含む食品を食べても、ほかの栄養素との組合せによって吸収率が下がったり、効果を発揮できなかったりということが考えられます。気をつけたい栄養素について知っておきましょう。
Q.ぎゃ、逆効果…それは嫌です。詳しく教えてください!
まずは食物繊維が挙げられます。
食物繊維に含まれるシュウ酸が亜鉛の吸収率を下げてしまうためです。
食物繊維を豊富に含む食品として、ゴボウなどの根菜や豆類、海藻類などがあります。
これらの食材にも大切な栄養素が含まれているため、あくまで食べるタイミングに気をつけるのであって「食べ合わせが悪いから食べるのをやめよう」と考えないことが大切です。
食べ合わせに気をつけたい栄養素として、次にカルシウムがあります。
カルシウムは亜鉛と結びつき、体外に排出しやすくなるためです。
カルシウムは牛乳などの乳製品や小魚などに多く含まれています。
サプリメントを牛乳で飲むとせっかく摂取した亜鉛が排出されやすくなるため、水かぬるま湯などで飲みましょう。
Q.牛乳で割ったプロテインと一緒に亜鉛サプリメントを飲んでいました…。今後やめます。。
カフェインとの同時摂取にも注意が必要です。
食後にコーヒーや紅茶などを飲む方は多いですが、カフェインは亜鉛の吸収を阻害します。
コーヒーや紅茶は食後すぐに飲むのではなく、時間を空けて飲むのが望ましいです。
過剰摂取にならないようにする
亜鉛をたくさん含む食品や吸収しやすくする食べ合わせなどを知って
「これからはたくさん亜鉛を摂るようにしよう」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、過剰摂取すると副作用によって心身に悪影響を及ぼす場合があります。
まず身体への悪影響として、吐き気や嘔吐、食欲不振などを引き起こす可能性があります。
摂取量が多すぎることで吸収しきれず、胃や腸に負担をかけるためです。
また1日あたり200~800mgを超える量や、長期間にわたって1日あたり100~150mg摂取すると、亜鉛中毒を引き起こす場合があります。胃腸の不調に加え、寒気や頭痛などがみられます。
またストレスや倦怠感が増えるという精神面への悪影響もあります。
Q.摂取しすぎると良くないんですね…
亜鉛は免疫力を高める働きをする成分ですが、過剰摂取により逆に免疫力が低下する可能性があり、疲労が取れにくく、風邪をひきやすくなることが考えられます。
その結果、倦怠感から抜け出せず、体調不良によるイライラが募ります。
Q.風邪…!これからの時期に要注意ですね。
胃腸は髪の毛にとって大切な栄養素を摂取する器官であり、吐き気や食欲不振が続くと栄養不足を招きます。
またストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを招き、抜け毛や薄毛の原因となります。
このように亜鉛の過剰摂取は、抜け毛や薄毛を悪化させる可能性があることを覚えておきましょう。
まとめ
亜鉛の働きや含まれている食材、摂取する際の注意点などを紹介しました。
亜鉛は不足しがちな栄養素といわれています。
今まで亜鉛を含む食材をあまり食べていなかった方や、吸収によくない食べ合わせをしていた方は、メニューを見直して必要な量の亜鉛を摂取できるようにしましょう。
亜鉛を適切に摂っているはずなのに薄毛や抜け毛の悩みから抜け出せないという場合、そもそも原因が亜鉛不足ではない可能性があります。
そんなときは専門のクリニックでカウンセリングを受けてみましょう。
医師が検査に基づいた診断を行っており、必要に応じて治療や薬の処方などを受けることができます。
自分では気付いていなかった抜け毛や薄毛の原因を知ることができる可能性もあります。
自分に合った対処法を見つけ、薄毛や抜け毛を気にせず過ごせる健康な髪の毛を育てましょう。
今回は亜鉛と薄毛の関係から摂取方法、注意点までいろいろ伺ってきました。
ありがとうございました!
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