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まだ深夜の温もりがある場所で 涙がこぼれるのを見た 焦がれていた感情は いつの間にか すが…
私が包まれているとき 蠢き蠕く感覚に苛まれる 舌先の腫物のような 痛みはないのに 不快なは…
真っ赤な指先 白い吐息 目深に覆う頭巾 水滴だらけの眼鏡の奥 燃え残りの炭のように 瞼を閉じ…
ふと思い出した歌詞の一節に 無性に泣きたくなったところ きゅっと唇を甘噛して耐えていた 風…
思うように体を動かすことができない 呼吸すら危うい意識の中 薄くかかるモヤの向こう 何かの…
存在するのに 誰も在処を知らない 例えばあなたの指先が触れる場所に 私への愛があるのなら …
たくさんある 言葉の中から ひとつ ひとつ 丁寧に 慎重に 大胆に 脳内で選ぶ様と 壁一面に並べられた酒瓶を選び取り シェーカーで混ぜ合わせる様は なんだか似てる 組み合わせては 組み立て直して 吟味しては 推敲して 眠らせて 清書はグラスに注ぐこと 丁寧を心がけて書かれた文字は飾りつけ あなたに読まれるために 今の最高を綴る 私からの一杯です 感じることは 怖くないよ 旨みも 苦味も いつか訪れるだろう その時に 懐かしんでもらえるのなら 私は その一口に なり
あれが欲しい これが欲しい 何も要らない 何が欲しい? 私は何かが欲しかったような気がす…
憐れみで生き、緊張で縛ることを「愛」だと思っている人 きっと君は気づかない 自分の幼稚さ…
向こう側の気持ちを見せてよ 私にはわからない合言葉の向こう 初夏の雨粒が少しだけ甘いのは …
凪いだ風に包まれる水面 日向で眠る小さい生き物 それらを見つめているような 心のあり方 眠…
煙る湿気を川と共に流れながら 寝静まっている歓楽街を歩けば 静けさの中から目覚めだす太陽の…
明け方 星もない夜空から群青の波が引く 全てをさらけ出すには まだ早い 真白の鱗の隙間から…
まつ毛にかかる虹の粒 何度も忘れた人の言葉が重なる 視界の悪さに何度拭おうとしていたか 懐かしい声が変わらずに 電波を通して鼓膜を震わせる あなたはここにいないけど その声が 選ぶ曲が 私を一人にしないと伝えてる 誰にでも言える事でも 伝わらなければ悲しい独り言 朝もやの中のカラスとカモメが 廃墟の輪郭をなぞって消えるまで 少しばかり高い波に浮かんでみれば 岸壁に係留された船の小窓 束の間のラジオが胸を締め付ける