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無題

明け方 星もない夜空から群青の波が引く
全てをさらけ出すには まだ早い
真白の鱗の隙間から差す青い光
夏の名残を焼き尽くすのは 懐かしき異国
吹く風も 肌を包む温度も 土の感触ですら 柔らかい

不意に
潮風とカモメが父を乗せた漁船とともに
太陽の昇る方へ向かう姿が脳裏を過ぎる
郷愁か暗示か 今はまだ

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