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世界中の《ひまわり》を見て回りたい

去年の5月の連休のことだ。コナンの映画、「業火の向日葵」を見てゴッホのひまわりが東京、新宿で見ることができると知った。この映画のストーリーは、世界中のゴッホののひまわりが日本に集められ展示されることになり、そこにコナンの宿敵である怪盗キッドが絡んでくるといった内容であった。このストーリーでは世界中にあるゴッホのひまわりを一度に見られる機会があったわけだが、私の夢はこれとは逆で、世界中のゴッホのひまわりを見に行くことだ。コナンの映画をアマプラで見漁っていた私は、「業火の向日葵」を見た次の日に新宿のSOMPO美術館へと向かった。

いざ《ひまわり》と対面


当時、「ブルターニュの光と風」というタイトルでブルュターニュ地方に魅せられた画家たちの絵が展示されていた。私は美術のことはあまり詳しくないし、美術館へ足を運ぼうと思ったことはほとんどなかった。だが何一つ知識のない私でも、知らない画家の絵に感じるものが多かったように思える。展示が終盤に差し掛かり、目に入ったのは、ゴーギャンの《アリスカンの並木道、アルル》(L'Allée des Alyscamps, Arles)だった。

ポール・ゴーギャン《アリスカンの並木道、アルル》

展示の説明によると、南仏のアルルで共同生活を送ったゴーギャンとゴッホはキャンバスの生地を分け合って製作することもあったようで、この作品とSOMPO美術館の《ひまわり》は同じ生地に描かれているそうだ。(絵画について詳しくない私でもゴーギャンの名前は知っている)そして、ゴーギャンの作品の次に、私の本命の《ひまわり》が展示されていた。

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》

ガラスを隔てて《ひまわり》と対面した。(当時の展示ではひまわりはガラスケースのようなものに入れられて展示されていた。(ちなみに年末年始の「ゴッホと静物画」の展示では、ガラスケースはなく《アイリス》と横並びで展示されいた)
画像でも分かるが、重ねられた絵具がひまわりに迫力を与えていて一目で魅了された。ひまわりのことだけをずっと考える程に引き込まれていた。(ぜひ機会があれば鑑賞しに行ってほしい)真ん中の方にあるひまわりの中心部にある赤い部分、これは一体何だろうか?言い表せない力強さを感じた。およそ10分ほど《ひまわり》を眺め、命の強さのようなものを感じ、《ひまわり》を描いたゴッホへ興味が湧き、他の《ひまわり》にも興味が湧いた。

世界中に散らばるひまわり

では、他の《ひまわり》はどこにあるのか?各々の《ひまわり》については、私が説明するよりも詳しく、正確に書いてくれているサイトがあるので下にリンクを貼ります。https://www.tricera.net/ja/artclip/blog727

私はこのサイトを短くまとめさせていただく。(Googleの生成AI、Bardに頼んだが、あまりうまくまとめてくれなかったので自分で書くことに。)
以下、時系列順に、X枚目のひまわり、という名称を使うことにする。
1枚目のひまわりは個人所有。2枚目のひまわりは日本にあったが、WWⅡの戦火で焼失。よって、1枚目、2枚目のひまわりは私が見に行くことはできないようだ。(個人所有の1枚目が見れることが今後あるのか?)
3枚目のひまわりはドイツのミュンヘンに、4枚目はイギリスのロンドン、ナショナルギャラリーに、5枚目はアメリカのフィラデルフィアに、6枚目はオランダのアムステルダム、ゴッホ美術館に、7枚目は日本の東京、新宿にあるそうだ。ネットで画像を見た限りでは1枚目のひまわりは色遣いが鮮やかで、構図がシンプルなので一番自分が好みだと思われる。(個人所有なのでおそらく見れない、悲しい)
私はパスポートこそ持っているが、海外へ行ったこともないしそもそも国内でも旅行をあまりしたことが無かった。(四国にあるみかんの県でずっとひっそりと暮らしていた)そんな自分が見ることのできる《ひまわり》を全部見に行くとするなら、ドイツ、イギリス、オランダ、アメリカへ飛んでいく必要があるようだ。どれぐらいお金がかかるのか想像もつかないし、筋金入りのカタカナ英語で旅先でやっていけるか不安でもある。それでも、はじめて見た《ひまわり》の感動は忘れないものだった。その感動は他の美術館を巡るきっかけとなり、私は東京の美術館へ足を運ぶようになった。何かを見て、聞いて、感じることのすばらしさを知ることができたし、自分で絵を描こうと思うようにもなった。(三日坊主どころか二日スキンヘッドぐらいのずぼらなので続いていない)自分にとって原動力となるようなものを感じた《ひまわり》をぜひとも見に行きたい。

「ゴッホと静物画」展の感想


年末年始にSOMPO美術館で開催された「ゴッホと静物画」では先程も述べたように、ゴッホの《ひまわり》と《アイリス》が二大看板として並べて展示されていた。2つの作品のために列が作られ、グッズショップにも人がずらりと並んでいた。(私は人が多いという事象があまり好みではない)平日に展示を見に行ったが、思ったより人が多く、《アイリス》は少し遠くから見ることとなった。

フィンセント・ファン・ゴッホ《アイリス》

7枚目のひまわり(日本)と同様に、花瓶に入った花と、黄色い背景という構図の絵であった。どうやら私は黄色い背景が好きなようで、この作品も良いなと思ったが、《ひまわり》ほどの感動は感じなかったようだった。(人が多かったのが嫌だった?)この展示の中で、《ひまわり》を除いて私が一番気に入った作品は、イサーク・イスラエルスの《籠の中の花》だった。

イサーク・イスラエルス《籠の中の花》

少し淡い感じだが、華やかさがありとても気にいった。(美術素人なのでコメントに正確性はなく、もちろん中身もない)

ゴッホの《ひまわり》をめぐる動向


最後に、ゴッホの《ひまわり》をめぐる最近の出来事についてまとめておく。2年前には環境活動家がロンドンのナショナルギャラリーの《ひまわり》にトマトスープのようなものを投げつけた。最近ではSOMPO美術館の《ひまわり》がナチスの迫害によって強制的に売却されたものであるとの主張で元所有者の遺族が損害賠償を求めるという動きもあった。(詳しく知りたい人は、Gogh tomato、ひまわり 訴訟、等で調べることを推奨します)

アクティブな環境活動家がもう一度トマトスープを投げつける前に《ひまわり》を見に行けという合図なのかもしれません。

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