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けふの一句/6月13日

6/8刊行、北大路翼 著「見えない傷」の掲載俳句の解説を5/20より公開中。


濡れてゐるホームの端や手毬花

通り雨のあと北鎌倉駅で下車した。紫陽花が徐々に枯れ始めたころだつたと思ふ。ホームにはちよつとした屋根が設けられてゐるが、ホームの長さと屋根の長さは必ずしも一致しない。とくに改札から離れたほうの端つこはベンチもなく風雨にさらされてゐることが多い。昔はここに灰皿があつたりした。昔といつても、わづか四、五年前の話だ。


見えない傷(春陽堂書店)
著者:北大路 翼
二〇一七年以降の作品から厳選収録。新宿の片隅から世の中を憂う第三句集。これまでの“アウトロー”とは異なる、加藤楸邨からの”本格派”の系譜。

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|この記事を書いた人

北大路 翼(きたおおじ・つばさ)
1978年5月14日、神奈川県横浜市生まれ。種田山頭火を知り、小学5年生より句作を開始。2011年、作家・石丸元章と出会い、屍派を結成。2012年、芸術公民館を現代美術家・会田誠から引き継ぎ、「砂の城」と改称。句集に『天使の涎』(第7回田中裕明賞受賞)、『時の瘡蓋』、編著に『新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」アウトロー俳句』『生き抜くための俳句塾』『半自伝的エッセイ 廃人』『見えない傷』など。新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」家元。「街」同人。砂の城城主。
Twitter:@tenshinoyodare
連絡先:shikabaneha@gmail.com

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