「手紙の時間」- 人日の節句、春の七草の手紙 -
本格的な寒さが到来してまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
冬の訪れには否が応でも自然の厳しさを感じますが
同時に、次の季節への期待を募らせる時間のように思います。
また、寒さの中においても植物は日に日に変化し、
私たちに時節の移ろいを教えてくれる存在です。
その季節感とともに、古来からさまざまに特別な日が設けられていたことは
みなさまご承知の通りです。
これまでこちらの「手紙の時間」連載にて
・上巳の節句(ひなまつり)
・端午の節句(こどもの日)
・七夕の節句
・重陽の節句
と、五節句のうちの4つをお伝えしてまいりました。
これらはそのむかし、江戸時代には幕府により公式行事として定められていた「節目の日」です。
今回は五節句のうちの残すところ1つ、
「人日の節句」の手紙をPOSTORY代表の近藤千草さんとご一緒に見てまいりたいと思います。
人日の節句とは
1月7日は七草がゆをいただく日として、覚えている方も多いのではないでしょうか。邪気を祓い、無病息災を祈り、春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)を入れたおかゆを食べる習わしです。
『君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ』(光孝天皇)
と百人一首にも収められているように、
若菜(七草)を摘み調理をするのは現代ではなかなか難しいことではありますが、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)は日頃から手に入りやすいですね。
それらを用いておなかにやさしいおかゆを作り、年末年始をお忙しく過ごした方もほっとリラックスする時間を持てたら、身体にも心にも栄養が行き渡りそうです。
そんなやさしいおかゆのように滋味溢れるお手紙を
この時期にお届けできたら素敵だなと思います。
例えばこちら。
縁起のよい宝船を贈る手紙
最初の画像でご紹介しているのは、竹久夢二による「宝船」です。
たっぷりの野菜をはこぶイメージで、宝船の絵はがきを選んでみました。
豊穣を思わせる縁起物で初春のごあいさつはいかがでしょうか。
野菜の切手
七草粥から想起して可愛らしい野菜の切手を用いてみました。
吉祥文様に想いをのせて
瑞々しい色合い、そして生命力の象徴である唐草文様のお手紙で、新しい春の空気を送ります。
お出汁の切手
おいしいお出汁をたのしむ切手として、
はいばら様同様、日本橋に所在するお出汁専門店をモチーフにした切手を選び、美味しい食卓をイメージしました。
伝統とモダンさ溢れる絵はがき
まるで雪うさぎのような、ふくふくと愛らしい玩具が描かれています。リズミカルな構図に心も浮き立つようです。
年賀状の時期を過ぎても、寒さのお見舞いにこの暖かな絵はがきは活躍してくれることでしょう。
切手も合わせてうさぎ柄にしてみました。
松竹梅をモチーフとしたちいさな主役
こちらはとっておきのメモ帳として、または外出先でお礼を伝えたい時、贈り物に添える等、様々な用途でお使いいただけます。
切り取り線が施された便箋です。きちんとしていながらもカジュアルに使用できる形状が魅力の一つです。
やさしい淡緑の紙箱に収められた愛らしい名品です。
寒中見舞いの時期
寒中見舞いは小寒、または松の内が明けてから立春までに出すのが適当とされています。(諸説ございます)
そのため1月8日から2月3日ごろまでに到着するのが望ましいです。(地域によっては1月15日までが松の内であることも。)
年賀状のお返事が遅れてしまった方、出せなかった方は、この期間に「寒中お見舞い・お伺い」としておたよりができると、
新年をより気持ちよく過ごせそうです。
もちろん、思い立ったが吉日。
手紙を出したい時、出せる時に送れるのが、
手紙を贈る最良の日なのだと思います。
最後に、寒中お見舞いの時期の文例を一部ご紹介いたします。
「あと一言添えたい時」のご参考になりましたら幸いです。
初春の手紙に添える文 一例
※ 本連載に掲載の切手は、
日本郵便株式会社において販売終了しているものを含みます。
何卒ご理解の程お願い申し上げます。
#榛原 #はいばら #手紙 #手紙の時間 #和紙 #和紙のある暮らし
#人日の節句 #七草 #冬