榛原(はいばら)は、文化3年(1806年)の創業以来、東京・日本橋の地で 二百年以上つづく和紙舗を営んでおります。 江戸期の榛原 初代佐助は、書物問屋・須原屋茂兵衛にて奉公の後 独立し、紙、墨、薬を販売しました。中でも、「雁皮紙 榛原」の暖簾が示すように、江戸の時代に豆州 熱海産の雁皮紙を売り出し、一世を風靡しました。 継承されるデザイン 幕末・明治・大正期にかけて作成された榛原の千代紙は、高度な木版摺りの技法とデザイン性により幅広く愛好されて参りました。 明治1
桃の節句にまつわる手紙 立春がすぎ、寒さはまだまだあるものの、気持ちの上では春を感じる季節になりました。POSTORY代表の近藤千草さんとおおくりする 今回の「手紙の時間」では、桃の節句にまつわる手紙をお届けしたいと思います。 桃の節句とは 桃の節句、別名ひな祭りは、雛人形を飾り、女の子の健康と幸福を祈ると同時に成長を祝う行事です。 元々は五節句の一つ「上巳の節句」にあたり、古代中国の風習が平安時代に日本に伝わり今に至ります。 現在、雛人形には様々なタイプがありますが
本格的な寒さが到来してまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 冬の訪れには否が応でも自然の厳しさを感じますが 同時に、次の季節への期待を募らせる時間のように思います。 また、寒さの中においても植物は日に日に変化し、 私たちに時節の移ろいを教えてくれる存在です。 その季節感とともに、古来からさまざまに特別な日が設けられていたことは みなさまご承知の通りです。 これまでこちらの「手紙の時間」連載にて ・上巳の節句(ひなまつり) ・端午の節句(こどもの日) ・七夕の
新しい年を祝い、そして感謝を表す年賀状 年神様を迎えて旧年の実りに感謝し、新年の豊穣を祈念するお正月は、日本人にとって最も大切な節目の一つです。 時間をかけて準備され、厳かに祝われました。 お世話になった方々との親交を温めるため、年賀状を記すことも大切なお正月迎えの支度です。 新しい年を祝い、そして感謝を表す年賀状。 清々しく、晴れやかな思いを届けませんか。 POSTORY代表の近藤千草さんとおおくりする「手紙の時間」 今回のテーマは「年賀状」です。 上の画像でご紹介
お歳暮にまつわる手紙についての後編は受け取った方が書く「お礼状」についてPOSTORY代表の近藤千草さんとおおくりします。 冬の美しい彩り、みかんの葉書 まずは一筆、すぐにお礼を伝える時にぴったりな葉書です。 文章が少なめの場合にも、親しみのある色味とみかんの図案が、和やかな雰囲気を与えてくれます。 切手は南部鉄器がモチーフのもので、お湯が沸いた時の周囲の暖かさとみかんモチーフで、冬の団欒をイメージしました。 和紙の風合いと意匠を愛でる一筆箋 葉書と封書の手紙の中庸
お歳暮とは 季節も深まり、いよいよ年末の足音が聞こえてまいりました。 1年間の感謝の気持ちを品物に代えて贈る、お歳暮の季節も間近です。 今回は、お歳暮の送付状とお礼状についてご案内いたします。 お歳暮とは、お正月の年神様へのお供物として塩鮭や数の子など、親族で持ち寄ったり、実家へ贈る習慣が、お世話になっている方へ1年間の感謝の気持ちを贈る行事に変化したものです。 直接持参することが望ましいとされていた時代もありますが、師走の名の通り、先方もお忙しいこともあり、現在はデパ
秋分を迎え、心地よい澄んだ空気と過ごしやすい気温にほっとするころとなりました。 今回、 POSTORY代表の近藤千草さんとお届けするのは、おたよりを通して秋の粧いを楽しむ内容となっております。 ご参考にしていただけますと幸いです。 山粧う季節、錦秋の手紙 最初の画像でご紹介しているのは、木版摺り ちらし便箋を使った錦秋の手紙です。 紅葉を鮮やかに写しとった便箋と封筒は、幕末の絵師・柴田是真による「榛原謹製花くらべ」を元に復刻されました。 切手は「ふるさと切手」と呼ばれ
実りの季節、敬老の日の手紙 九月は、別名を菊月といいます。 旧暦の九月に盛りを迎える菊の花に因んで、今回の POSTORY代表の近藤千草さんとお届けするコーディネートでは、どの写真にも菊の意匠が利用されています。 黄金色の稲穂に、夕月夜。 秋の風物詩は、菊花のごとく、黄色に代表されるように思います。 春の七草は食して無病息災を祝うものですが、秋の七草は見て楽しむものであるように、 季節を視覚から取り入れ大切な方に手紙を送ることは、古来愛されてきた美しい営みです。 敬老の日
菊月の手紙 9月の別名、菊月。 菊の花が咲く月として、菊咲月ともいいます。 今回は五節句の一つ、『重陽の節句』をテーマに POSTORY代表の近藤千草さんと、菊のお手紙をお届けしたいと思います。 重陽の節句とは 『重陽の節句』は長寿を祝う節句です。 奇数を縁起のよい陽の数字と捉える考え方から、 奇数の最大数の9が重なるので『重陽』と呼ばれました。 旧暦の9月は現在でいうとひと月遅い10月9日ごろになり、 菊の見頃な時期です。 五節句というとこの重陽の節句のほかに、人日
納涼の日本橋、葉月の手紙 暑い日が続きますが、立秋を過ぎると、暦の上ではもう秋。 季節のお便りも、この日を境に「残暑お見舞い」となります。 今回は、残暑見舞い にぴったりな切手と手紙のコーディネートついて、POSTORY代表の近藤千草さんとお届けいたします。 こちらは、罫線のみのはがきを用いた、すっきりとしたコーディネートです。文字だけの手紙は、言葉を伝える手紙本来の役割と、美しさを感じさせます。 (こちらのはがきは、榛原日本橋本店でのみ取り扱っています。) 残暑お
暑中見舞いとは 7月は、別名で文月。 七夕の笹飾りに、詩歌を書いて学芸の上達を願った風習から生まれた名前といわれています。 現代では、短冊を葉書や一筆箋に変えて、団扇を片手にゆったりと夏のお便りを書いてみてはいかがでしょうか。 梅雨が明けると、いよいよ夏本番です。 一年で最も暑い時期に、大切な人の安否を気遣うお便りが暑中見舞いです。 榛原でも、朝顔や金魚といった涼を呼ぶ柄の葉書を多数取り扱っています。 今回は、暑中見舞い について、POSTORY代表の近藤千草さんに教え
お中元を受け取ったらお礼状を いただいて3日以内に礼状を出すことが望ましいです。 もしそれより遅くなってしまったとしても、出来る範囲で急ぎ投函しましょう。 お中元にまつわる手紙についての後編は受け取った方が書く「お礼状」についてPOSTORY代表の近藤千草さんとおおくりします。 優しい浅葱色の夢みる葉書 軽やかで明るい浅葱色に、贈り物を受けとった嬉しい気持ちが宿る礼状に。 ゆかたの反物や半幅帯モチーフの切手が、夏の詩情をたずさえます。 七夕の風流さをまとう一筆箋風
お中元とは 季節は日毎に進み、青々と潤う木々にすこしずつ初夏の兆しを感じるようになりました。 そろそろお中元の季節がやってきます。 お中元とは、お世話になっている方に半年間の感謝の気持ちを贈る行事です。旧暦の1月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元としお供え物をする古代中国の風習が由来となっています。 この中元が日本のお盆の時期と一致したことで、先祖供養の意味もこめてお世話になった人や親戚に感謝の気持ちを込めた贈り物をする習慣が生まれ、今に至ります。 古
POSTORY代表の近藤千草さんとおおくりする 今回の「手紙の時間」は、 七夕にまつわる手紙をテーマにお届けしたいと思います。 七夕とは 7月7日に行われる星祭りの行事、七夕。 古代中国による牽牛星と織女星の星祭り伝説や、手仕事の上達を願う乞巧奠(きこうでん)の風習と、日本古来の棚機姫(たなばたつめ/神を迎えるための衣を調える姫)信仰の祭事が合結びつき成立したと言われています。 時代とともに新たな要素が加えられ、一般に普及したのは江戸時代。 さまざまな願いを短冊に託し笹
POSTORY代表の近藤千草さんとおおくりする、手紙の時間。 「父の日」をテーマとした今回のコーディネートは、 いつか、父の書斎で見かけた便箋や、原稿用紙などを使っています。 深緑の季節、父の日の手紙 お父さんに「ありがとう」を伝える父の日。 父の日は、母の日の発祥から2年後の1910年に、アメリカで生まれました。 南北戦争から復員した後、男手一つで6人の子供を育てた父を想って、ソノラ・スマート・ドットという女性が地元の教会に礼拝を依頼したことがきっかけであるといわれてい
愛しさを贈る、母の日の手紙 母の日は、アメリカで子どもたちのために公衆衛生の改善に努め、南北戦争時には敵味方問わず負傷兵を助けたアン・ジャービスの死後、娘のアンナが追悼の式典を行ったことが由来とされています。 母を労い、感謝の気持ちを伝える日として、日本でも定着しています。 この度は、母の日をテーマに、お母様や母のように愛情を注いでくださった方に贈る手紙のコーディネートを考えてみました。 メインとなるのは、榛原を代表する千代紙柄「色硝子」を雲母摺りしたカードです。 「