意味はなくともきみは在る ーキャン=ソロとの出会いー
「Here’s where the fun begins.(お楽しみのはじまりだ💖)」
おれはキャン=ソロ。盗撮犯や強盗、ときに賞金稼ぎグループを追いかける宇宙刑事だ。趣味はソロキャンプ。今日明日は休みということもあり、雲間県にあるキャンプ地”グリーンパークすきわれ”に訪れている。関越自動車道沼田ICから約25分という好アクセス、標高650mの立地だ。キャンプも仕事もそうだが、やはり人生は単独行動のほうが動きやすい。ひとり。おれほどの刑事となればひとりで殆どの職務をこなせる。独りでいい、独りで充分だ。
ガサッ🏕
「誰だ!!?(上質なランプ肉焼いてんのに!)」
『独りで生きている存在など何処を探してもおりませんよ』
「何だあんた?それに何言ってる。ソロキャンプというものはひとりでナンボだろう?」
『・・・』
「どうした?何か言ってみろ」
『現実をもっと観てください。例えばそちらの道具。オールマンのオールスターランタンにあってもその製造に関わった御方はどれほどおられるでしょう?また、貴方がこのキャンプ地へ来るための自動車や自動二輪車も然り。拓かれた山道。天候の報道。通信機器。持ち込まれたそのハードクーラーに入っている牛肉やBEERとて、あらゆる人や自然発生の恵みからカタチとして今、貴方の目の前にあるのではないでしょうか。原料、加工、開発、流通、販促、購入まで📱』
「・・そ、そりゃそうだが💧」
『もちろん貴方がそうだとは申しませんが、自分独りだけのチカラで生きている、などとエゴを強め、己だけが満たされることをどんどんすれば幸せになれると錯覚し、我欲に溺れておればいずれ世界から気づかされます。貴方の掴んでいる観念をみせられる。聖心ではないものに執着してますよ、ハートで行為できてませんよ。他者も環境もまたすべてあなたなのですよ、と。考えず、感じるだけでよいのです。やがて貴方ご自身が完璧な流れの中にいることを認識するでしょう。その純粋なる中心によって』
「純粋な中心・・」
『感謝や愛というものは、その行為をしようとせずとも貴方のその中心からもう溢れているもの。私の故郷ではそれをこう表現します。”無理に誰かを愛そうとする必要などない。意味はなくともきみは在る。すべての原因と結果は愛なのだから”、と』
「?・・あんた一体何もんなんだ!?」
『サン。毛ナイマスターのマスター・サン。またの名をオジ=サン・毛ノービと申します👏』
「毛ナイ?ハッハッハ!面白い。そりゃおとぎ噺の中だけの空想キャラだろう。毛ナイなんていない。ヴォーズという不思議なチカラを使えたらしいが、遥か昔に滅んだと聞く。UMAや縄文人のようなものだ」
『滅びた。確かに今の貴方からみればそのように思われるでしょう。死を迎え、肉体が無くなればそれで完全に消えてしまったかのように思う。どのように考えようと世界は貴方の思い通りですが、事実では消えておらず、その縄文人たちやあらゆる先人は”いまここ”において存在しているのです』
「わけのわからんことを。いいか?おれは自分の目で見たものしか信じない。おれは、自分の運命は自分で切り開く!」
『仰る通り、もう開いてます』
「は??😧❓」
『天上天下唯我独尊。吾当安此。ヒトの尊き命、ヒトの尊き目的。本質では貴方と釈迦にまったく違いはありません。すなわち、ヒトであれば誰もがこの世界にいながら、至福へとなれます。カラダひとつあれば。さらに云うなら既にそれ。ただ・・』
「ただ?・・ただ、何だ?」
『自身がその栄光に満ちた存在であることを忘れ、この世界の何かと自身を同一化してしまっていること、それがここでの苦しみの原因となっていると云えます』
「・・・・・」
「ふん。意味がわからんね。怪しい勧誘ならお断りだ。あっちへ行ってくれ。BEERがぬるくなっちまう」
『”こんなことをする為に生まれたのだろうか?”と思ったことは?』
「ドキッ‼😳」
『”人生とは一体何なのだろう?”と思ったことは?』
「ドドキッ‼😳」
『独りも、ひと時なら良いかもしれません。それでも誰かが気に入らないからと俗世間を避け、立てこもり犯を確保するべき者がひきこもりとなる。やがて抑圧された感情は暴発。或いは妄想が暴走して宇宙刑事が宇宙犯罪をやってしまう。腰のピストルを使わないのはよろしいが、その生まれもったピストルは使い方を誤ると非常に危険だ💜🙈』
「ちょ💦ちょ待てーいっ!!妄想が暴走してんのはどっちだ?おい😱」
『あはは!冗談です。ただ、貴方が何処へ行こうと世界は貴方の内側にあります。つまり世界と対面しない限り、”本当の自己ではないもの”を知ることはできないということは冗談抜きで申し伝えさせていただきます👏✨』
「・・本当の自己じゃないもの?・・あんたのいう至福と関係が?」
『至福は愛とも呼べますが、それらは霊的なものです。そもそも我々は人間ですから。霊主体従。主は霊であり、愛であり、エネルギー。目に見えぬものこそ大切であることはかの有名な小説、”星の王子さま”ですら表現しております』
大人は誰もはじめは赤子だった。
犯罪者など実在するのだろうか。
すべて赦されている世界に。
彼、彼女らは単に
社会的観念の犠牲者ではないだろうか。
誕生したときは誰もがすべて、
純粋無垢なる存在だったのだから。
ーこいつは馬鹿だ。
ーあいつは悪い奴だ。
ーおれのほうが優れている。
ー何もわかってくれない。
あなたは一体いつから、
人を裁けるほどの
偉い存在になったのか。
すべては私であり、
世界には私しかいない。
すでに一者であり完全である。
すでにあらゆることが完全である。
それでもここではこのような記事を書かねばならない。
その身体を動かしているのはあなたではない。
まったく神の冗談だ。
本当のあなたとは、
すべてでありながら
すべてを放棄したものなのだから。
本当のあなたはいまこの時も、
純粋無垢であり、
充たされた実在そのものである。
意味付けは私に委ねよう。
残念ながら言葉はいつも不完全だ。
独り。でなく、ひとつ。
すべての私と在る実在の世界に。
「見えないもの。心のことか」
『・・。先ほどのお話しに戻りますが、すべて自然からの恵みにより見えないところでそのお身体も毎瞬作られているでしょう?とはいえ、今の貴方には霊や愛などという戯言などまさにおとぎ噺。また、現在の貴方の仰る心も本当のあなたではなく、観念の結果にすぎないものです』
「な、んだと・・?・・れ、霊など信じるものか!」
『どちらでも♡貴方には貴方の目的もございます。ですが、変化だけの世界において目的がいつまでも同じとは限らない。もし、この先で貴方が宇宙軽視でなく宇宙刑事としての能力を、人間の真価を発揮させねばならぬ程に進化が必要な際は思い出してください。意識をそちらへ向ければ実在となりましょう。実在の確率はすでに100%ですが💞』
「Never tell me the odds!.(確率なんてクソくらえだ!)」
『・・・。”おれは宇宙刑事キャン=ソロだ!”というプライドは実在を感じる際には邪魔をしましょう。頭の貴方が言う”私は神だ”は真実じゃない。変化する言葉はいつも不完全。あらゆるものを超越したところ。完全完璧なそこに貴方は在るのですから✨』
「???」
『あなたが気づけば、その眼前に広がるものすべてはあなたです。冗談抜きであなたはここに生きているだけでもう奇跡の存在なのですよ。あなたが在るからそこに世界は在るのです。思考と聖心との分離を』
「すでにひとつ・・じゃないのか?なぜ分離を?」
『在るに分離はありません。ですが在るを忘れた化身であるあなたならば、あなたの内面で分離させねばなりません』
「完全を忘れた化身?」
『おとぎ噺。誰もが分かれているようにみえる道もすべてはひとつのおとぎ噺。どのように道を歩まれようとも全ての私の自由ですが、あなたはいつかこう言うでしょう。”おれはおとぎ噺そのものにいた”と』
「・・・」
『すべては愛だと気づきませんか。すべては目の前にあると気づきませんか。生まれた瞬間にもうあなたはすべてだったのです。その身体は地球からのモノにより創られている。さらには地球もまた他の星あっての自立を。人は地球の細胞であり、地球も宇宙の細胞と云えましょう。それでは人間とは一体どこまでを人間と呼ぶのでしょう。現在、貴方が既成概念で決めつけている人間とは身体の内と外を境に定義されているだけではありませんか?そのカラダの中心へ向かうとき、貴方は目に見えるもの見えぬものすべてを想い、生まれてきたことへの賞賛を惜しむことはないでしょう。世界を観、あなたが美しいと感じたのなら、あなたはあなた自身を褒め讃えたのです✨』
そう言い残すと奴は消えた。
まるで奴の云う、霊の如く。
おれは時が経つのを忘れるほど、
いま起きた事象に対し呆然と立ち尽くしていた。
「ひょっとするとおれは、キャンプ道具ばかりにムチュウになり、大切な何かを見落としていたのかもしれない。毛ナイ、マスター・サン。・・Sun?Saint?son?ジュニア?まさか、生まれもったピストルじゃないよな🤣」
まだこの時のおれは、毛ナイマスターの奴が云っていた実在の中心力を目にする日が来るとは夢にも思ってなかった。
とりあえずもっと視野を広げ、あらゆる人やモノに生かされていることに感謝しよう💚
キャン=ソロとの出会い
完