プライドから瞬間移動 ブライトな遊覧飛行
『神野 鼓太郎?』
「ええ。なんか情シス課の人間らしいんスけどね。ウチくる前はかなり年収高いトコにいたらしいっスよ。なんでウチに転職したのかナゾですよね」
『・・へぇ』
亘理の話を聞きながら、私は死んだ親父のことを想い出していたー。
まだ私も小さかった頃なので明確な記憶はないが、親父もそこそこ稼いでいたはずの会社をある日突然たたんだらしい。母の天葉の話しによると、何ら前触れもなく廃業したものだから、当時かなり怒ったと母は少しムスッとした顔で言い放っていた。それからうちはごく平凡な家庭環境になったようだ。
いつの日だったか。
親父にこの話しを聞くとエロエロと笑いながらこう答えた。
「みんなのおかげでプライドに飽きたからだ」と。
ひょっとすると神野さんもジブンに戻りはじめたのかもしれない。会うことがあれば、瞳をみてみよう。聖心が輝いているならすぐにわかる。色即是空のどこを生きているかがー。
「恩地さん、そういえば以前”在る”について話してくれましたよね」
『・・ああ。どうした?』
「何もしないって最初は”?”だったんスけど、行動を止めるとかじゃなく、アタマでなく聖心に聴いて動くってことだったんスね。最近ようやく理解しましたよ」
『ははは。さきほどの神野さんも真ん中で動いただけかもよ』
「・・・あ!そういうことスか✨聖心に従っただけなんだ」
『そうそう。聖心の歓びさ』
「ハートが歓んでいない時間が長かった・・。オレ、今はそんな風におもっちゃってます」
『気にするなって。学びのために必要なすべてだったのさ』
聖心が輝いていないなら。
聖心が歓んでいないなら。
あなた自身を観てみよう。
世界にはなんら意味はない。
世界にはなんら問題はない。
あなたの掴んでいる観念だけが問題だ。
それをよぉ~く熟考するといい。
何かが気に入らないのなら。
あなたが意味を与えなければいい。
あなたが何も考えなければ。
世界はただありのままに存在している。
あなたの観念があなたに返ってくることもなくなるだろう。
あなたがあなたを縛っている。
あなたが世界を縛っている。
世界があなたを縛っているんじゃない。
観念の浄化。
在る。
つまり、自分を知ることは一日二日でどうにかなるものじゃない。自分だと思い込んでいたものをすべて解体する必要があるからだ。手放していく。精神を。想念を。身体を。観念を。思考を。感情を。自分を。そのために人生という長い旅が存在している。すべてはあなたのために。
それでもいまここに。あのヤンチャだった亘理が真ん中で観えてる。ただ在るだけでその鏡についた汚れを落とせば、ホンモノのあなたは必然と映し出される。
ふと、親父のコエがした。
「陰陽太極図はたしかに終わることなき変化を現している。だがよくみればそれは”何か”に包まれていることに気づくだろう。その”何か”とはすべての私でありあなたのことじゃ。真ん中だけで照らしてごらん。白も黒も消え去るから。そのトキ、世界もあなたも解放される。あらゆる問題は消滅する。神の子である在るによって」
🎵ふらふらプライド あぷあぷアウト
今日もあの子とフライドポテト
ぶらぶらブライト らぶらぶナイト
今日も秘め事 フライト桃源郷🎵
『何だよ、父さんその歌』
「我は在るものなり。だが神は”ワレは”とか”私は”とは決していわない」
『?』
「ははは!体験はすべてジョークじゃよ。だが、真理はひとつだ。それだけが人間を完全に自由にする。これはジョークなんかじゃない」
私は親父のコエを聴きながら、中心で亘理の現在を讃えていた。思考から真ん中へ戻った彼をー。
ある日。
会社の階段で神野 鼓太郎と書かれた社員証を首から下げた彼をみかけたー。
その瞳は美しく輝き、
真実の光に満ちていた。
まるで。
この世界のように🌍✨
マガジン、宇宙ライフシリーズ第六部。
『太陽と世晴れて』
これにて、8話/16話完結です。
全体の半分。
ジブンに戻る段階にある御方に。
空に戻る段階にある御方に。
もともとソレな世界なのに、
段階というのも可笑しな表現ではありますが。
すべてよし。
ということで😊
拈華微笑。
愛ゆえに愛が愛に愛という光を・・。 あなたにいつも拈華微笑💖