夏の終わり
外は、すっかり明るくなっていた。
その日バーで知り合った女を、俺は部屋に連れて帰った。
ぽっちゃりとした、胸の大きな女だ。
部屋に着くとすぐにキスをして、舌を絡ませ合った。上着をたくしあげ乳房を吸うと、女はフローリングの床に腰を落とした。
俺がベッドに誘うと、ここでいい、と言うので、そのままジーンズと下着を脱がした。
薄い恥毛の奥へ手をのばし、指を一本、二本と挿れて動かす。女は声をあげ、少しすると叫びながらガクガクと痙攣した。
床に、水たまりができていた。
こうなることがわかっていたから、女はここでいいと言ったのかもしれない。
女が四つん這いになり、俺を求めてきた。
しかし、飲み過ぎたせいもあり俺のものは役に立たない。
その後はよく憶えていないが、気がつくと、俺はベッドに横になっていた。
上半身はTシャツ、下半身は裸だった。
ギリギリと音がした。
横になったまま顔を向けると、女が床にあお向けになって寝ていた。
俺と同様、下半身だけ裸である。ギリギリという音は、女の歯ぎしりだった。
――玄関前でひっくり返ってる蝉みたいだな。
思いながら、俺は再び眼を閉じた。