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#6 【読書感想文】はじめての沖縄


「よりみちパン!セ」復活第一弾として発売された『はじめての沖縄


著者は社会学者だが、この本は専門書ではなくエッセイとして書かれているので、サラリと読み進めることができる。

二十代の頃、沖縄に恋い焦がれてしまった著者。
なんども沖縄を訪れ、ついには研究者として沖縄に通うこととなる。

沖縄とはなにか、沖縄に生まれ育った人々と日本本土で暮らす私たちの間に存在する深い境界線とは、境界線を飛び越えることは可能なのか、と、読者に何度も何度も問いかけてくる。

ナイチャーとして沖縄の調査を続けると、自分は誰だろう、どこに立って、どちらを向いて、どこに話しかけているのだろうと問い直さざるをえない

はじめての沖縄(岸政彦/新曜社)より


戦中・戦後の沖縄について、教科書レベルの知識で知ってはいるが、わたしの中では沖縄=観光地のイメージが強い。
読み進めていくにつれ、沖縄の奥深さや地域性を強烈に感じ、沖縄の地に住む人たちにも日常生活があるという当たり前の事に気づかされる。

普段の生活の中で、「立場性」だったり「境界線」を意識する事はほとんどない。
けれども無意識の中で「わたし」と「あなた」を意識しながら生きている。
境界を超え「あなた」に寄り添っていると自認しているけれども、実は「わたし」の立場から一歩も出ておらず、寄り添っていると思い込んでいるだけなのかもしれない。
そんな事を考えさせられる読書だった。

沖縄を訪れたことがない人はもちろん、仕事や観光で何度も沖縄を訪れたことがある人にもぜひ読んでほしい、知ってほしい沖縄が書かれていると感じた。

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はころく
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