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総合商社、Amazonを経てハコベルへ。目標は「ハコベルに第三の事業の柱を立ち上げる」

 ハコベルでは2024年4月、事業をよりエッセンシャルなインフラへと成長させるため事業企画部を設置、北村 尚夫が部長に就任しました。メジャー企業での多彩な経歴を持ち満を持してハコベルへ。その背景や想いに迫ります。

事業統括本部  事業企画部長
北村 尚夫 Hisao Kitamura
2011年に三菱商事株式会社に入社、生活産業グループ管理部を経て主に調査部にて経済・産業調査に従事。2017年からアマゾンジャパン合同会社のリテール部門にてPC、モニター等家電機器の事業責任者、プロダクトマネージャーとして従事。2022年からアマゾンウェブサービスジャパン合同会社ISV/SaaS営業本部 部長として従事。ハコベルには2024年4月から事業企画部長として参画。2022年コーネル大学経営大学院(Cornell Tech MBA)卒

顧客目線と高い解像度の飽くなき追求。これまでの経験を総動員してより良いサービス提供を目指す

—— 北村さんの現在のお仕事内容を教えてください。

 事業企画部にて部長を務めています。事業企画部には大きく2つの仕事があり、ひとつは「ハコベルサポーターズプログラム」のように、ハコベル会員である運送会社様、個人事業主様へ向けた事業運営のご支援をするなど、他社様と連携して付加価値のご提供を目指すものです。そしてもうひとつは、新たな事業の種を見つけ、将来的に事業化していくことを目指すものになります。こちらに関しては、本当にさまざまな企業様とお会いさせて頂いており、弊社からアイデアをご提案をさせて頂くケースもあれば、弊社事業にご興味を持って頂きお声掛け頂くケースもございます。また、リサーチ目的で社外の方々とお話させて頂く機会も多く、日々多業種の方々と接点を持たせて頂いております。
 
 そうした数多くの多様な企業様といろいろなお取り組みをさせて頂く私の仕事柄、日ごろから他事業部とのコミュニケーションを多く持ち、巻き込みながら新しい付加価値の出し方を常に議論しています。ハコベルには物流の現場経験が豊富な方から、まったく畑違いの業種出身の方までさまざまなバックグラウンドのかたがいるので、いろんなアイデアを交換しています。

 私自身は2024年4月の入社であり、前職も物流業界ではないため、キャッチアップするために荷主様、運送会社様や個人事業主の方々への解像度を高めることを大切にしています。
 たとえば、軽貨物のドライバー様の車に横乗りさせて頂き、1日一緒に行動させて頂きます。横乗りの目的は、仮説として浮かび上がった困りごとが本当に現場で困りごとなのか、を理解することです。

 その日1日の案件それぞれの特徴や現場での動き方、少し細かいですが携帯でどんなアプリを使っているのか等、そうした情報の積み重ねから得られるインサイトは、デスクで仕事をすることとは比べ物にならないほど多いです。また、一日横乗りさせて頂く中で、プライベートなことから仕事のことまで幅広くいろんなお話をさせて頂き、思わぬ困りごとや、事業のヒントが出てくることもあります。横乗りだけでなく運送法人様の事務所にお邪魔させて頂くことももちろんあります。どんなふうに日々の業務をなさっているのかを観察したり、お話を伺いながら、真の困りごとは何かを探っています。

 皆さまがどういったところにお困りなのか、求められていることは何か、我々ハコベルとしてご提供できていないこととは?といった観点から、優先順位をつけて対応しています。サポーターズプログラムも新規事業もまだまだという状況ですが、日々少しでもステークホルダーの皆様のお役に立てるよう取り組んでいます。

—— ありがとうございます。まずは丁寧に深く、状況や情報、認識を深めることから開始なさってきたのですね。そうしたアプローチはこれまでのご経験の影響もありますか。

 経歴としては、新卒で入社した三菱商事では食品流通の管理部で財務経理、税務の対応や連結予決算対応から始まり、3年目に調査部という部署に異動しました。 経済調査、各国の経済成長率や地政学リスクの分析、資源価格見通しの作成等の業務をしていました。パキスタンへの赴任やシンクタンクへの出向等を経て、分析系のバックグラウンドを持ちつつあったので、それらを活かして事業を自分の手でマネージする経験を積んでみたいと思っていました。

 そう思っていたなか、データドリヴンな意思決定ができ、事業運営経験も積め、ピープルマネジメントの経験も積めそうだ、という期待からAmazonジャパンに転じました。また、高い顧客満足度を維持しながら事業を運営しているオペレーションはもちろん、Amazonという仕組みやメカニズムについて非常に興味がありました。会社としてLeadership Principlesという行動原則が非常にユニークな点も魅力に感じました。

 Amazonでの経験が現在の仕事のアプローチにつながっているのだと思いますし、これまでのすべての経験を総動員して良いサービスを生み出したいと思っています。

三菱商事、Amazonともハコベルは変わらない。企業規模ではなく本質的な価値提供の仕組みに着目

—— そうしたご経験を経て、前職までとハコベルはさまざまな違いがありますが、ハコベルに転職を決めた理由はなんだったのでしょうか。

 まず事業として実は、そんなに自分のこれまでやってきたことと遠くないと思ったのが理由のひとつです。たとえば、商社も元々の生業は「買い手と売り手の間に入り、そこで付加価値を提供することに対価を頂戴する」というものです。Amazonにしても同様で、消費者と供給するサプライヤーがいて、お客様の目線でモノを調達し可能な限りお求めやすくご提供することでお客様の体験価値を最大化する事業です。そう考えると、結局なにかとなにかの間に入って、仲介することによって付加価値を提供するという意味では、ハコベルと商社もAmazonも、大きくやっていることに変わりはない、と感じています。

 荷主様のお声であったり、運送会社様、個人事業主様のお声にしっかり耳を傾けることで、両者に喜ばれたり体験がよくなるようなかたちでサービスをご提供するわけですから、本質的な違いはないと考えています。

 そのうえでハコベルがSaaSの事業を持っていることは非常にユニークなことです。運送手配事業のみならず特に荷主様向けにSaaSを提供しており、こうした多様なサービスによってハコベルとしての付加価値を最大化していくことができていることは、大変な強みと感じています。SaaSとマッチング、いずれかにとどまらないというのはすごく面白いと思い、強く興味を持ちました。

 さらに言えば、元ドライバーで現場解像度の高い石川さんがいて、事業を立ち上げた宮武さんがいて、オペレーションに強みを持つ田島さんがいる。そして強力なリーダーシップを奮う狭間さんがいて、面接を受けていても非常にユニークで強力な経営陣だと思いました。それぞれ違う強さを持っていることは面白みでもあり、とても魅力的に感じられました。 

—— そうなのですね。企業規模や認知度において環境としては違いがありますが、それらも大きな問題ではなかったわけですね。

 そんなに違和感やギャップは感じません。むしろいろんなプロセスが整理されていないことがあったとしても、それは問題ではなく当たり前だと思います。最初は何でも人力で対応し、スケールが必要な段階になれば仕組み化していく、というのは如何なるサイズの企業でも共通と思うので、最初から仕組み化されていたりオペレーションが完璧に整備されている組織はまず存在しないはずです。とはいえ、ハコベルは恵まれていて、ラクスル社からの分社ゆえにある程度プロセスやオペレーションは整っていますし、事業のフェーズが進んでいくにつれ必要な整備がされていくでしょう。私はみんなでまさにつくりあげていく、考えていくというプロセスを楽しみたいと思っていますから、そういう意味で違和感もなく想像どおりでした。

 また、ハコベルは経営陣だけでなく、デジタル化を推進することで本当に業界が良くなることを信じているかたたちが非常に多い会社です。社会的意義や大義を感じて仕事をするということは重要なことだと思っていて、自分たちがやっていることが正しくないのではないか、と立ち止まって考える必要がないくらい、自分たちのサービスの必要性や、それによる社会的インパクト、社会的な貢献があるとみんなが思えている状態が、組織としての強い推進力を生み出していると思います。これは非常に素晴らしいことです。

実行し切ることに重きを置く会社。それが地に足のついた成長を遂げる力

—— ハコベルのビジネスについてはどのようにキャッチアップしていかれましたか。

 既存事業部の研修を受けつつ、仕事をしながら学んでいくというのが大きいです。私は会社の説明をする機会が業務柄とても多いのですが、そのなかで自分の説明の拙さを感じる瞬間があります。そうすると関連する部署のかたに「これってこういう理解で合っていますか?」と質問し、積極的に解決していくという姿勢が必要かなと思いますね。

 マッチングサービスにしろ物流DXサービスにしろ、お客様のお声をきちんと聞いて、「どういうところにペインを感じているのか」や、「どういった機能改善が必要なのか」というペインを把握していくことが必要です。

—— ハコベルの企業風土やカルチャーについてはどのようなご感想ですか。
 ハコベルの目指す世界を実現するためには、着実に一歩ずつ歩みを進めていくことが必要で、地に足がついたことをしている会社だという印象を持っています。誤解を恐れずに言えばそこまでキラキラしたスタートアップとは言えないかもしれません(笑)。換言すると、立てた計画を実行し切ることに対して強いこだわりのある組織なのだと思います。


—— 北村さんがこれから実現していきたいことをお聞かせください。また、ご自身のように大手企業からスタートアップを目指すかたへ、面白さやだいご味も教えてください。

 冒頭の方でもお話しましたが、事業の三本目の柱をつくることが目標です。詳細は伏せますが、ハコベルの提供価値を最大化し、ステークホルダーの皆さまの付加価値になるサービス開発を目指しています。

 ハコベルサポーターズプログラムにおいては、インフレや2024年問題等の外部環境変化の仲、運送事業者様に対するコスト削減や事業支援は課題として非常に大きいと改めて感じており、既存のサービスをサポーター企業様と共に推進していきながら、より必要となるサービスを拡充させてまいります。



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