有能な営業マンは小説家になる
ハチロウです。
もう15年以上前のこと。
僕はとあるメーカーで、営業マンをしていました。
僕はその会社で、有能な営業マンは小説がうまいということを、教わりました。
その会社には、ロック先輩という人がいました。
ロック先輩はとても仕事ができる人で、僕はロック先輩からたくさん仕事を教えてもらいました。
そのロック先輩は、四国全域を担当でした。
毎週ミーティングのある月曜日だけ出勤で、それ以外はずっと四国に出張でした。
そんなに出張ばっかりなんて、ロック先輩は大変だな~といつも思っていました。
そしてある月曜の朝、ロック先輩が一週間分の日報を書いています。その会社の日報は、webで共有されていて、みんなが読むことができます。
「ロック先輩の日報、すごいですね!!!
1日7件も取引先を訪問しているじゃないですか!しかも1件1件すごく詳細な報告!
僕なんかがんばって1日3件くらいだし、取引先に行っても忙しいとかいわれてなんにも話せないから、2,3行しか書けないですよ!
どうやったらこんなに取引先と仲良くなって、いろんな情報を集められるんですか!?」
すると、ロック先輩は答えました。
「オレな、小説好きやねん」
「え?ああ、僕も小説好きですよ。いや~、それにしても本当にすごいですよ。そもそも1日7件も回れるのがすごい!
やっぱり営業って体力が大事なんですかね~。いや、体力以前に時間管理がうまいんでしょうね。どうやって7件も回ってるんですか?」
「だからさ~。オレ、むかし小説家になりたかってん」
「ああ、そうなんですか。まあ確かにあこがれの仕事ですよね。でも、営業でこれだけ優秀なのなら、今の仕事についてよかったじゃないですか。
1日7件も回って、しかもこんなに詳細な報告書かけるなんて、なかなか他にいないですよ。全国でもトップクラスの日報なんじゃないですか?」
「ちょっとトイレ行ってくるわ~」
ロック先輩がトイレに行った後、僕の携帯にメールが入りました。
そこにはこう書かれていました。
「だから、全部小説やっていってるやん!あんな日報、全部ウソ!全部捏造して書いてるの!
今週はうどん屋めぐりして、ビジネスホテルで3DSのドラクエしてただけ!取引先なんて1件も行ってないの!会話の流れでわかってくれよ!!
所長もマネージャーもすぐそばにおるのに、そんな話題出さんといてくれよ!」
そして、次の日から、僕も小説家になりました。
この話の本当度。60%。
ロック先輩がどこ担当だったかよく覚えていない。あと何のゲームやってたのかもよく覚えていない。
まあ15年位前の話だから、さすがにもう時効でしょ。
サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!