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44.あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた【アランナ コリン】

※本記事はAmazonアソシエイトに参加しています。
画像や表、例え話が無く一部分かりにくい箇所があります。
その際は「フェルミ漫画大学」さんの動画をご視聴ください。


「あなたの体は9割が細菌」授業開始!!

近年は「21世紀病」の人が増えている

21世紀病:アトピー・花粉症・お腹が弱い・アレルギー・うつ病・肥満などの症状

これらは私たちにとってはもう普通のことになってしまった病気だが、実は体質の問題ではない

実際にこれの病気が爆発的に増えたのはここ60年の話
それまではこれほどアトピー患者や肥満の人の数は多くなかった

✅実は私たちの21世紀病の原因は、腸内に存在する100兆個もの微生物

これらの微生物のバランスが悪くなることによって、様々な病気が引き起こされていることがわかっている

私たちはこの微生物と協力することで健康的に生きていられる。しかし近年そのバランスが崩れて病気が増えている

今回の授業を受ければ、食生活を見直して健康的な人生を送るきっかけになるだろう

人の体は9割が微生物(細菌)でできている

私たちの腸内には100兆個、重さにして1.5キロの微生物や細菌が住んでいる

ちなみに便の中身は75%が微生物や細菌で、食物繊維のカスは17%しかない
➡私たちが生まれた時から微生物は体に住み着いていて肌や腎臓、胃腸などいろんな場所で私たちを守ってくれている

そんな微生物たちにとって、私たちの体は一つの惑星のようなもの
なんとかこの身体を植民地として、微生物は生き延びたいと考えている

生き物は全部そう。ハエだろうとクジラだろうと動物の体内や微生物が大量に住んでいて、動物は微生物と協力して生きている

例:パンダは本来肉食で、笹を消化することができない。それでもパンダが笹を食べて生きていられるのは、植物を消化吸収する微生物のおかげ。もし微生物がいなかったらパンダは絶滅していただろう

✅微生物と生物は協力して生きている。私たち人間も同じ

私たちの体内に微生物がいなければ食べ物を消化吸収することはできないし、脳の働きに不可欠なビタミンを自動で作ってくれることはなかった

私たちは意識していないかもしれないが、このからだのほとんどはこの微生物のおかげで維持できている

ちなみに私たちの細胞1個につき、微生物たちは9個存在している
➡だから「私たちの体の9割は微生物でできている」と言ってもいい

だから私たちの体は私たちのものというより、むしろ微生物のもの
まずは「私たちは大量の微生物と共に生きている」ということを理解しよう

腸の状態が性格や行動、病気まで決める

2500年前に医学の父と呼ばれたヒポクラテス先生は「すべての病気は腸から始まる」と考えていた

ヒポクラテスは腸の機能や構造については何も知らなかったし、腸に1兆個の微生物がいることも知らなかったが、当時から何かを感じ取っていた。そしてその直感は正しかった

最新の研究で腸内の微生物の状態が健康状態を左右するだけでなく、私たちの性格や行動、病気にまで大きく影響を及ぼしていることがわかった

✅腸内の微生物が弱くなると下痢をしたりアレルギーが出たり、肥満やうつ病、強迫性障害、自閉症などの病気になりやすくなる
➡21世紀病

自閉症に関しては1960年には「2500人に1人」が発症する程度の病気だった
しかし2020年には「30人に1人」の子どもが自閉症になっている
過敏性腸症候群もアトピーの患者数も増加し続けている
すべて腸の微生物が弱くなったことが原因

「今日何を考えて、どこに行き、誰と会いたいと思うのかもすべて、腸の微生物の状態が影響を与えている」とこの本に書かれている
➡腸の状態でその日1日の気分が決まる

腸が「第二の脳」と呼ばれることからも分かる通り、腸と脳は深いところで繋がっている

お腹が痛くて下痢だったら誰だって不機嫌になる。逆にお腹の調子がいいと気分や機嫌も良くなる。好きな女の子に告白するなら絶対にお腹の調子がいい日がいい

腸の微生物の状態が病気だけでなく、考え方や行動にまで影響を与えることを覚えておいてほしい

抗生物質を飲んではいけない

こうした病気はここ60年くらいで爆発的に増えた
その主な原因は「抗生物質の飲み過ぎ」

生き物は抗生物質によってポリオやチフス、インフルエンザなどの感染症から人類は生き延びることができた

抗生物質のおかげで平均寿命は延び、感染症で死ぬことも少なくなった
だが抗生物質にはデメリットもあった

それは抗生物質によって「悪い細菌だけでなく味方の細菌まで殺菌してしまうこと」だった

✅悪い細菌を倒すための抗生物質によって、いい細菌も倒してしまった

抗生物質は私たちの体に住み着いている微生物たちにとっては、爆弾みたいなもの

この強力な抗生物質によって感染症は直せたが、その代わりに腸内の良い微生物も消えてしまうことで腸内のバランスが崩れて21世紀病が出てきてしまった

ちなみに2歳になるまでに抗生物質の治療を受けた子どもは喘息やアトピー、花粉症を発症する確率が、そうでない子供と比べて2倍も高くなることが分かっている

誤解がないようにもう一度言うが、抗生物質が100%悪いわけではない。感染症から身を守ってくれるから

だがみんな簡単に抗生物質を飲み過ぎて腸内の微生物が弱くなり、21世紀病に悩まされる可能性が高くなっている

抗生物質にはメリットもあれば、デメリットもある

むやみに殺菌・消毒してはいけない

腸だけでなく皮膚など、私たちの体にはいたる所に微生物がいる

その微生物のおかげで肌の状態が保たれているということは、あんまりアルコール消毒やハンドソープなどで肌を殺菌しすぎてはいけないことがわかる

いい菌もいれば悪い菌もいるんだから、むやみに殺菌してはいけない

✅ほんの少しの悪い菌のために、良い菌まで殺菌されてしまっている

この本では「体を洗いすぎだし、洗剤もシャンプーも石鹸も使う必要はない」と書かれている

その代わりに「抗菌剤の含まれていない優しい石鹸と温水で洗えばいい」と書かれている

殺菌のやり過ぎは毒

加工食品を食べるな

抗生物質や殺菌以外にも私たちが気を配るべきなのが「食べ物」

✅今では100年前と違って、食べ物のほとんどがビニール袋に入れられ、添加物や合成保存料によって、信じられないくらい日持ちさせられた加工食品が溢れかえっている

料理する暇もないくらい忙しい人の為にファストフードや総菜店が並び、ピザ・パスタ・肉・シリアル・スナック菓子などあらゆる食べ物が化学薬品に頼って効率よく生産されている

肉にも家畜の成長促進剤として抗生物質が使用されている

近年では家畜に抗生物質を使うことが禁止されているところも増えている

ちなみに抗生物質を使われた家畜の糞を肥料にして野菜や穀物が育てられ、野菜には農薬が使われている
➡そしてその食べ物を私たちが食べている

つまりなにかしらの形で、私たちは抗生物質を含んだ食べ物を食べている可能性が高いということ

それによって腸内の微生物のバランスが崩れて、ここ60年で爆発的に21世紀病が増えている

ここまで来たらもう防ぎきれない
今後食事はもっと清潔で化学薬品にまみれていくだろう

だがそのおかげで大量の食べ物が手に入っているんだから、これも一長一短
だが今後もアトピーや花粉症の患者どんどん増え続けるだろう

食物繊維を摂ろう

そんな世界で私たちはどうすれば健康でいられるのか
そのカギは「食物繊維を摂ること」
食物繊維は野菜や玄米などに含まれている
十分な食物繊維を取ることで、腸内細菌に餌を提供することができる
つまり「自分の腸内細菌を育てる」ことができる

ちなみに1940年には1人当たり1日に70グラムの食物繊維を摂取していたが、2000年には1日たったの27グラムしか食物繊維を取らなくなってしまった

実際に食物繊維が少ないと肥満や2型糖尿病、心臓病、うつ病や自閉症などの心の病をおこす可能性が高いことが分かってきている

✅弱っている腸内細菌を増やすために、食物繊維を食べる/1日約70グラムの食物繊維を目標に増やしていくと良い

だが保存料と砂糖が大量に入ったシリアルやスナックから食物繊維を摂るのではなく、ナッツや玄米、ライ麦パンなどから摂っていくのがいい

白米を玄米に変えるなどの、自分に出来る範囲から変えてみよう

ヨーグルトはそこまで聞かない/治療法として「糞便移植」がオススメ

腸内の微生物の状態が良ければ、前向きな性格や行動力が身について病気になりにくい

「腸内細菌を育てる」と聞くとやはりヨーグルトを思い浮かべる人もいるだろう
ヨーグルトは一部の人には効果がある。だが過度の期待はしない方がいい。

✅実際に過敏性腸症候群の人がヨーグルトを食べても、回復できないことがほとんど

なぜならヨーグルトに含まれる細菌の数は100億個ほどだが、腸内細菌は100兆個もある
それに腸内細菌は種類も豊富なので、ヨーグルトに含まれる限られた細菌が腸内に大きな影響を与えることは難しい

しかし方法はある。それが健康な人の糞を移植する「糞便移植」という方法

実際にこの糞便移植によって、胃腸が弱い人が回復したケースは数多くある

✅ヨーグルトよりも健康的な人の腸内細菌を取り入れた方が話が早い

しかし糞便移植は誰のものでもいいというわけではなく「過去に抗生物質の治療を受けていない」という厳しい条件や、自分に合う理想の腸内環境を持っている人を探さなければならない

日本だと15万円ほどで受けることが出来るから「お腹が弱すぎて生活できない」という人は糞便移植を受けてみるのもひとつの手

粉ミルクを赤ちゃんに与えてはいけない

私たちが生まれてから一番初めに口にする殺菌された食べ物が「粉ミルク」
粉ミルクは言うまでもなく消毒されている
すると赤ちゃんの腸内に存在する良い菌も殺菌されてしまう

✅実際に粉ミルクで育てられた子供は感染症や皮膚へ喘息にかかりやすい。他のあらゆる病気の死亡リスクも母乳より粉ミルクで育てられた方が高かった

ちなみに人の脳は乳幼児期に造られる
赤ちゃんの時の腸内の微生物の状態によって今後の性格や行動、病気にかかるリスクがほとんど決まると言っていい

だから子どもはできる限り母乳で育てるべき。子供が生まれたら母親には母乳で子育てをしてもらった方がいいだろう
それだけで子供が病気にかかるリスクが大幅に下がるはず

まとめ

なるべく加工食品を避けて食物繊維をたっぷり食べよう。赤ちゃんには粉ミルク与えないように

人間の行動や性格、病気は自分の腸内細菌の状態が決めていると言ってもいい

この本では「自分の体と細菌たちは一つのチームであるということを意識して、物事を見てみるといい」と書かれている



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