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ライトノベルの賞に応募する

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⭐︎現在(36完結)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書きました。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子…
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ライトノベルの賞に応募する(11)

ライトノベルの賞に応募する(11)

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 帰りの会が終ると、僕は急いで帰った。ランドセルを放り投げ、サッカークラブ用のリュックを背負い、水筒にポカリスエットと氷を足した。
玄関のすぐ横の父親の部屋の扉をノックした。
「お父さん。ミワのお迎えお願いね!」
「ああ。」
低い父親の声が聞こえた。
よし、僕の仕事はここまで! サッカーに行こう!
僕は自分のマウンテンバイクを引っ張り出し、またがって先を急いだ。もうすっかり陽気は

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ライトノベルの賞に応募する(26)

ライトノベルの賞に応募する(26)

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 食堂に入ると配膳はもう済んでいた。僕は昨日と同じ席に着く。パラパラと人が増え、いただきますの号令と一緒に食べ始める。いつものように早々に食事を終え、手持無沙汰にしていた。話しかけられてもあんまり具体的なことは言わなかった。食べながらおしゃべりをする口元を見るのが嫌なのだ。とりあえず口の中のもの飲み込んでから話してくれ。そう思ってしまう。
 朝食の下膳が終ると、朝の会が始まった。

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ライトノベルの賞に応募する(34)

ライトノベルの賞に応募する(34)

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 話し合いはそれで終わったので、僕は湯川さんと部屋に戻った。湯川さんと部屋に戻ると、ミワはもう寝ていた。
「ミワちゃん寝ちゃってるね。」
「はい。」
「さっき、君はすごく頑張れたと思う。」
「…。」
「冷静な言葉で、自分の考えてることを表現できていたし、相手の考えてることを想像して、受け入れられることと、そうでないことを判断できていた。」
「…。」
「それは誰でもできることじゃな

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ライトノベルの賞に応募する(35)

ライトノベルの賞に応募する(35)

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 翌朝起きて朝食を取ると、朝の会で成田さんから大富豪についての新しいルールが発表された。ゲームをするときは必ずオトナを一人入れること。そして、「バカ!」とか「死ね!」という言葉ではなく、聞いた人が傷つかないような言葉選びをみんなで一緒に頑張ってしていこう、と呼びかけがあった。
 その後成田さんと湯川さんに言われて、倉庫で昨日僕を待ち伏せしたメンバー3人にも同じ話をして欲しいと言わ

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ライトノベルの賞に応募する(36)完結!

ライトノベルの賞に応募する(36)完結!

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「おー真之! 来たか!」
 2週間ぶりに会ったサッカークラブのコーチは僕にそう言った。
「お前! めちゃくちゃ心配したんだぞ?!」
 2週間ぶりに会うタカシは、僕に勢いよく抱きついて、僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ごめん、ごめん。」
 僕は、久しぶりに心の底から笑えている気がした。
 4月27日、その日の朝早く、起床時間よりも早い朝6時に、松波さんと畠さんが僕を迎えに来てくれ

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