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ライトノベルの賞に応募する

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⭐︎現在(36完結)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書きました。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子…
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2024年5月の記事一覧

ライトノベルの賞に応募する(28)

ライトノベルの賞に応募する(28)

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「お前も大富豪やる?」
 夕食が終わると、さっき抜けたサッカーのメンバーが声を掛けてきた。どうしようか迷ったけれど、やることもないし、メンバーに入れてもらうことにした。
 ルールは昨日覚えた。要するにこのゲームは3と8と2とジョーカー以外をいかに早く捨てて、手持ちのカードを少なくして、けど最後の一枚にすれば警戒されるから、最後に自分の親のターンで8を切って、2か3とジョーカーを切

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ライトノベルの賞に応募する(29)

ライトノベルの賞に応募する(29)

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 朝起きてから僕はずっとソワソワしていた。湯川さんは夕方からの勤務と言っていた。夕方って何時なんだろう。僕はまだ見ぬギターを貸してもらうことを心の底から楽しみにしていた。
 大富豪のメンバーにサッカーに誘われた。
 でも僕は、
「ごめん、これからサッカーは一人でするわ。」
 と言えた。相手が不快になるだろうとは想像できたけど、僕は僕を大事にするのがここでの課題なのだ。仲間外れや最

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ライトノベルの賞に応募する(30)

ライトノベルの賞に応募する(30)

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夕食の時間ギリギリまで僕はサッカーに集中した。夕食だと呼ばれると、後ろ髪をひかれる思いで、あと片付けをした。しょうがない。ルールは守らなければいけない。使っていたバトンなどの用具を拾って倉庫に向かう。
 倉庫の中で、ハジメたち4人に囲まれた。僕が来るのを待ち伏せしていたのだ。
「お前、なんなんだよ。偉そうに。」
 ハジメが口火を切る。
「サッカーが少しうまいくらいで調子に乗りや

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ライトノベルの賞に応募する(31)

ライトノベルの賞に応募する(31)

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 僕は夕食を部屋で食べるように言われ、部屋に戻ると勉強机に夕食が用意してあった。僕はまだ涙が止まらなかった。一応食べては見たものの味がしなかった。鼻水をすすりながら、一口一口必死で食べた。食べなきゃ僕が負けな気がした。
 僕が必死で食事していると、部屋がノックされた。僕は慌てて服の袖で涙と鼻水をぬぐった。
「おーい。ギター持ってきたぞ!」
 湯川さんだった。
「聞いたぞ、なんか倉

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ライトノベルの賞に応募する(32)

ライトノベルの賞に応募する(32)

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「これはストラトと言ってね、エレキギターの一番オーソドックスな形。で僕が持ってるのがテレキャスター。君はどっちが好き? 好きな方を選んでいいよ。」
 僕が持っているのが木目調に黒い縁取りで、湯川さんが持ってるのが薄い黄色のマットな色だった。
「どちらもフェンダーという会社が作ってるギターで、君が持ってるストラトはUSA、アメリカ産だ。僕が持ってるテレはメキシコ産。」
「…。」

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ライトノベルの賞に応募する(33)

ライトノベルの賞に応募する(33)

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 湯川さんは床にギターを置き、一旦部屋を出て行った。僕は一人その場に残されて、さっき習った通りにギターの音を出してみる。すごくきれいな音ではないけど、なんとなく頭の中でステイゴールドの歌が流れる気がした。和音だけ弾いているんだ。ピアノをやっている僕にはそれが分かった。ギターのすべてのフレーズを再現できているわけでないけど、確かに伴奏にはなる。湯川さんが張ってくれたマスキングテープ

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ライトノベルの賞に応募する(34)

ライトノベルの賞に応募する(34)

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 話し合いはそれで終わったので、僕は湯川さんと部屋に戻った。湯川さんと部屋に戻ると、ミワはもう寝ていた。
「ミワちゃん寝ちゃってるね。」
「はい。」
「さっき、君はすごく頑張れたと思う。」
「…。」
「冷静な言葉で、自分の考えてることを表現できていたし、相手の考えてることを想像して、受け入れられることと、そうでないことを判断できていた。」
「…。」
「それは誰でもできることじゃな

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ライトノベルの賞に応募する(35)

ライトノベルの賞に応募する(35)

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 翌朝起きて朝食を取ると、朝の会で成田さんから大富豪についての新しいルールが発表された。ゲームをするときは必ずオトナを一人入れること。そして、「バカ!」とか「死ね!」という言葉ではなく、聞いた人が傷つかないような言葉選びをみんなで一緒に頑張ってしていこう、と呼びかけがあった。
 その後成田さんと湯川さんに言われて、倉庫で昨日僕を待ち伏せしたメンバー3人にも同じ話をして欲しいと言わ

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ライトノベルの賞に応募する(36)完結!

ライトノベルの賞に応募する(36)完結!

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「おー真之! 来たか!」
 2週間ぶりに会ったサッカークラブのコーチは僕にそう言った。
「お前! めちゃくちゃ心配したんだぞ?!」
 2週間ぶりに会うタカシは、僕に勢いよく抱きついて、僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ごめん、ごめん。」
 僕は、久しぶりに心の底から笑えている気がした。
 4月27日、その日の朝早く、起床時間よりも早い朝6時に、松波さんと畠さんが僕を迎えに来てくれ

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