#現代短歌
「鳥は思いどおりに」揺川たまき 〈短歌50首連作〉
恋人のすがたかたちが部屋にいて寝起きする日々ひとごとみたい
寝転ぶとスマホの画面も回転してしまってなんかちがうと思う
山の写真 きみが見てきた晩冬の雪はこんなになめらかなのね
いわれたとおりにサラダ油を加えたら正しく消えるオクラのえぐみ
ホルモンはトングで押し広げて焼けば安全らしいよ結婚よりも
すぐお腹いっぱいになってつまらないスカートの中で冷えている膝
桃色の猫はいなくて撫でているト
#2023年の自選五首を呟く by揺川たまき
X(Twitter)で投稿しましたが、記録用に。
2023年にお世話になった皆さま、ありがとうございました。
2024年もよろしくお願いいたします。
眼鏡のほうがすきだったなんて言えなくて無防備なその凹凸をみた
真夜中の窓に映ったおれたちもクレーンゲームのあひるなのかな
またきみはわたし以外が好きらしいわたしは置き傘とかしないのに
沢木耕太郎がかわりに旅してくれたから膝を抱えてるだけの土曜
#2022年の自選五首を呟く
2022年末にTwitterに載せたのですが、どんどん流れていってしまうので、
こっちにも載せようと思います。 #2022年の自選五首を呟く です。
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ジンジャーエール、飲む前に嗅ぐときだけがいちばんおいしいけど飲みました
なんとなく断れんくてついていったカフェのケーキの細さ気になる
折りたたみ傘を失くして雨の夜のユニクロのなか 服になりたい
鍵閉めてそのへんにきみのコートがある