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多くの管理職がハマる主体性の罠

みなさま こんばんは。
お忙しい中ご覧いただき、ありがとうございます(^^)

最近の寒暖差のせいか、私の周りでは体調を崩している人がけっこう増えています。お子さんが学年閉鎖なんて話も!!
みなさんも気をつけてください。

さてみなさんは「メンバーの主体性を重んじる」と聞くとどんな印象を持たれますか?一見すると正論ですが・・・今回は、これが実は悪魔のささやきではないか、という話です。


<Mさんの主体性を育てたい>

先日、若手メンバーのMさん(20代)とその上司H課長(50代)から、指示していた案件の報告を受けました。

でも残念なことに、事実確認が足りない、関連する他部署の視点が抜けている、スケジュールが粗すぎる、などツッコミどころ満載の内容で、このまま進めると問題が起こることが目に見えるものでした。(がっかり⤵)
なので、その場ではMさんに細かい説明を交えながら、いくつか宿題を出しました。

その後、H課長と2人になった際に、私は・・・

「H課長どうしたの?あれ、ほとんどMさんにお任せ?」

「さっき指摘したことなんて、H課長はほとんど気付いていたことだと思うんだけど」

「この件はMさんの教育の意味が大きいのもわかるけど、実際に他の部署に動いてもらうものだから、もうちょっとチームの案としての体裁を整えて欲しいんだけど・・・どうしたの?」

と問いかけてみました。

H課長の応えは・・・

「Mさんの主体性を育てたいのと、モチベーションUPにもなると思って任せました。Mさんは色々言うとやる気が下がるタイプなんです」

「今回はMさんにしては、できた方だと思います」

「まあ、確かに他部署には通らないと思いますけど・・・」


「はあ~???」と口にはしませんでしたが、私は呆れてしまいました。

主体性を育てるのはもちろん大切なこと。でも出来上がりの品質がNGのものはNG!!
任せてある程度できるメンバーなら問題ないけど、Mさんのように基礎的な力が未熟なメンバーに対しては、やはりしっかりと指導しないと、ムダな時間が大きく増え、間違った習慣・常識・感覚を身に付けてしまいかねません。メンバーにしても、時間も自信も奪われ、いい迷惑ですよね。

<いつの間にか自分も誤魔化せてしまう言葉>

私は「主体性を育むため」「主体性を重んじる」は悪魔のささやきだと思うのです。管理者側が面倒や手間に感じたり、やや腰が引ける時に、自分自身も無意識の内に誤魔化し正当化してしまう、もっともらしい言い訳

意図的に無理めな課題に取組むことで主体性、実力が飛躍するメンバーもいるにはいますが、稀なケースですよね。

そもそも『本当に任せて良いかどうか』は、たいてい管理職側もちゃんと認識しているはずです!!

にもかかわらず、魔が差すと言うか、心に隙ができると言うか、気の迷いと言うか、後から思うとなんであんな判断したんだろうと思うというか・・・
そういう「瞬間」てみなさんはご経験ありませんか?

そんな瞬間が要注意だと思うのです。
それは具体的には、どんな時でしょう・・・・・

<魔が差す例>

◆管理職側が時間に追われている系
✔自分がめちゃくちゃ忙しくて、1つでも今やるべき事を減らしたい!
✔別件で暫く立て込んで、今ちょっとこの案件の面倒を見る手が回らない
✔このメンバーは細かく順番に教えないといけないので手間が掛かりそう。

◆該当メンバーとのコミュニケーションに苦手意識がある系
✔このメンバーとは波長が合わないみたいで、何だか言葉が通じにくい
✔◯◯さんは変なとこに拘りがあってやりにくいんだよね。ちょっと苦手。
✔この年代は根本的な考え方にギャップがあって、やりずらいんだよな。

◆該当メンバーの育成に限界を感じている系
✔この位の年代になると、この程度の仕事はできるハズなんだよな。
✔このメンバーにはもう何度も同じ指導をしてるんだよなあ。
✔◯◯さんは適当にやっても、こっちが全部考える思っているフシがある。

◆管理職側が落ち込み気味系
✔自分の案件が壁にぶつかってて頭がいっぱい
✔この前は良く出来たと思ったのに、上からけちょんけちょんだったなぁ
✔そもそも自分は教えるの上手くないし。指導してて自分が嫌になる。

などなど。
該当する時は要注意です!

実は私も、時間に追われている時に悪魔のささやきが聞こえてきて、結果的に期日間際にほぼ全て自分がやり直すという、メンバーにとっても最悪のことを何度かやらかした経験があります。
これやっちゃうと、後からいくら言葉でメンバーをフォローしても、全く響かなくなってしまい、関係性の回復がめちゃくちゃ大変でした。
表向きには何も問題なくても、メンバー側の奥に残っているんですよね。
もう、ホントに最悪。

<おわりに>

ここまでお読み頂きありがとうございます。
みなさんは、部下や後輩、または自分自身で似たような経験ありませんか?

私の職場では他にも昨今の「多様性を受容れる」から誤解が始まり、「メンバーの意見・意思を尊重する」⇒「主体性・自主性を尊重する」⇒「メンバーの成果物をそのまま受容れ」という事が起きたり、世代間ギャップを避けたい心理から「主体性を重んじる」になったりすることがありました。

当り前のことですが、仕事なので最終的には「お客様(お取引先、上役、他部署含む)」に納得してもらえる資料・提案を出さなければ、せっかく時間を掛けてやっても、やらないのと一緒。
職位・階層が下のメンバーほど、そこを感じにくいと思います。
なので「多様性尊重」とか「Z世代の処し方」とか、新たな風潮に流されず、本質的な目的(お客様の期待に応える)を見失わないようにしていきたいですね~。

<魔が差す例>で書いたことは、誰にでもあることかなぁと思います。
みなさんは、いかがですか?
もし「メンバーの主体性に任せよう、尊重しよう」と悪魔のささやきが聞こえてきたら、ぜひ、お客様(お取引先、上役、他部署)の顔を、それとメンバーが成長してバリバリ働いている姿を、超具体的な場面で、ありありと、改めて思い浮かべてみてください。きっと悪魔が消えていきますよ。

では!また!

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