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Magic Wordの『Please』

前置き:これはあくまでイギリスの話です。

PleaseはMagic Word(魔法の言葉)

イギリスではPleaseとThank youはMagic word と言われています。

子どもたちは、「Thank you」は割とすんなり言えるようになるようですが、Pleaseを言うマナーを習慣として定着させるというのには、親の忍耐強い努力が必要なんです。今回は、その『Please』についてお話します。

イギリス人のお母さんたちは、幼い子どもたちが何かを食べたい・したいという要望を誰かに伝える際に「Please」をいい忘れてはいないかを常にチェックしています。正直、これはカルチャーショックでした。

イギリスのお母さんたちは、まだ言葉を覚えたての子供たちに執拗に「Pleaseは?」とか「What is the magic word?」 → 答え「Please」と必ず子供たちがPleaseを文頭または文尾に言うのを確認します。言うまではほしいものを与えない徹底ぶりです。

Pleaseを忘れがちな子供には、Pleaseから文章を始めるように指導します。May I have 〇〇, please? → Please, may I have 〇〇?
※大人でPlease may I have 〇〇という言い方はしません。あくまで子供が使う言い方のようです。

May I(何々してもよろしいですか?)を使って3歳ぐらいの子が欲しいものを求めた時点で、それだけで私なんかは素晴らしいと思うのですが、イギリス人ママたちは違います。「絶対」Pleaseを言わないとダメ!なのです。

日本の家庭では(少なくとも我が家では)

「ちょっと醤油とってくれる」
「・・・」無言で渡す。
終わり

ですが、イギリス家庭だと、
「ちょっと醤油をとってくださる(Please?)」※Magic Word
「はいどうぞ」
「ありがとう」※Magic Word

のセットを言えないと、失礼と思われがち。娘には日本語でさんざんあれしろこれしろ命令口調なのに、英語でCan you tidy up, please?(お片付けてしてくれるかしら?)とか「Can I watch TV, please?」と小さい娘にPlease を言わせたり、一日中Pleaseを文尾につけてるかの確認をし続けるのは、正直、すごくめんどくさかったです!でもお友達の家に呼ばれたり、誕生会のような場で、お友達とおもちゃのやりとりやらお菓子をいただいたりする場面で、普段していないとやっぱりMagic word は言葉として口から出てこないので、「できない子供=教育ができていない親」と思われるのも、失礼でもない我が子が礼儀知らずと思われるのも嫌だったので、Pleaseを強要してきました。ま、そのかいあって、今では私も娘もすんなりPleaseが出てくるので、あの苦労は無駄ではなかったなと思います。

17歳の娘から携帯のメッセージで迎えにきてほしいと連絡が来る時のメッセージは、「Can you pick me up at the station, please?」
メッセージにもPleaseがちゃんとついています。うちの子供がすごいんじゃなくて、こういうのがマナーなんです。男の子はどうなのか、ちょっとわかりませんが。

ちなみに「Can you pick me up at the station, please?」と「Can you pick me up at the station?」をGoogle translate で日本語に訳してみると、全く同じ訳になります。日本人(語)的にはpleaseを付けても付けなくても何も変わらないんですが、イギリス人には微妙に違って聞こえるみたいです。

イギリス人の注文(お願い)の方法

子どもの場合
May I have ____, please?     Please, may I have ____?
Can I have ____, please?      Please, can I have ____?

大人の場合
Can I have ____, please? 
(大人でPleaseから文章を始める人はあまりみたことはありません)
Could I have ____, please?
と言うのが一般的でしょうか。

ほとんど皆さんPleaseを最後につけます。

ちなみに、May I とか Could I とかが緊張で出てこなければ、
______, please.  で十分丁寧です。

こちらに来たばかりの日本人や観光客の人をみていると。カフェで飲み物のサイズを聞かれたときに、

店員:「Medium or Large?」
日本人客:「Medium」

店員「カプチーノの上にチョコパウダーをかけますか?」
日本人客:「Yes」

というシーンを見かけます。けっして間違いではありませんが、もし覚えていたらMagic Wordをつけて"Medium, please." "Yes, please." (※No の場合は "No thak you.")と答えると、相手への敬意を表せ、しかも自分をSophisticated(洗練された)に見せることもできます。たかがPleaseなんですが、それを付ける付けないで、『イギリスでは』その人の評価や相手への印象というものが変わってきます。

イギリスへご旅行される機会があったら、Magic word をぜひ使ってみてください。


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