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014  名厨本帮館

三林がルーツの上海料理。

【お勧めシーン】 3〜4人以上での食事
【こんな人に】 伝統的上海料理に興味、地元人気重視、賑やか好き、庶民的な雰囲気が好み、上海人好みの味を知りたい

5〜6年前に、上海人の年配の料理人に「上海料理を食べるならここ」と勧められたお店。上海料理界では知らない人はいないという、李伯栄(2016年逝去)という国宝級の料理人の直属の弟子が開いたのだそう。
上海料理というと、ルーツは浙江省や江蘇省の料理と言われているけれど、昔ながらの料理のルーツは浦東の三林とのこと。三林は川沿いに小さな古鎮があり、そこにもいいお店が点在しているのでいつか紹介したい。で、一般的には「甘辛」が上海料理の特徴とされているが、三林ルーツの上海料理は「入口甜、回味咸(口に入れたときはほんのり甘く、あと味はほんのり塩味)」らしい。
なので、上海に来たからにはここの料理は味わっておいたほうがいいと思うのだ。
確かにほかの上海料理店と違って茶色い料理は少なめ。あっさりした料理が多い。その代表格で、特にお勧めなのが「上海煮干絲」(39元)。干し豆腐の細切りを鶏ガラ、中華ハムなどの出汁スープで煮込んだ料理。あっさり塩味なので、ビールよりも甘口の「黄酒」が合うかも。

「上海煮干絲」(39元)。深みのある出汁スープが美味。

『名厨本帮館』では、「上海料理といえばこれ」という先入観を捨てて、テーブルが茶色くならないようにオーダーするのがコツ。すると、これまで知らなかった上海料理に出合うことができる。
最近は、生粋の上海人でも健康面から「甘辛」を控える年配者が多いという。なので、食事時の店内は地元の年配者でいっぱい。彼らのテーブルを見てオーダーするのもいいかもしれない。


<これもお勧め>

「特色咸香鶏」(39元)。ふっくらやわらかい塩蒸し鶏。
「古鎮醤黄瓜」(29元)。キュウリの皮の甘口醤油漬け。パリパリ。
「咸蛋黄排条」(49元)。豚の細切り肉の塩卵をまぶしたフリッター。いちばん人気のメニューだそう。
「鶏毛菜炒干絲」(29元)。あっさり塩味なのにご飯が進む不思議。

<DATA>
上海市黄浦区汝南路118号
地下鉄13号線「世博会博物館」駅3号出口から徒歩約12分
11:00-14:00 17:00-21:00
☆週末の食事時は要予約。

(掲載日:2024年1月14日)
※メニュー内容、メニュー名、値段、店舗の外観や内装は掲載日の時点のものです。

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