(書評) 滅びゆく言葉で書かれた芳醇な文学--アイザック・バシェビス・シンガー
ノーベル文学賞受賞者の割に日本ではマイナーな孤高の作家ですが、もっと多くの方に読んでほしい、私の敬愛する作家の一人です。
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舌を噛みそうな名前だけど、アイザック・バシェビス・シンガーってご存知だろうか?
私は岩波少年文庫から出ている『やぎと少年』は知っていたが、彼の小説を読んだことはなかった。バーブラ・ストライザンド主演でヒットした映画『愛のイェントル』の原作者であることも、ノーベル文学賞受賞者であることも ”イディッシュ最後で最大の文学者" なのも、恥ずかしながら不勉強で知らなかった(ロンドン・タイムス、ガーディアンといった一流紙が、彼を「トルストイと並ぶ作家」と称賛しているのを知った。やはり凄い人なのだ)
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