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「カデンシア」 タンゴを魅力的にする揺れの正体
「カデンシア」この言葉はタンゴを初めてだいぶ経ってから
知った。
明確に出てきたのは、80を当にすぎた歳 マエストロ「TOTO」が来日した時であった。
クラスで彼は
「カデンシアありの踊りと カデンシアがなしの踊りをします。」
と二つのサリーダをした。 その違いがわからなかった
その場にいた全員狐に摘まれたように 顔をぽかんっとしていたと思う。
その時の動画をシェア!
Cadencia 揺れ、日本語で抑揚といったり 英語ではRock Stepという人もいる。身体を上下に揺れることだ。
しかし、どの説明もピンっと来なかった。
そして 最近 「カデンシア」がその違いをつくってるんだと腑に落ちた。 その違いはエセナリオ(ショータンゴ)見ていてだ。
「カデンシア」の違い
世界選手権のダンサーの踊りとあるカンパニーのダンサー踊りが何が違うのか?サロンも綺麗なサロンと心に響くサロンダンスと何が違うのか?
その違いを見つけることは 雲を掴むような感じがした。
それが あ〜 これなかのというのが感じられた。
それが「カデンシア」の違いだ。
この揺れは体の揺れだ。呼吸は 吸うと 膨らみ(膨張)そして息を吐くと緩む(弛緩)する。この膨張と弛緩の連続が呼吸だ。これが歩きの中にも現れてくることだ。 タンゴでは意図的に「カデンシア」を起こす。
「カデンシア」の動きはサイクロイドの曲線の動き
「カデンシア」が見えた時 ふと閃いた。
これは「サイクロイド曲線の動き」ではないか?と
「サイクロイド曲線」は 前にこのブログで取り上げた。
直線より曲線のが速く到達する曲線のことだ。
「カデンシア」は、サイクロイド曲線のように直線的ではなく
放物線を描きながら進んでいく。
この動きは「歩き」だけではなく、全ての動きにサイクロイド曲線=「カデンシア」が含まれている。
前回書いた「サイクロイド曲線」のブログでは
体内に「サイクロイド曲線」の流れがあるだけで、「動き」までは言及していなかった。なぜならば、そこまでの考えが及んでいなかったからだだ
失礼しました。
実際にどこに「カデンシア」があるのでしょうか?
それは「歩き」「ヒーロ」時の男性」「オーチョ」「ボレオ」「男性のアドルノ」などなどほぼ全ての動きに現れる。
カデンシアの説明の時は よく「踏む」という言葉で説明されるが
踏んだ時、上にくる動きがあると「カデンシア」が生まれる。
下だけの意識だとカデンシアは生まれない。
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・自然界に直線はない
自然界に直線的にできているのはないだろうか?
何かしらの螺旋状の形が 遠くから見ると直線に見える。
タンゴでこの「カデンシア」があるとその踊りに
魂が宿ったように心に突き刺さる。
「カデンシア」がない踊りは直線的で綺麗だ。
テクニックも素晴らしいが何か一味抜けている感じがする。
それが「カデンシア」だ
・「カデンシア」の作り方
「カデンシア」を行うにはリラックスが必要。
リラックスを呼吸でつくる。
吐いた時は 床に体重が落ちる感覚。
落ちる感覚はゲル状のものが床上が四方八方に広がるイメージ。
吸う時はなるべく息を細くして吸い、その吸った細い空気が天に
そのまま突き刺さっていくイメージ。
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それが連続して動くと円運動の動きに近くなる。
それが歩きの動きだ
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この「カデンシア」の動きはフォルクローレや民族的な動きによく出てくる。民族的な踊りは、腰を落として地を這うように踊る。
またヨガの「グラウディング」とも似ている。グラウディングは地球とつながるイメージだ。地球とつながるとは人の重さを地球に戻すことだ。
そして 戻した重さから上に戻る反力を生む。それは動きとして現れる。
効力で描く放物線上の間が表現の場。
これはとても自然な動きであり、全てのものにも含まれている。
最初に疑問を感じた綺麗な踊りには、 この「カデンシア」がないのだ。
速さもあり美しさはあるが、自然さ失われているのかもしれない。
・「カデンシア」の効用
「カデンシア」は音楽の流れでもあり、理解すると音楽性の幅が広がる。
「カデンシア」を体得することのよって、動きが自然になり自然な動きになり、動きがスムーズになる。そして、踊りの表現の幅が広がり踊りがより楽しく面白くなる。
タンゴは「カデンシア」が醍醐味。
ぜひ「カデンシア」を体得してみてよう
GYU