「光と重力」 小山慶太 著
光と重力、自分がタンゴを通じて発見した二つのワードが題名の本書。
著書「プリンキピア」で万有引力基礎を定義し「光学」も記したニュートンと一般相対性理論でニュートンの万有引力を覆したアインシュタインが書かれている本である。
*個人的な気づき
この本を読んでアインシュタインの名言「神はサイコロを振らない。」
物事は多くの事象に影響を受けて行われてことがわかった。
・「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」
この本で最初にわかったのは
「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」
言葉の読み方であった。この言葉を読むことはできたが
その言葉が何を指して言ってるのかは気にも留めなかった。
特殊 (ある重力の影響を考えない特殊な環境下)
相対(空間や時間が絶対的ではない環境下)
での理論である。
ニュートンの万有引力は固定された条件
(絶対時間と絶対空間)の上に成り立っていた。
アインシュタインは絶対条件を覆し
特殊(光速で動く中では)相対的に動く中での証明であったといこと。
一般 (重力が時間と空間を歪める環境下)のことであった。
*個人的な気づき
まだ言葉としては足りないかもしれないが理解へ一歩も2歩も
前に進んだ感じ。
ニュートン力学と相対性理論を比較した表
本書は
前半はニュートンとアインシュタインの人生の回想から
古典物理の流れを教えてくれる。
・アインシュタインの回想録
アインシュタイン16歳の時、
光速で走ったら鏡に自分の顔は映るのか?と考える。
これが10年後の 1905年 「特殊相対性理論」 となり
その10年後の 1915年 「一般相対性理論」 となる。
本文:1907年にアインシュタインは突然です
重力にまかせ自由落下していく人は、自分の体重を感じないのではないか?という考えが浮かんだ。加速度運動するとその反対方向に力が派生し体重が消失する。
* 個人的な気づき
タンゴでは歩きの時に頭の重さがこの力を作ってくれる。
足が軽く体重を感じないように動くことができる。
ソリストのアインシュタイン
アインシュタインはバイオリンを6歳の頃から弾き始め生涯弾いていた。
物理学者にならなければ音楽家(バイオリンのソリスト)になっていたでしょう。物理学者でも孤高の存在であった。
*個人的な気づき
付き合いのあるタンゴのミュージシャンの人たちを見ていると
ロックミュージシャンみたいな雰囲気よりも学者の雰囲気が漂っている。彼らも音楽家の道でなければ研究者の道を選ぶ人生もあったのかもしれない。
・ニュートンの回想録
ニュートンは銅像はプリズムを手にした。プリズムは人組の並行な面を持たない透き通った物体。さまざまな古典力学を定義したニュートンはプリズムをもっていた。
科学は哲学の一分野だった
ニュートンは1672年 哲学会報 「光と色についての新理論」を発表している。それはそれまでの光の概念を覆すものであった。
哲学会報もそうだが光の概念は哲学者アリストテレスが考えていた。
光の歴史
光は古代ギリシアの哲学者アリストテレスの
光の二元論から 光と闇 から光に闇が混ざり
色ができていたと考えられていた。
他の二元論
天上界(星々の世界)と地上界(人間が住む世界) 天道説
天上界(完全な世界) 地上界(不完全な世界)
天上界は等速円運動 地上界は落下上昇の直線運動)
天上界はエーテル(架空の物質) 地上界 土、水、空気、火の四元素)
ニュートンはプリズムによる見事な実験によって打ち破る。
光はプリズを通過すると屈折率の分散によって色分けされる。
それをまとめられたのは1704年「光学」と題する書物にまとめられた。
力学は偉大な先達 コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、デカルトといった偉大な先達の恩恵を受けている。光学に関しては先達はなかった。
光学のプリズムを使った実験は独創性が高かったと言える。それがカレッジに立つニュートン像に表れているのではないか?
・光の本性
光の本質の解明
ニュートンは光を
the Rays of Light its least Parts
光の射線は光の最小粒子
と記述した。
ニュートンは光は粒子として捉えていた。
光に対し「ニュートン」と対立した「フック」
ミクログラフィアを描いた著者:ロバート・フックは
見えない空下には見えない媒質が均質に充満しており
光とその中を伝わる波動と考えた。
もう一つの波動説
ホイヘンス著 「光についての論考」 の中で音とのアナロジー を持ち出して光の本性について
音は見えもせず手に触れることもできない空気を媒介して四方八方へと伝わっていく。伝播の仕方が等方的、等速度であることから、音は球状の波面の運動とみなせる。光も同様に空間を満たす、空気とは別の媒質が形成する球面波として広がるものと考えてよい。
*アナロジーとは ある特定点の類似性から他の点で類似性を推論すること
ホイヘンスの波動論を使った原理 →
光の回折 (光が障害物の後ろに少し回り込む現象)
上記から光は19世紀初めまで粒子説と波動説が共存する形で論争された。
・目に見えない光の発見
ハーシェルの色温度実験により
可視光線の外側に紫外線 と 赤外線があることが発見された。
ヤングの光の干渉実験 (光の波動説)
マクスウェル方程式と電磁波
1864年電場と磁場の微分方程式から波動方程式が導きされた。
その電磁波の伝播速度は
1849年フランスのフィゾーが実験で求めた光速度とぴたりと一致し
光は電磁波に他ならないといく結論になる。
マクスウェルは世界初のカラー写真を撮影した。
写真単語「photograph」は光子単語「photon」から。
・力学と絶対運動
「自然哲学と機械技術の講義」
強大な電車に乗っていて窓もなく 揺れも感じずに 音も聞こえない車両の中に閉じ込められたとしたら電車が一様な運動を続き得てる限り、
車内でどのような力学的実験、観測を試みても、自分の運動状態を知ることはできない。静止か一様な運動かはあくまでも相対的な話になってしまう。
光と万有引力の定義
ニュートンの時には絶対運動や絶対空間の条件だったのに対し
アインシュタインは相対空間や時間、重力の作用などで相対的に
なった。
そこから光の粒子と波動性
光には粒子と波の二つの属性が同時に付与されており、光は物質的との相互作用の仕方、つまり刺激の受け方によって、どちらか一方の属性をより顕著に表すとする見方である。それがまさに、発見法的視点に他ならない。
波動論
波動論の利点は光を空間的にも時間的にも連続して分布する実態として記述しているわけであり、それにきいんする諸現象を見事に説明している。
適用できない部分 局所的、瞬間的、時間的に連続的な分布と見做せない場合は波動論を適用できない。
・アインシュタインの 「神はサイコロ遊びをしない」
皆相対的であり、相対的に係数が変わる。
皆物事は人知れず 影響し影響し合っている。それも多くの事象と。
「火星に行ける日がきても、テレビ塔のてっぺんから落ちる紙の行方を知ることはできないということ頃に科学の偉大さと、限界とがある。」
中谷宇吉郎「科学の方法」「解ける問題と解けない問題」より
・学びとまとめ
言葉の定義は大事。絶対と相対、一般と特殊
昔は哲学の中に科学があった。
物事を行う条件で結果は違ってくる。 相対性理論
目に見えないものが人に影響を与えている。 (赤外線、紫外線、重力)
様々ことが一つの事象に影響を与えている。 神はサイコロを振らない
内容が濃い一冊。まだまだ読みきれない。
光の存在 粒子と波動 論は現在の量子力学で語られている紐と粒子とも繋がっている。
GYU
*2022.2.25 改訂