「信じがたき存在 その2」・・・遭遇。手に取っても信じられないもの。
『信じがたき存在 その2』
「イケメンだけど貧乏な男と不細工な金持ち、両方に求婚されたら、どっちを選ぶ?」。
といった究極の選択を迫られた経験のある方も少なくないだろう。
大体は、見た目と中身のギャップがある事が多い。
私は最近、そんな見た目と中身のギャップがあるものに出会った。
それは数週間前のこと。
ある駅の地下ホームに降り立ち、改札階に上るべくエスカレーターに乗った私は、斜め上に体が昇っていく途中、私はホームのある一点から目が離せなくなった。
「なんだ。あれは・・・」
それは、エスカレーターのすぐ脇にある自動販売機だった。
ありふれた自販機だが、何かが違う。
何か違和感のようなものを感じる。
上るに連れて自販機は見えなくなっていく。
しかし、そのまま過ぎ去って良いものではない。
「早く着け! 早く着け!」
エスカレーターのステップを駆け上るのは危険だ。
もしリスクを覚悟したとしても、通勤時間のど真ん中の駅のエスカレーターには、一段に二人ずつ、びっしりと人が乗っていて、駆け上がることはできない。
私は焦る気持ちを押さえて上の改札階に着くのを待った。
十秒にも満たないわずかな時間であったが、私には千年にも思えた。
ようやく改札階に着いてエスカレーターを降りるやいなや、
私は踵を返し、後方にある下り階段に急いだ。
もつれそうになるほど興奮した足取りで、階段を駆け下り、
ホーム階の自動販売機に向かった。
「やっぱり。見間違いじゃなかった・・・」
違和感の正体はこれだ。その自販機にはあったのだ。
見覚えのある缶ジュースの列の中に・・・「缶カレー」が。
カレーだ。缶のジュースではなく、カレー。缶カレーだ。
実際に開けてみると、中から出てきたのは、まぎれもなくカレーだ。
見た目も、香りも、味も。目隠しして飲ませたとしたら、全員「カレー」と言うだろう。
確かに具は入っていないが、味は、以前書いた「カレーパンサイダー」より
もっとカレーだった。
「カレーは飲み物」とは、ある快食タレントの決まり文句だが、
この自販機は、それを実践しているのだ。
そして、もう一つは、ピンク色のカレーである。
「さくらんぼカレー」。
さくらんぼの特産地、山形のレトルトカレーの一つである。
見た目は全くカレーに見えないのだが、味はカレーである。
そして、中にはちゃんとサクランボが入っている。
カレーはホントに裾野が広い。
と言う訳でシャレでは無いのだが、
こちらは富士山型のカレーパンだ。
ちなみに、缶カレーを飲んでみたい方は、ポッカの自動販売機を探すか、下記のサイトへ。
おわり
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