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#ゴエンカさん
ヴィパッサナ瞑想体験記その8
長く続いてきたこの連載も、いよいよ最終回。ゴエンカさんの指導はますます深くなっていきます。そんなとき、異変が起きます。グループ瞑想の時間になっても、「おじさん」の姿が見えないのです。一体どうしたのでしょう?
瞑想はさらに深く。 8日目。ゴエンカさんの指導はますます深くなっていく。今度は、全身を自由な流れとして感じなさい、可能ならば、身体の内部の感覚も探りなさい、とテープの声。
古い生徒には、
ヴィパッサナ瞑想体験記その7
京都の山奥での瞑想合宿も7日目。足の痛みに耐えながら座り続けていると、すこしずつコツもわかってきて、心がどんどん静かに集中してくるのがわかります。そんなとき参加者のひとりが、「これ以上続けられない、帰る」と言い出したのです。
白隠禅師の「軟酢の法」。 この痛み、かゆみ、何かが触れるような感じ。それは過去のサンカーラが浮上しているのである。無意識に蓄えられた、自分では忘れている過去の出来事への反応
ヴィパッサナ瞑想体験記その6
痛みへの恐怖。 午後は2時半からグループ瞑想である。負け惜しみかもしれないが、呼吸を数えたりマントラを唱えて座るなら、痛みも軽減するかもしれない。でもこのヴィパッサナ瞑想は観察の瞑想だ。痛みがあれば、その痛みを取りだし、観察し、味わう。ということは、それだけ痛みが鋭く迫ってくるのだ。
頭や腕を観察しているうちは、足のことは忘れていられる。しかし、観察が足に至り、その痛みに向かい合うとき、それ以
ヴィパッサナ瞑想体験記その5
4日目、ヴィパッサナ瞑想の説明。 朝から、上唇を底辺として鼻の穴を頂点とする小さな三角形のなかで起こっていることを観察する。
4日目の午後、3時からのグループ瞑想が終わったあと、1時間に渡ってヴィパッサナ瞑想の説明があった。テープのゴエンカさんの声が言うには、ヴィパッサナというのはパーリ語。vipassanaのviは「分析する」という意味。passanaは「見ること」。つまりヴィパッサナ瞑想と
ヴィパッサナ瞑想体験記その4
気になるおじさん おじさんは60歳を過ぎているのだろう。からだもそんなに丈夫じゃないみたいだし、一時間座っているのもつらそうに見える。それでも他の人と同じようにがんばっているのは偉いと思うのだが、なにげなく動くなかでとにかくいろんな音を出すのだ。
ゴホン、とか、ゲ、とか、フー、とか。咳払いはもちろん、立つとき座るときに「よっこいしょ」「あー」。ときどき「プッ」。それが一度気になり出すと、衣擦れ
ヴィパッサナ瞑想体験記その2
瞑想の説明 午後8時半。いよいよ瞑想の説明が始まる。ホールへ集まってしばらくすると「先生」が登場。日本人の、なんだか若い男の先生だ(30代なかば?)。瞑想の指導はその先生がしてくれるのかと思っていたら、ごそごそとカセットデッキを操作している。しばらくして地の底から響くような低く太い声が聞こえてきた。ゴエンカさんの声だ。ゴエンカさんは英語で、続いて女性の通訳の声。
まず最初は「吸う息」と「吐く息
ヴィパッサナ瞑想体験記その1
以下は1995年1月5日から15日まで私が体験した、京都ダンマ・バーヌにおけるヴィパッサナ瞑想の記録です。もう20年以上前のことなので、現在はようすが違っているかもしれません。
前日 朝7時起床。午前11時、荷物をまとめる。5日分くらいの着替え、洗面道具、タオル、シーツ、掛け布団用のシーツ、毛布、懐中電灯…。大きなボストンバックとリュックがはちきれんばかりになった。ちなみに書籍やノート、筆記用